かわいい夫

  • 夏葉社
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本棚登録 : 729
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904816189

感想・レビュー・書評

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  • *お父さんが仮退院した日。病院から家までタクシーで移動した。窓から「あれは梅かな、桜かな」とあちこち指を指すと、「まあ、梅だろうね」とお父さんが言った。
    p27
    数日後、
    「良かったねえ、あの日は晴れて」
    と雨に降りこめられた部屋の中で言うと、
    「梅が見えたからね」
    と父が言うので、ああ、良かった、と思った。
    この世に、梅と桜という気があって、それが少し時期をずらして咲いてくれるおかげで、この科白を言い合うことが可能になっている。良かった。

  • とても共感するところもあり、新たな視点が得られるところもあり。なにより結婚したくなった。

  • 初めて山崎ナオコーラさんの本を読んだけど、考え方に芯があって、素敵だなと思った。夫婦の形も色々あって、このように発信してくれることでもっと色々な人が生きやすい社会になっていけばいいなと共感できた。自分の考えはしっかりあるけど、押し付けがなく、もっと作品を読みたいなと感じた。

  • どんな夫婦のかたちも素晴らしいと思わせてくれるエッセイ。ナオコーラさんのことをもっと知りたくなったし、憧れの夫婦だと思った。

  • 私は長女なので、ナオコーラさんの実家の家族(特に父)との関係が、妙に共感できた。

  • やわらかな文体の中に生きる姿勢や覚悟が垣間見れるエッセイ集。
    生きづらさや社会を否定するでなく受け入れ、心地よい生き方、捉え方を模索されている姿に胸が熱くなりました。

  •  

  • 旦那さんとの生活

  • 山崎ナオコーラさんの心やさしい結婚相手、流産したときの感情、お父さんとの死別、容姿に対する価値観や男女の扱いへの想い、お金と作家として思うこと、二度目の妊娠。

    時間は進んでいく。エッセイのなかに時の流れを感じた。身近なひとが死んでしまうこともあるし、結婚相手の勤務体制が変わることもある。その時その時に思う、様々なことを掬い上げて面白い文章にするってすごいことだ。
    自分の本があんまり売れない、と何度も書かれていたけど、こんなに面白いのになぜみんな読まないんだろう。不思議だ。見つけられていないだけかな。

    流産とお父さんとの死別が重なり、以前とは違う自分になったことについての文章が非常に素晴らしかった。

    ”誰かによって空けられた穴が、他の誰かによって埋められることはない。どの家族だって減ったり増えたりするが、減った人の代わりを誰かが務めることはできない。新しい人が増えるだけだ。穴は永遠に空いたままだ。この穴を大事に抱えていこう。”(P128より引用)

    喪失を乗り越えるのではなくて、大事に抱えていくっていうところがいいなあと思う。

  • とても読みやすい
    クスッと笑えるところもあった
    タイトルに惹かれ購入

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著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山崎ナオコーラの作品

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