- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904816226
作品紹介・あらすじ
待望の選詩集。尾形亀之助(1900〜1942)の全詩作から55編を精撰。
感想・レビュー・書評
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恥ずかしながら尾形亀之助も能町みね子も知らぬ状態で、長田弘目当てに行った図書館で何気なく借りた一冊。余白と余韻が気持ち良くて一気に読んでしまったけれど、能町さんが言うように散漫と読むべきものだと思う。また忘れた頃に開いて閉じて、一篇一編味わってみたい。
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「太陽には魚のようにまぶたがない」(「昼」)
塩だけをかけて食べる野菜のように、さっぱりとしておいしい文字列。きゅうりみたいだ。今年読んだもののなかでもとてもおもしろい詩集だった。 -
街の匂い
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親友がプレゼントしてくれた。
言葉にできない寂しくて切なくてどこか懐かしい想いを心地よく言語化してくれる。
空白にポツンとおいた詩。余白もふくめたすべてが言葉の光景を表している。 -
静かな詩集
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いっさいの装飾をそぎおとして、言葉が言葉として立ち上がったとき、はからずも詩情を伴ってしまった。
そんな印象を受ける詩集でした。
言葉の意味がまっすぐ胸におちてくる。雨だれを聞くように、真夜中に読み終えました。 -
松本竣介さんの画も添えられている所為か、目の前の事を淡々とスケッチしているような印象を受けた。11月を題材にしているものが多く、ちょうど今月読めて良かった。
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『幼年』
夜あけに床の中でハモニカを吹きだした
子よ
可哀いそうにそんなに夜がながかったか
ブーブー、ハモニカを吹くがよい
お前のお菓子のような一日がもうそこまで来ているのだ
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冒頭に掲載されている作品。『お菓子のような一日』なんて素敵な表現なのでしょう。
夜、煙草、雨、月。そういった綺麗なものを静かに集めた素晴らしい詩集です。
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詩というのは、こうやって色んな時代を回って、ふいに浮き上がってくるものなんだなぁ
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巻末エッセイが能町みね子でなければ...手にしなかった?美しいけれど地味な装丁の本。松本竣介の絵がすばらしい。55編を選んだのは誰だろう?時代を感じさせない詩が多いけれど、唯一『煙草』に時代を感じる。
他の本を読もうとするけれど、疲れすぎて頭に入らない。こんな時は空白の多い白い詩がいい。