和歌山カレー事件―獄中からの手紙

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  • 創出版 (2014年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904795316

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和歌山カレー事件―獄中からの手紙の感想・レビュー・書評

  • 当時のメディア狂騒は相当なもので、報道では林一家の犯罪で当確でございます!という調子だったね。今考えるととても巧妙でした。取り上げられ方で、ロス疑惑の人と相通じるものがあったのかもしれません。死刑判決というのは、刑期を問うものとは一線を画していて、これは正義を問うものではなくて、あらゆる権力の思惑が渦巻いている、というのは過去の死刑関連の事件でもそう思うんですが、やっぱり証拠が実はありませんでしたなんて言えないですよ。だから足利事件や毒ぶどうはあれだけ大きく取り上げられたんですね。検察は悪者よりはるかに怖いよ、力の大きさは計り知れないですから。

  •  1998年7月、和歌山・園部の夏祭りでカレーに毒物のヒ素が混入され、死者4人を含む被害者67人という大惨事が発生した。同年10月、1か月以上も報道陣に自宅を取り囲まれ、メディアにさらされていた林眞須美が逮捕され、2009年に死刑判決が確定した。本書は、雑誌『創』に掲載された林の手記や、家族、弁護士による発言などをまとめた一冊だ。
     本事件には物的証拠がほとんどなく、林は一貫して無実を訴えており、当初検察が描いていた動機のシナリオは、すべてその後の調べで覆された。そのような状況で林の死刑判決を支えたのは、事件に使われたヒ素と林家のプラスチックのコップに入っていたヒ素が、同一のものだという鑑定結果だ。けれども最近、この鑑定結果に待ったをかける議論が起こっている。
     リチャード・ロイド・パリーはルーシー・ブラックマン事件の中で、日本の警察の無能さと欺瞞にたびたび出会ったと書く。そして東電OL殺人事件、袴田事件などを例に引いて「日本の警察の改革は遅々として進んで」いないと断じる。
     「国に殺されたくない」と林は繰り返し訴える。現在、本事件は弁護士らにより再審手続き中である。

  •  手記から受ける違和感。

     真犯人、事件で犠牲になった人たちへ考えが及ぶことはなく、切実感、悲壮感、(少なくとも保険金詐欺への)罪悪感はほとんど忘れられてでもいるようだ。

    「保険金詐欺というのはね、お金になるんや。人を傷つけるわけでもない。だからありったけの知恵を使ってやってきた。でもカレーにヒ素を入れて何の利益があるの」(p107)

     鑑定の証拠能力も怪しいらしい。
     
     疑わしきは罰せず。推定無罪。
     
     …だとすると一体誰が犯人なのだろう。

     差し入れ屋のおばちゃん「彼女は幸せ者だよ。こんなふうに支援があるんだから。私はもう長いこと、この仕事をしているけど、こんなふうに支援がある人なんてほとんどいないよ」(p119)。

  • ちゃんとした証拠がなく、怪しいという状況と目撃者のあやふやな証言で死刑判決が出た不思議な事件の、当人や家族の話をまとめた本。動機も証明されていないし、当人も逮捕前から現在まで長い間一貫して、私はやっていません。と言っているのだから、再審を望みます。裁判で使われた、ヒ素の鑑定や、夫の保険金詐欺との関係も、今は内容が覆されるような状況も出てきているわけだし。

  • 図書館の新刊本コーナーにあったので借りて読んだ。

    あの当時のマスコミの報道は最初から林真須美氏に犯人が決まっていたかのようなものであった。
    近隣の人のいじめへの仕返しに縁日のカレーにヒ素を混入して四人も殺してしまった稀代の悪女。「私はやっていない」といくら言っても、彼女以外に犯人がいる可能性があるなんて思いもしなかった。

    当時最先端の技術だとされていた方法でカレーに混入されていたヒ素と林家のプラスティックケースに入っていたヒ素が同一であるとされた事が、彼女の死刑判決へと結びついた。
    しかし、カレーに混入されたヒ素は、林家だけでなく、和歌山市内の多くの家にあったものと同一であったという事が分かったと言う。
    科学者同士の反論合戦も繰り広げられる中、本人は終始一貫して無実を訴え、死刑執行人の足音に怯える毎日を過ごしている。

    真実を知るのは真犯人だけなのか。状況証拠だけで死刑にして良いのか、考えさせられた

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和歌山カレー事件―獄中からの手紙の作品紹介

状況証拠だけで死刑にしてよいのか。

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