新人文感覚1 風神の袋 (新人文感覚 1)

著者 :
  • 羽鳥書店
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本棚登録 : 46
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (904ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904702277

作品紹介・あらすじ

18世紀、「歩く」・「見る」ことから一挙に花開いていった、観相学(フィジオノミー)の発達、推理小説の技術革新、
ピクチャレスクの旺盛、百科総覧による視覚文化の横溢を、洋の東西をうねくりながら、絢爛豪華に展開。

感想・レビュー・書評

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  • 【自分のための読書メモ】
     やっと読みました、12,600円の大著。買って手元に置いときたいけど、2児の父になり、おこずかい制度の中、泣く泣く、図書館で借りました。といっても、ちゃんとこういう本を買ってくれる県立図書館に感謝。
     高山宏は、僕の大学時代からのアイドルのひとり。
     講談社選書メチエで出た『奇想天外英文学講義』(のちに講談社学術文庫『近代文化史入門』で再出)を読んで以来、ずっとこんな風に学問できたら、世界が違って見えるようになるだろうなと、ずっとあこがれの存在。私淑する知の先達であり、この10年すこしずつ、古本で集めたり、図書館で借りたりしながら読み継いできました。
     そこで、今回のこの本。1000ページを超える分厚い本ながら、子育ての合間を縫って、子供を寝かしつけたあと、少しずつ舐めるように読んできました。
     内容はこれまでに雑誌『ユリイカ』や、大小さまざま、ほんとにさまざまなところで書かれたものを、「マニエリスム」「ピクチャレスク」といった切り口でまとめたもの。
     これまで、いろいろな問題を扱って、そしてまったく関係なさそうなものを華麗につなげ、驚きを与えてくれた著者だけれども、一冊しっかり読み切ることで、彼の中の問題意識の大きな柱を教えてもらったかなぁと思います。いい意味で、ほんとにいい意味で、すなわちワンパターンに陥っていないという意味で、繰り返される論考によって、彼の考えが自分の体になじんでいく感覚を覚えました。

  • 思索

  • ネタバレとはちょっと違うが、著者の写真でツーショットというのは珍しい。素敵な愛する人なのだろうなと思う。いいな~想われて^^
    高山さんは、昔アリス関連から非常に興味を惹かれた人なのだが、ご本人のことは一切知らず調べもせず本当に好きだった。まさか、こんなに渋い素敵な人とは何年か前までまったく知らず。現代に稀有な本当の意味でわが道を行く人だと思う。そして、プライベートでもいろいろあっても、彼なりのがんばり。これがこう一冊に纏まるのは、とてもいいものだ。このような「一冊」がなければ、私のように、ほかの分野で忙しいと、読みすごすものも多く、ありがたい一冊。ほかの人が、ほかの人の換骨奪胎的なもので済ましそうなところも、高山さんの独自の鋭い視点と、幅広い知識による彼ならではのものが非常に魅力である。
     まあ、細々と、心の片隅での長年のファンなので。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。批評家、翻訳家。大妻女子大学名誉教授、副学長。著書に『アリス狩り』(青土社)、『近代文化史入門――超英文学講義』(講談社学術文庫)、『殺す・集める・読む――推理小説特殊講義』(創元ライブラリ)など多数。翻訳書にジョン・フィッシャー『キャロル大魔法館』(河出書房新社)、エリザベス・シューエル『ノンセンスの領域』(白水社)、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』(共に佐々木マキ画、亜紀書房)など多数。

「2019年 『詳注アリス 完全決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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