世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)

  • 21人登録
  • 3.73評価
    • (2)
    • (6)
    • (1)
    • (2)
    • (0)
  • 4レビュー
著者 : 石橋博良
  • IDP出版 (2011年8月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905130017

世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)の感想・レビュー・書評

  •  幕張にセンターがある、世界的な気象会社の初代社長が書いた本。世界的な気象会社と言われてもピンと来ないかもしれないけど、テレビを1日に見ているだけで、実にたくさんこの会社の名前を見るはず。小回りのきかない気象庁の天気予報の隙間を埋める形で、「明日幕張のスタジアムに○○ミリ以上の雨が降るかどうかを、夕方6時までに知りたい」なんてリクエストに、きちんきちんと答える会社である。(そんな情報がなぜ必要か?たとえば球場で売り歩くくビールの仕入れを考えてみてほしい)

     前半は、この会社がこんなにスケールの大きな会社になるまでの秘話のような感じ。正直言って、成功者の自慢話という感じがしないわけではないのだけど、実績と根性が備わっているから、嫌みじゃないし、読みながら知らず知らずのうちに応援してしまう。何よりも、相手の立場に立って、やるべきことは信念曲げずにびしっと進めていく姿勢が、それこそ少年ジャンプの主人公のようで魅力的である。読み応えも十分ある。

     後半は、この会社の現在と未来という感じ。東日本大震災時にも大きな働きをした会社であるので、その時のエピソードや、現在の自然エネルギーへの取り組みなども知りたかった。そういう意味では、さすがに最初に出版されてから少し時間がたっている本である。初代社長なき(2010年他界)あとの、今の若い社員による奮闘も含めて、追記がたくさんされた新版が読みたいものだ。

  • 志の高さに感動しました。ご冥福をお祈りします。

  • お金や地位や権力のためでなく、ロマンとファン(楽しさ)のために気象屋として一生捧げた漢の話。大変興味深く面白くて一気に読み終えた。

  • ウェザーニュースは、1986年の創業以来、「あなたの気象台」にな
    ることを目指し、一人ひとりのニーズに合ったきめ細かな気象情報
    の提供を行ってきたユニークな会社です。その創業のきっかけとな
    ったのは、著者が商社勤務時代に経験した海難事故でした。

    当時、商社で木材の回船を担当していた著者は、自分の指示で停泊
    させていた港の天候の激変により、15名の船員の命を奪う海難事故
    を起こしてしまいます。天候の激変を事前に予想できていれば、船
    員達の命を失わずに済んだかもしれない。そういう思いに取り憑か
    れた著者は、商社を辞め、米国に本部がある海洋気象情報会社に転
    じます。そこは気象情報を元に最適航路を船長達に推奨する情報提
    供&コンサルティング会社でした。

    この会社から独立する形で生まれたのがウェザーニュースです。ピ
    ンポイントな気象情報を提供することで顧客の意思決定を支援する
    ことを目指したウェザーニュースは、海洋だけでなく、陸上にも活
    躍の場を広げていきます。きめ細かな天気予報を必要とする人々は
    無尽蔵にいたのです。そのニーズに応え続けることで、ウェザーニ
    ュースは創業から10年で世界最大の気象情報会社へと成長します。

    ここに至る著者の波瀾万丈の生き様も、ウェザーニュースというロ
    マン溢れる新進企業の成長過程も、どちらもとても面白いですし、
    「How muchの前に、How wonderful」等の著者のビジネス哲学も示
    唆に富みます。しかし、最も刺激を受けたのは、気象情報を万人に
    開かれたものにしようとしてきた著者の情熱と、その根底にある著
    者のオープンでグローバルな情報観でした。

    言うまでもなく、天気予報というのは、地球の大気の状態に関する
    情報から、未来に関する情報を導き出す営みです。そこでは地球の
    息吹をどれだけリアルに感じ、予測し、可視化できるかが問われま
    す。国家に独占されていたこの営みを、著者は「民主化」しようと
    ありとあらゆる手を使って挑戦をしてきました。

    今やウェザーニュースの本社には、世界中から気象データが集まっ
    てきます。独自の気象観測レーダーからの情報はもとより、最近で
    は個人の持つ携帯電話からの情報も活用しています。つまり地球上
    の人々をもセンサーとして組み込んだ、地球観測のためのオープン
    なプラットフォームを築きあげているのです。

    地球の息吹を感じ取り、そこで得た情報を可視化・共有することを
    通じて情報民主主義を実現し、より良い社会と地球の未来をかたち
    づくる。そういう著者のビジョンは、情報インフラの進化につれて
    どんどん現実のものとなっているように見えます。

    本書はもともと1995年に書かれたものです。日本ではインターネッ
    ト元年と言われた年に、ここまで情報というものの本質と未来を見
    据えていた人がいたということに驚きを禁じ得ません。

    刺激的な一冊ですので、是非、読んでみて下さい。

    =====================================================

    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

    =====================================================

    地球環境の複雑性を多くのデータを集約して視覚化し、そして意思
    決定の基礎となる情報に変換していかねばならないのだ。
    この目的のために大いに助けとなってくれるはずのもの、それはイ
    ンターネットをはじめとする多くのメディアである。「難しいこと
    は簡単に、簡単なことは深く、深いことは面白く」といったコミュ
    ニケーションはこれら複数のメディアの特性を活か... 続きを読む

全4件中 1 - 4件を表示

世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)を本棚に登録しているひと

世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)を本棚に「積読」で登録しているひと

世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)はこんな本です

世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)の単行本

世界最大の気象情報会社になった日 (IDP新書 1)の単行本

ツイートする