- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904536056
作品紹介・あらすじ
本書は,後進の育成において数多くの事例に対峙してきた著者の,それらのセラピーの行く末を見据えたコメントを集成した第一部と,実際の著者によるスーパーヴィジョンの逐語録である第二部からなっています。
セラピーの本質やセラピストが本当になすべきことをまとめたもので,臨床実践の真髄というべき本になりました。
事例検討コメントには,事例提供者*がまとめたケース短報も付され,セラピーのプロセスやケースの見立てなどについて吟味できるようになっています。クラ イエントのことを常に念頭においたコメントは,時に厳しいものもありますが,セラピーに対する誠実さに溢れ,詳細に論じられていますので,初学者の方にも わかりやすいでしょう。
また,第二部では,なかなか活字になることがない,本物の,二時間にわたるスーパーヴィジョンを,二人のコメントやため息までも余すことなく再現しました。これは本邦初かはわかりませんが,他にはないかもしれません。
至高の臨床家の,感性と個性と現実感覚に基づく臨床世界が俯瞰でき,多くの臨床家にとって,座右の書となる一冊となるでしょう。
*事例提供者(敬称略):村瀬嘉代子,皆藤章,保坂亨,棚瀬一代,菅野信夫,待鳥浩司,岸本寛史,横山恭子,清水信介,守屋英子ほか、合計26名。
感想・レビュー・書評
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事例がたくさん読め、それに対するコメントも辛らつに書かれていておもしろい。
しかし、やや詰め込みすぎなところもある。筆者はその事例に対する全ての記録に目を通してコメントを書いているのに、本には事例記録の要約しか載っていないため、解釈を読んでも歯がゆくわかりにくい。私の想像力と勉強が足りないのかもしれないが、箱庭について写真なしで文章だけで解釈されても…といった感じ。
また、紀要などに載せるものを編集したためしょうがないのかもしれないが、いちいち「規定枚数を大幅に過ぎてしまった」とか書くスペースがあるのなら、解釈を長くしてほしいと感じてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示