本屋図鑑

  • 夏葉社
3.55
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本棚登録 : 724
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904816097

感想・レビュー・書評

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  • ああ、これは良い本だ。
    47都道府県、すべての県の本屋さんを紹介した本。
    2013年に夏葉社さんが出した本で、島田さんのご挨拶も載っている。
    北は稚内から南は石垣島まで、島田さん自身が現地に出向いて取材した本だ。
    電話やメール、資料のみで掲載したところはひとつもないと言う。
    ひと言で言うと、本と本屋さんへの愛がぎゅうぅぅぅぅぅっと詰まっている本。

    本書の特徴は、どの本屋さんもイラスト入りで紹介されていること。
    得地直美さんによるモノクロのペン画だ。
    お店の外観、平台や棚の様子、本の背表紙のタイトルまで書き込んである。
    POPや壁の展示、店の看板、立ち読みする人たち。笑顔の店主。
    本屋さんばかりを描いているのに、同じような絵がひとつもない。
    行ったことのある本屋さんもあり、ああそうだ、こんな感じだ!と妙に懐かしくなったり。

    駅前にある本屋さん、駅の中にある本屋さん、帰り道にある本屋さん、
    学校の前にある本屋さん、商店街にある本屋さん、道路沿いの本屋さん、
    空港にある本屋さん、大学内にある本屋さん、病院にある本屋さん、
    山里にある本屋さん、古い町並みにある本屋さん、300年続く本屋さん、最南端の本屋さん
    観光地の本屋さん、最北端の本屋さん、スーパーの中にある本屋さん、城下町の本屋さん

    それぞれの工夫と、それぞれの矜持。
    島田さんの文章はどこまでも本屋さんへの応援一筋で、それは温かい。
    みんな潰れずに、頑張ってくれてると良いなぁ。

    本屋さんの紹介の後は1945年からの本屋さんの歴史が語られ、ジュンク堂や三省堂、ツタヤや丸善のインタビュー記事もある。ここは読み物として非常に面白い。
    付録記事で「本屋さんの一日」と「本屋さん用語集」「本屋さんの本」。
    更に登場した本屋さんの店名と住所の紹介をしてある。
    あとがきは、1.3.5章と付録を書いた空犬太郎さん。
    よくぞここまでと賞賛をおくりたいほどの丁寧なつくりだ。

    子どもの頃通った本屋さんや、月イチで本を届けてくれた本屋さん、
    部活で疲れた身体でも、必ず寄った本屋さん。
    学生時代しょっちゅう立ち読みしていた本屋さん。
    友だちとの待ち合わせに使った本屋さん。
    たくさんの郷愁を連れてくる本で、今すぐ行きたいお店もいっぱい。
    本好きさんなら、好きにならずにいられない一冊だ。皆様もぜひ。

    • nejidonさん
      夜型さん(^^♪
      図書学辞典は、書誌情報をたった今検索できました。
      一体どんな内容なのでしょう。
      お目目キラキラで知りたがっております...
      夜型さん(^^♪
      図書学辞典は、書誌情報をたった今検索できました。
      一体どんな内容なのでしょう。
      お目目キラキラで知りたがっております・笑
      図書館の蔵書にあるところまでは突き止めました。
      何とかたどり着きたい本がまた増えました。
      首を長-----くしてお待ちくださいね。
      2020/09/15
    • Qさん
      【電子書籍化が待たれますね!】
      ●非常に読みたくなるレビュー さすがです!
      【電子書籍化が待たれますね!】
      ●非常に読みたくなるレビュー さすがです!
      2020/09/15
    • nejidonさん
      Qさん、こんばんは(^^♪
      (今更ですが)フォローと「いいね」を下さりありがとうございます!
      読みたくなるレビューと言われると、性懲りも...
      Qさん、こんばんは(^^♪
      (今更ですが)フォローと「いいね」を下さりありがとうございます!
      読みたくなるレビューと言われると、性懲りもなく舞い上がります・笑
      ありがとうございます。
      電子書籍化はいつのことやら、ですね。
      それなら読むという方もいらっしゃいますしね。
      2020/09/15
  • 全国各地の本屋さんを取材し、立地や購買者層、棚の特徴など別に分類、紹介している本屋さんの「図鑑」である。
    店主のこだわりが前面に出たセレクト本屋さんを取り上げる本や雑誌は多いが、この本で取り上げられているのはそこまで個性を主張しているわけではなく、でも静かにお客さんや町に寄り添っている本屋さんばかりだ。

    私の住んでいるところから歩いて行ける範囲には残念ながらふらっと寄れる町の本屋さんはない。私は手に入りにくい専門書以外はオンラインで本を購入することはないので、休日に大型書店まで出向くことが多い。だから、それほど大きくない町の書店は大きい書店の縮小版で、本のセレクトに書店のカラーなんてないと失礼ながら思っていた。
    前述したとおり、この本で紹介されている本屋さんは、商店街の中にある昔ながらの本屋さんから国道沿いの大型チェーン店まで、場所も規模も様々だが、どの店も店主がお客さんのニーズを考えつつ、自分のこだわりや気持ちをこめた棚づくりをしている。この本を読んで、あらためて仕事帰りに小さな駅前本屋さんの棚をながめてみると、え、こんな本も置いているの、という意外な発見があってびっくりした。

    本の内容もよいが、構成もとてもよいと思う。どの本屋さんについても、必要以上に書き手の思いを主張せず1ページにおさまる簡潔な文章でまとめられていて、その次のページにはその本屋さんの特徴、例えば独特のレイアウトをした本棚だったり、本のジャンルの並べ方がわかるよう背表紙をクロースアップしたような手書きのイラストがはいる。章の間には書店の歴史や本の流通システムなどの情報が挟み込まれ、最終章には本の歴史もまとめられていて、読みごたえがある。
    また、付録として書店員さんの日常や本屋さん用語集、本屋さんを知るための本の紹介もあって楽しい。毎日朝から晩まで本と接する書店員さんだが、仕事帰りについよその本屋さんをのぞいてしまう人が多いというエピソードにはなんだか心が温まった。
    読んだ後本屋巡りをしたくなってくる本である。

  • とんと本屋巡りすることが少なくなりましたな。
    でもこの本を読むと、店頭で書籍棚を見ながら本を抜きだす時のワクワク感が思い出されます。
    沢山の本屋さんが紹介されてますが、一度でも伺えたことのあるお店は、
    ・紀伊国屋書店佐賀店(ゆめタウン)/ 佐賀
    ・田村書店千里中央店 / 大阪
    ・長崎書店 / 熊本
    ・リブロ福岡天神店 /  福岡
    ・金沢21世紀美術館ミュージアムショップ / 石川
    ・東京堂書店神保町店 / 東京
    のこれだけ寂しい限りです。

    でも、熊本の長崎書店、出張の際閉店前の小一時間あの入ってすぐの【本の本】、今で言うセレクトの棚を見るのが楽しみでした。自分が持っている本の隣に並んでいる本が、どれだけ輝いて見えたことか、懐かしい思い出です。

    熊本へ行く機会があれば、お城とともに是非寄ってみたい処でおます。

  • 子どもの頃、本屋さんが本を届けてくれるのが楽しみだった。
    中高の頃、帰り道、本屋さんに寄らない日はないくらいだった。
    書店で働いていた頃、仕事をあがってから、ほかの本屋に1軒2軒と寄った。
    いつも生活の中に本屋さんはあって、いつも寄っていた。

    悲しくても苦しくてもつまらなくても行き詰まっても、本屋さんに寄ればなんとかなった。
    読んでいると、そういう日々のことを思い出す。


    「本屋図鑑」に載っている本屋さんは実在の本屋さんだけど、なんだか「ココロの本屋さん」のようにも思える。
    どこかにはあるけど、自分の近くにはない。ココロの中にある本屋さん。
    今は実在しているけれど、なくなってしまったら本当の「ココロの本屋さん」になってしまう。

    だから、「ココロの本屋さん」だけど、「ココロの本屋さん」になってしまわないように、と願うばかりである。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「なってしまわないように、と願うばかりである。 」
      学生の頃足繁く通った書店は、随分と「ココロの本屋さん」になってしまった。思い出すと淋しく...
      「なってしまわないように、と願うばかりである。 」
      学生の頃足繁く通った書店は、随分と「ココロの本屋さん」になってしまった。思い出すと淋しくなります。
      2013/07/29
  • 全国各地の本屋さんが紹介されている。

    本屋さんというのは本棚を見ているだけで面白い。色んな作品がこんなにあるのか、どんな内容なんだろうと。多くの世界があることと、それに想いを馳せることにとてもワクワクを感じる。

    それが色んな所で様々な工夫を凝らされているものによるのだと、実感させてもらえる本だった。

  • 棚の配置や手作りのポップ、特集など書店員さんのこだわりがあり、決して大きくなくても立ち寄りたくなる本屋が近所にもあった。美術館内の本屋も行ったことあるけど、普段気に求めない本でも手に取ってみたくなったり。あー,また本屋巡りしたくなった。
    167冊目読了。

  • 立ち並ぶ店、店、店…のなかに、本屋を見つけると、何故かとてもホッとする。

    ドアを開けると、ふわっと広がるいい匂い♪
    森、みたいな、
    雨上がりのあと、みたいな、
    とにかくすごく好きな匂い。

    そんな空気に包まれながら、好きな作家の棚を眺めつつ歩く。
    見た事のない本との出会いに期待しつつ歩く。

    できることなら、
    世界中に点在する本屋の扉を開けてみたいものだな~
    なんて夢を、まるで叶えてくれたかの様な図鑑。
    (惜しい事に世界、ではなく国内に限られてはありますが♪)

    47都道府県すべてから一店舗は必ず紹介されているので、
    わが街は、どの本屋が紹介されているかな…
    と、探しながら読むのも楽しみのひとつ♪

    手書きのイラストが柔らかくてとてもいい感じ。
    絵描き手さんの、
    おそらく好みなんだろうな~と想像膨らむ小さなポイントも見逃せない。

    • kaze229さん
      そう、そう、そう、そう、そう、そう
      と 百万回くらい 同意してしまいます
      地元の本屋さん
      そして
      地元の本を出しておられる出版社さん
      に ち...
      そう、そう、そう、そう、そう、そう
      と 百万回くらい 同意してしまいます
      地元の本屋さん
      そして
      地元の本を出しておられる出版社さん
      に ちゃんとエールを贈りたいですよね
      2013/09/11
    • MOTOさん
      kaze229さんへ

      そうそう♪
      特に最近は、小さな本屋さんが次々店を閉めていきつつあるので、
      ど~~か、頑張って欲しい!と、応援せずには...
      kaze229さんへ

      そうそう♪
      特に最近は、小さな本屋さんが次々店を閉めていきつつあるので、
      ど~~か、頑張って欲しい!と、応援せずにはいられませんよね。

      ところで最近、わが街に面白い本屋を見つけたんですよ。(^^♪
      古本屋ではありますが、店内中いたるところに本が積み上げられていて、漁らずには探せない、
      まるで人ン家みたいなお店でした。
      「50円コーナー」にあったボロボロの文庫をレジに持って行くと
      「20円でいいよ」といわれ、ちょっと嬉しかったです。

      2013/09/12
  • 「図鑑」とは言い得て妙。本にまつわる話は何を読んでも面白い。

  • 旅行するたびに行きたい本屋がいっぱい増えた。
    夢がひろがる。
    本が好きだから、本屋で働く。
    私って幸せ者かも。
    ただ、今はもっと子どものそばにいたいっていうのが本音。

  • ホームページに感想を書きました。
    「日本中をお供してもらう予定です」
    http://www.ne.jp/asahi/behere/now/newpage181.htm

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