すゞしろ日記 弐

著者 :
  • 羽鳥書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904702437

感想・レビュー・書評

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  • すゞしろ日記 第200回  山口 晃 
    UP 2021-12 - 東京大学出版会
    http://www.utp.or.jp/book/b597166.html

    画家・山口 晃の独特すぎる表現はどこから? 京都芸術大学 公開連続講座「日本芸能史『型と創造』」レポート | ほとんど0円大学(2021.7.20)
    http://hotozero.com/enjoyment/learning-report/kyoto-art_yamaguchi_akira/

    山口晃『すゞしろ日記 弐』 | 羽鳥書店
    https://www.hatorishoten.co.jp/items/4873609

  • 描かれている線をうっとり見る。
    それだけで満足。

    このラフに見えて繊細な線というのは自分と対極にあるところなので非常に憧れる訳です。
    嫉妬とかね、おこがましいよ。本当に。

  • 画家と画廊に勤めている妻…さぞかしエグゼクティブな生活なのかしら?、と想像するが、決してそんなことはないのだ‼️(笑)

  • 待ってましたあ、第二弾。もったいないのでチビチビ読み、読み終わってからもういっぺんゆっくり読み、ずいぶん長いこと楽しむ。次はまた数年後かしら?

    最初の方のカラーページが嬉しい。フランス行きもお伊勢参りもいいけれど、私が一番気に入ったのは「スターウォーズ 帝国兵半生之記」。超一流の線で描かれた、ダジャレ混じりのくだらなーい半ページほどのヤツ。こういうの大好きだー。

    「日本建築集中講義」のあとがきで藤森照信先生が書いていた山口晃評に、さすがの慧眼だなあとたいそう納得した。藤森先生は、山口さんは「ボケ役」なんだけど、時折引っかかりがあると、こちらに向かってぐっと立ちあがってくるところがあると書かれていた。

    そうなんだよねえ。「すゞしろ日記」もゆるーい日常が描かれているようで、時にむくむくと尖った所があらわれて、ちょっと落ち着かない気持ちにさせられる所が持ち味なんだと思う。「またまた屁理屈」と言いながら、字ばっかりでコマが埋まるそういう回がちらちらある。

    「凡夫死ヲ想フ」では、「それにしても、此の『死を想う』と云うやつ、どこか根本的な誤謬、もしくは或欺瞞を含んでいる様な気がしてならない」などと書かれている。これなんか妙に納得。

    また、絵を描くという仕事をどこか引け目に感じるのは、ボーッとしている時間が長いからで、その最たる理由は、「『怖くて描けない…』だろうか…。絵を描くのは何かを生み出すと云うより、山のようにある『その他の可能性』を一筆ごとに削り捨ててゆく作業だ。今日も後悔…」などとある。うーん、あの絵にはそういう「苦闘」のあとがまるっきり見えないのだが、そこが天才たる所以か。「退屈そうに引かれたその線は神の領分」という西原理恵子さんの評に激しく同感したのを思い出した。

    まあしかし、多くを占めるのはなんてことない日常のお話で、日常といえば、これはもうおなじみのあの奥さんが主に登場されるわけだ。まったく実際にはどんな方なんだろう?本当にああいう人なのか?自画像ではヒゲおじさんの画伯は、実際には長身のイケメン(いやほんと!)なので、奥さんもどえらい別嬪さんではないかと思うのだが。

    家庭生活の様子をあんまりホッコリまとめないで描く画伯だが、第69回では珍しくほのぼのしたのを描いていて、ここは何回も読み直してしまった。いいなあ、これ。

  • いつもおもしろいな。

  • ちょっとのつもりで開いたが最後何か他に気をとられるまで夢中で読んでしまう。毒入りの水、純水は腐りやすい例え、観念と観察やらフレームやら諸々の考えを惜しげもなくご開帳。絵により脳内イメージが一コマで表現されているおかげで、文で全てを説明するタイプの本に比べて中身はギュッと詰まっている感がある。お得。
    内助の功と言ってよいのか、奥さんがやっぱりいい味を添えている。「サビた消防車」の一件はかなりクる。

  • 山口晃先生の 細かいこだわりがあって まるで明治の文豪のようです その反面 奥さんが奔放で むはは!!と明るく笑ってます 時を超えて まるで漱石と 奥さんの鏡子さんの会話のようで このご夫婦も まさに ぴったりなんだな

  • 第2弾。やっぱり好き。

    最初の方の「利休翁2枚の肖像画のこと」に「!」。山本兼一『利休にたずねよ』を思い出して、激しく頷く。

  • 出てたの気付かなくて先日慌てて購入。ああやはりこの人の描く線(絵も文字も)は魅力的だなあ…
    「生物の在り方としては、『場当たり的最善』が正解と思っているので、先の事は程々にしたい。」という一文がぐっときた。

  • 第二弾、今回もおもしろかった。
    とは言え、こういう本は持ち歩いて外で読むには抵抗があることもあって、期限内には読みきれず返却。残念。
    じっくり楽しむには買わないとダメだね。

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著者プロフィール

1969年東京都生まれ。群馬県桐生市育ち。東京藝術大学大学院修士課程修了。大和絵や浮世絵の様式を織り交ぜながら、現代の景観や人物を緻密に描きこむ画風で知られる。平等院養林庵書院に襖絵を奉納。新聞小説の挿絵やパブリックアートなど、幅広く活躍している。著書に『すずしろ日記』『山口晃 大画面作品集』『ヘンな日本美術史』など。

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