路上のうた ホームレス川柳

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制作 : ビッグイシュー日本編集部 
  • ビッグイシュー日本 (2010年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904515013

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路上のうた ホームレス川柳の感想・レビュー・書評

  • 福岡でビッグイシューの販売員をしている髭戸太さんら6人が作った川柳を編集して発行したもの。2010年発行。今年3月目出度く第二刷が発行された。

    俳句にせよ、川柳にせよ、その人物のカメラアイに写った景色が表現される。ならば、この句集に触れることは、そのままホームレスの人たちの生活に肌まで触れることを意味するだろう。

    同時に川柳なので、そこはかとないユーモアも見える。それは、その人物の人生を感じるということでもある。

    前半は四季に沿って選択。後半は衣食住や仕事やつながりで編集されている。約300句から幾つかを選ぶ。

    (髭)は髭戸太さん
    (藤)は大濠藤太さん
    (草)は沢野健草さん
    (村)は村中小僧さん
    (麺)は麺好司さん
    (山)は山本一郎さん

    老猫と 日なが一日 ベンチかな (髭)
    花見客 俺の寝床で ご宴会(草)
    てふてふと 炊き出し並ぶ 昼下がり(髭)
    炊き出しの メンバー変わる この季節(麺)
    祭りとは 花火の後の 缶ひろい(髭)
    俺の血は 栄養ないから 刺さないで(藤)
    甲子園 故郷の代表 気にかかる(草)
    盆が来る 俺は実家で 仏様(藤)
    鰯雲 網で焼いたら 食えるかな(髭)
    寝不足と 栄養不足 長い風邪(麺)
    軒下で 寝てる自分も 雪化粧(村)
    大不況 炊き出し列は 大盛況(村)
    白昼夢? 仲間みんなで 鍋パーティー(髭)
    駄洒落でも クルシミマスと 言えぬ今(麺)
    出初式 元消防団の 血が騒ぐ(村)
    北の風 このままいると 北枕(山)
    給付金 住まい無い俺 無関係(麺)
    期限切れ 残さず食べて エコ活動(村)
    腰痛い 病名つければ コンクリ病(草)
    五月晴れ 川で洗濯 岩に干し(髭)
    炊き出しの 人数で判る 世の景気(麺)
    目が開けば 飛び込んでくる 青い空(髭)
    ストレスは ホームレスにも 消えぬ日々(麺)
    野良猫が 同情してそな 眼をしてる(草)
    指さされ あんな大人に なるなよと(藤)
    前向いて 歩いたつもりが 後ろ向き(髭)
    心掛け 常に下見て 周り見て(草)
    空腹で 何もないけど 友が居て(髭)

    出来ることなら、路上の販売員から買って欲しい(私もそうした)。本屋でも買えるみたいだが、ここで買えば、半額が販売員の収入になる。

    2015年8月14日読了

  • ホームレス川柳があるのなら、ひきこもり川柳もないかな。作ったら売れるかもしれない。

  • ビッグイシューというホームレスの人を支援する団体の方達が出したもの。
    ホームレスの方たちが書いた川柳をまとめたものです。
    悲喜こもごもっていった感じ。

  • サラリーマンという境遇の辛さがサラリーマン川柳を詠ませたように、さらに過酷であろう人たちが詠んだ歌はまた違う性質を持っているだろう。

    野良猫が 俺より先に 飼い猫に

    一歩先に追い越されているのは、猫。これは笑ってよいのか、それとも気の毒におもってよいのかが、わからない。
    詩の存在そのものが非常に強く浮かび上がってきて、こう思った事実だけが残る。

    自分と境遇の違う人とは無関係のように感じてしまう。しかし川柳によってその人たちの思うことが強く浮かび上がり、関心が強くなる。それはおかしさと悲しさを合い待った川柳だからだろう。

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