- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904702741
作品紹介・あらすじ
裁判所の内部で何が起こっているのか? 現役判事による異色のエッセイ。裁判官の「智」を支えるシステムを、自らの経験をもとに解説。国民が知るべき裁判所・裁判官の世界を分かりやすく紹介する。
感想・レビュー・書評
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最初3分の1は岡口基一裁判官の大阪高裁時代ぐらいまでの半自伝。要件事実マニュアルを作成して出版したりするに至る話などおもしろかったです。門口代行の勧めだったんですね。
要件事実の具体的な話をはさんだ後、タイトルでもある「裁判官は劣化しているのか」問題につき、岡口裁判官は、①毎日のように開かれていた飲みニケーションでの「智」の伝承が行われていないこと、②民事においては判決が旧様式から新様式に代わっていったこと、③司法修習においても要件事実教育が十分行われないこと、、などなどを指摘されています。 -
ふざけたカバーデザインにそぐわず、内容は極めてまとも。どのように裁判所の教育制度が崩壊しつつあるのかが詳しく書かれている。
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読みやすく、面白い。法律に詳しくない人も、ナレッジマネジメントの本として役立ちそう。
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3分の1が自伝、3分の2が裁判官と法曹教育の現状と問題点の指摘。
表紙に関わらず、内容は至極真面目。
家の外では読みにくいのが難点か…。
旧様式の判決文の「当事者の主張」欄が、教育ツールの機能も有していたことは知りませんでした。 -
要件事実の状況説明はすごく分かりやすい。
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東2法経図・6F開架:327.12A/O38s//K
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罷免の危機に直面している今最もホットな裁判官、そして白ブリーフでも有名な岡口判事が裁判官の育成に関する問題点と原因を整理し、その解決に向けた提案をしています。タイトルは過激ですが、内容は色々と配慮されている上に、非常に分かりやすく噛み砕いて説明しているので、民事裁判の実態や当事者の主張欄の役割など門外漢の私にも非常に理解しやすかったです。そして本書の見所はやはり暴露かと期待したのですが、全般的に理性的なトーンで書かれています。所々で棘のある発言はありますし、第1章での回顧はなかなか興味深かったです。飲みニケーションの重要性を繰り返し強調するなど意外と保守的なんだなと親近感が湧くとともに、学費を稼ぐための「寺子屋」なんて、経済的な理由で試験継続を断念した私にとっては頭が下がる思いでした。まあ私の場合、経済的に続いても能力的に無理だったでしょうが、自分の甘さを再認識しました。なかなかにユニークな一冊でしたが、勉強になりました。