スクリプトドクターのプレゼンテーション術 (DIALOGUE BOOKS)

著者 :
  • スモール出版
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905158486

作品紹介・あらすじ

マーケティングや資料作りの話はいっさいナシ。
革新的で本質的なプレゼン術!

脚本家/映画監督/脚本のお医者さん=「スクリプトドクター」/心理カウンセラーの筆者による、まったく新しいプレゼン指南書。
TBSラジオの人気番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で披露してきた数々の名プレゼン、その極意に迫る!


聴き手をジャガイモと思い込んではいけません/プレゼンとは人数に関係なく「対話」である/自己開示こそがプレゼンの真髄/ポップスの「転調」にヒントを得て/自分を疑うことで「他人の眼差し」に近づいていく/怒っているように見えるひとは実は傷ついている/空気を読もうとすると自分の役割を見失う/あなたの資質は「グランプリ」なのか「審査員特別賞」なのか? など……

感想・レビュー・書評

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  • プレゼンテーションに関する本を本屋で探すと多くの本は、「綺麗なスライドの作り方」、「喋る内容の構造」、「話し方」などを解説した本がたくさんある。しかし、この本はプレゼンテーションとは何かということについて書かれている。

    この本ではプレゼンテーションを「自分の思いを伝えること」だということを出発点に、どのようなときには伝わる/伝わらないかを話している。伝わらない原因としては「緊張してしまったりアガってしまったり」することが理由の1つに挙げられる。著者はアガってしまう原因は話し手の自意識が問題でありそれを克服すれば緊張はするがアガってしまうことはないと言っている。他にもなぜ伝わらないのかという話をしているが多くのページをこの話に割いている。

    この本を最後まで読んで思ったのは、自分はどういう人間かという認識を絶対化してしまうととても苦しくなり、いろんな手段を用いて自分の認識を相対化するかということに尽きると思う。それはプレゼンテーションのときだけではなくもっと汎用的なことであると思う。

    なんとなく生きにくい、コミュニケーションが辛いと思っている人が読んだらなにかの助けになるかもしれないと思った。

  • 本書は、著者が行った講演を文字起こししたものです。なので、喋り言葉で書かれていて読みやすいと思います。前半は「プレゼンとは対話である」ということを、後半は「プレゼンに大事なのは自己開示である」ことを著者のユニークな視点で説いています。

    スライドはこのように作りましょう、といったテクニック面ではなく、プレゼン(人に何かを伝えること)においての己の精神面について書かれています。
    なので、普段からプレゼンや人前のスピーチに慣れている方ではなく、そういう経験に乏しくむしろ人前でアガってしますような方こそ読むべき内容になっています。

    なぜ人前で何かを話そうとするとアガってしまうのか。これは長年の私の悩みです。この問題のおかげで出来なかったこともかなりありますし、社会的に挫折もしました。
    本書はそんな悩みに対する一つのアンサーを提示してくれました。

  • 「アガってしまいそうなときは、客をじゃがいもだと思え」と言われて、そうできなかった方向けの本です。

    考えてみれば、そこにいるひとたちに向けて、何か話をしてくれる人として機会を与えられているのに、モノに向かって話しをしようとするのはおかしなことです。

    その当然なことが、わからなくなるのが、「プレゼンテーション」の怖いところ。

    うまくやらなきゃ、間違えないように、アガっているところを悟られないように、、、。

    そういう部分は、話しの内容とは全く関係がありません。
    「伝え方が大事」なのは当然ですが、伝え方だけ整えればそれでいいわけではないことがこの本を読むとよくわかります。

    著者の三宅さんは、プレゼンの達人ではなく、どこにでもいるちょっと自分に自信のない気弱な大人、そんな感じです。

    だからこそ、普通のサラリーマンが読んで参考になる本だ、と言えます。自分、つまり「話し手」ではなく、「聞き手」に意識を持つために、この本はおすすめです。

  • プレゼンテーションのテクニックと言うよりは、プレゼンテーションの心構え、みたいな事がたくさん書いてあって、プレゼンだけではなくて、コミュニケーション術として非常に示唆に富んだ内容が多いな、と感じた。
    転調が大事とか、自分の思い込みが無いか疑えとか、自己開示が大切とか、明日から即使える内容がたくさん詰まった本だと思う。
    3時間の講演内容を書籍版に再編集した内容という事だけど、三宅隆太さんは本当に才能豊富な人だよなぁ、と改めて感じた。社会人の方には非常にオススメ。

  • スクリプトドクターについて知りたくて読んでみたのだけどその説明は殆どなかった。

    でもプレゼンテーション術の話はとてもためになる内容で面白かったです。

  • 「プレゼンは対話である」「自己開示こそプレゼンの真髄となる」という三宅さんの考えのもと、行われたトークイベントを書き起こしたものです。

    「うまく説明できるだろうか」「人前で緊張してしまう」などプレゼンとなると、意識が自分に向きがちになってしまいます。その意識を相手に向け、「この人は何を思っているんだろう」「何を知ってほしいのだろう」と考えることで、プレゼンはスムーズに進んでいくと言います。

    スクリプトドクターでありカウンセラーでもある三宅さんの考えは非常に示唆に富んでいました。

    プレゼンの場に限らず、人と話す時に緊張しがちな人、ひいては意識が自分に向きがちな人にオススメの一冊です。

  • よく聞く、自分以外はジャガイモだと思えば緊張しない。というやり方とは違う三宅監督流のやり方を知れて試してみたくなった。

    相手がリアクションしないというアクションをさせてしまったのはこちら側のアクションのが原因

    「ないものねだり」ではなく「あるものさがし」という言葉にハッとした

  • プレゼンとは聴衆との対話であるということを核に「自己開示」、「自分を疑うことで他人の眼差しに気づく」、流れが変わっていく境目「転調」を意識するなどキャッチーなキーワードで説いた良策。下北B&Bでの講演を文字起こしして構成されたものなので読みやすいが、TBSラジオ「宇多丸のウィークエンド・シャッフル(通称タマフル)」を聴いてない人には伝わらないだろう。
    そういう意味ではラジオ番組のノベルティ本になんではあるが、そういう枠に収めてしまうのが惜しいくらいに良い本である。

    同番組の構成作家である古川耕氏の構成力や生放送中の気遣いなども仕事をすすめる上で参考になる(ただのキモメガネではなかった!)。

    著者が師事した若松孝二氏との逸話に少し涙ぐんでしまった。良い話だ。

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著者プロフィール

脚本家・映画監督・スクリプトドクター・心理カウンセラー。
主な作品に、映画『ホワイトリリー』『劇場霊』『クロユリ団地』『七つまでは神のうち』『呪怨 白い老女』、テレビドラマ『デッドストック~未知への挑戦~』『ほんとにあった怖い話』『世にも奇妙な物語』など多数。
著書に『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』『スクリプトドクターの脚本教室・中級篇』(新書館)、『これ、なんで劇場公開しなかったんですか? ~スクリプトドクターが教える未公開映画の愉しみ方~』(誠文堂新光社)などがある。
日本では数少ない「スクリプトドクター」として、国内外の映画企画に多数参加。東京藝術大学大学院や各種大学、シナリオ学校などで講師も務める。

「2017年 『スクリプトドクターのプレゼンテーション術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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