- Amazon.co.jp ・本 (904ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904702277
作品紹介・あらすじ
18世紀、「歩く」・「見る」ことから一挙に花開いていった、観相学(フィジオノミー)の発達、推理小説の技術革新、
ピクチャレスクの旺盛、百科総覧による視覚文化の横溢を、洋の東西をうねくりながら、絢爛豪華に展開。
感想・レビュー・書評
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【自分のための読書メモ】
やっと読みました、12,600円の大著。買って手元に置いときたいけど、2児の父になり、おこずかい制度の中、泣く泣く、図書館で借りました。といっても、ちゃんとこういう本を買ってくれる県立図書館に感謝。
高山宏は、僕の大学時代からのアイドルのひとり。
講談社選書メチエで出た『奇想天外英文学講義』(のちに講談社学術文庫『近代文化史入門』で再出)を読んで以来、ずっとこんな風に学問できたら、世界が違って見えるようになるだろうなと、ずっとあこがれの存在。私淑する知の先達であり、この10年すこしずつ、古本で集めたり、図書館で借りたりしながら読み継いできました。
そこで、今回のこの本。1000ページを超える分厚い本ながら、子育ての合間を縫って、子供を寝かしつけたあと、少しずつ舐めるように読んできました。
内容はこれまでに雑誌『ユリイカ』や、大小さまざま、ほんとにさまざまなところで書かれたものを、「マニエリスム」「ピクチャレスク」といった切り口でまとめたもの。
これまで、いろいろな問題を扱って、そしてまったく関係なさそうなものを華麗につなげ、驚きを与えてくれた著者だけれども、一冊しっかり読み切ることで、彼の中の問題意識の大きな柱を教えてもらったかなぁと思います。いい意味で、ほんとにいい意味で、すなわちワンパターンに陥っていないという意味で、繰り返される論考によって、彼の考えが自分の体になじんでいく感覚を覚えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思索