官僚

  • 青志社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905042372

作品紹介・あらすじ

小泉政権にあって安倍・福田・麻生・鳩山・菅・野田政権にないもの、それは強いリーダーシップと粉骨砕身で官僚を使いこなす「胆力」だ。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の官僚は優秀だけど、飯島氏は官僚を高く評価しずきている。

  • 小泉元首相の秘書官を長く努め、総理の時には官邸の首席秘書官を努めた飯島勲氏との対談本。
    民主党の野田政権下で書かれた本なので、いろいろと古い面はあるが、だからこそ、その時の飯島氏の予想が合っているか外れたかが分かって面白い。
    ひとつひとつ分析したわけではないが、割と合っているんじゃないだろうか。自民党の中では安倍さんに期待とか、小泉ジュニアは素質があるとか。自民党の野党が長く続いて、野田政権は期待も含めて長くしてほしい、ということは外れたけれども。
    官僚には人事で報いる、そうなんですかね。

  • 自分と正反対な意見も沢山有るが、異なる意見を読む方が自分の意見が帰って固まって良いかと思う。
    読むタイミングとしては、今かかなり寝かせてからが良いかも。

  • 飯島勲 大下英治

  • 勉強になった。
    官僚というものが、どういうものか分かった(これが全てではないだろうが)
    世間的にいつから官僚は叩かれるようになったのだろう
    国を動かす人材とはこういう選りすぐりのひとなのだ
    官僚になってからも勉強を続けられる秀才型でないとやっていけないのだ
    「午後11時を夕方5時と思え」と教育されたのが叩き上げノンキャリア
    官僚の査定ポイント:三十代、課長補佐クラスになった時に法案の一本も作ってないと話にならない
    法案を作る→全省庁にもれなく配布し、意見を貰う
    →5、600のケチが付く→すべてを論破
    →内閣法務局と渡り合う資格を得る
    →微細な点のすり合わせ(極端な話「、」や「。」の位置まで意見が出る
    →各省庁の省議→大臣の承認を得る
    →ようやく閣議決定
    担当官の仕事は続く
    →与野党議員の根回し
    →委員会で与野党の賛成、反対の双方を潰し
    →採決になれば本会議(可決、成立まで手が離れない)
    キャリア官僚はこれだけの作業を一人でこなせる人種を指す
    これだけでも知らなかったことなので勉強になった

    それ以外でも飯島氏のやり方はビジネスでも使えることが多い

    意外なのは飯島氏が
    野田、小沢、仙谷を評価していることだった

    民主党政権のひどさが、よく分かった
    閣僚の仕組みや流れが分からなかったので
    国会だけの判断で民主党がひどい政権であると
    思っていたが
    色々解説されており、さらにひどいことが分かった

    3.11の対応の件も書かれていた
    飯島氏の評価は国土交通省、農林水産省、厚生労働省を高く評価
    一番ひどかったのが経済産業省
    その理由も書かれてあり、各省庁の災害時の仕事もよく分かった

  • 官僚 / 飯島 勲 / 2012.7.13(26/105)
     外交:先進国も途上国も関係なく、すべての国が超激動の状況。その中で国境を越えた問題、安全保障や経済関係等様々な問題があり、こうした情勢では、国家間のう交渉はバイでなくマルチ。
     勝ち負けを追究する外交ではなく、関係する互いの国に必要なことをどう着地させて、互恵関係をつくるかがカギ。
     民主:フリージャーナリストの会見参加を許可。結果質の悪い質問。現代のマスコミ:影響大、第四の権力。
     民主党:党是がないのが問題。この国をどうしていきたいのか?
     官僚は国有財産。非常に優秀。
     小泉総理:政策判断をオープンにするという透明性があった。これにより、各省庁の官僚や与野党の政治家にも総理の考え、総理の判断が常に理解できるようになる。総理の考えが浸透しているから、この案件はこう報告すればこういうふうに打ち返しがくるとか、この案件は通してくれないとか、予測がつく。
     7月:七夕人事。1月は玉突き、4月は退官した人の入れ替え。

  • ○元総理秘書官である飯島氏と、フリージャーナリストの大下氏との対談本。
    ○飯島氏の小泉元総理の秘書官時代の話しを中心に、現在の政治状況について解説しつつ、「官僚の使いこなし方」について語ったもの。
    ○総理秘書官時代の話しは、他の著作や発言から目新しいものはないが、官僚とはどのような人たちなのかということについて、事例をあげつつ、明確に語っているところは、興味深かった。
    ○ぜひ、現在の政治家にも読んでもらいたい。

  • 小泉元首相秘書官による官僚論をインタビュー形式で聴きだした内容。
    小泉政権の支持率を支えたメディア対策、官邸主導を実現したノウハウに興味がわき、購入。自民党政治家の秘書官のため、菅政権の評価や原発推進の各論において意見の相違はありますが、官僚の操縦術について圧倒的な知見を披露している。特に興味深かったのは、次の3点。

    まず、政治家の権力の源泉としての官僚の「人事」。2年ほど大臣を続けられれば、いい仕事をした官僚に人事で報いることができる。小泉政権では、内閣のチーム小泉の参事官になれれば、省庁に戻ってからも出世が早いと官僚が認識するに至った。これによって、能力のある若手を登用でき、好循環を作ることに成功した。最近の短命政権の弱みの一つは、この人事権限を行使できないことだろう。

    次に、チーム小泉では、各省出身の官僚を向かい合わせに座らせ、出身省庁との調整の電話が他のメンバーに聞こえるようにした。さらに、原則小泉元首相は参事官たちと一緒に昼食を取り、自分の考えを伝え、また種々の論点について質問していった。これによって、省益でなく官邸のチームとしての一体感を醸成した。

    また、「舞台装置はひとつに集約すべし」といことを主張し、民主党政権で乱立した審議会を批判した。自民党政権の延長線上でやっていてはダメな政策(例えば、資源エネ庁総合資源エネルギー調査会のエネルギー基本計画:『原発ホワイトアウト』ではこれを計画経済的で毛沢東の大躍進政策級と痛烈に批判している)も多かったが、確かに超分厚い官僚の壁に対して民主党の国家戦略室構想は無残にも敗北した。その点、小泉政権では既存の済財政諮問会議を最も重要な政策会議と位置づけ、その提言を内閣が閣議決定することによって、各省庁に法的拘束力を負わせ、方針を徹底させることに成功したという事実は、次に野党が政権奪取した際に大いに参考になる点である。

    今、飯島さんは原発推進の立場の安倍政権のメディア戦略アドバイザーとして、柏崎刈羽の管轄の泉田裕彦新潟県知事に関する事実無根の誹謗中傷をマスコミに発信していて、なんだか尊敬できないのですが、長年に渡って小泉氏の人気と改革を支えてきた手腕には学ぶべき点はまだまだ多いと思われます。

  • 小泉訪朝は笹川陽平がアレンジしたんだ。
    民主党には党則と党是がない。
    居酒屋タクシーで問題になったのはほとんどがノンキャリアで1400人が処分された。あほらしい。
    官僚の使い勝手は人事の要諦を押さえることらしい。
    なるほどね。

  • 読んだのがつい最近なので、今となっては一部情報が古かったり適切ではない箇所がある。

    しかしそれ以上に有益な情報が載っていて、個人的には、チーム小泉の運営におけるノウハウや、震災時の、菅直人の常軌を逸した行動に対してどうすれば良かったかが具体的に示されていること、官僚の使い方や、官僚に対する的確な情報(やっかみなどの感情論から来るものではなく)の箇所には
    非常に説得力があった。必要な時に繰返し読みたい良書だ。

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著者プロフィール

1941年茨城県つくば市生まれ。中央大学文学部卒業後、(株)マルマンを経てアコーダー・ビジネス・フォーム(株)に入社。持ち前の「押しと粘り」で7年間連続営業成績トップを獲得、サラリーマンの平均年収が63万円の時代にボーナス込みで1000万円の年収を得る。75年同社を退職後、茨城県つくば市に東日本印刷を起業。最盛期には年商約10億円を達成。現在は、趣味を楽しむ日々を送り、悠々自適のゴールデンタイムを満喫中。

「2021年 『70歳からを輝かせる生き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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