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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905325031

感想・レビュー・書評

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  • 最近テレビでもよく見る宇野常寛さんの雑誌。どう見ても写真集な装丁だけど中身は文芸評論な雑誌。

    「僕たちは<夜の世界>を生きている」ということで、仕事終わりや学校帰り、夜という時間に受容されていたインターネットをどのように昼という時間、すなわち政治やビジネスへと反映できるか、というところに焦点が置かれている。

    LINE、ソーシャルゲーム、そしてAKB48といった現在人気のあるコンテンツには「気軽かつ積極的に参加できる」という特徴があり、そういった枠組みを政治やビジネスへ役立てていけるのではないか、というのが雑誌全体を貫いていると感じた。

    LINEソシャゲAKB48といったものは「取るに足らないもの」として扱われている面があるし、俺自身もそう思っていたことがあるけど、ある意味で取るに足らないからこそビジネスとして成立しているし、それに見習っていくことが現代社会の不協和を解決するための近道ではないか、ということを再確認できた。

    俺の卒論(になりきれなかった何か)と近い思想に全編が貫かれていて、こういった思想背景をベースに成果物を出したい、と思った。

    さぁて、何をしよう…。

  • ある意味で、またいい意味で怖い本でした。
    登場する方々の知識の深さに怖さを覚えたことが大きい。
    未来が見える、真実がどんどん見えるといったワクワクが
    増大していく怖さ。
    ワクワク感、ドキドキ感の恐怖がたまらない本です。
    登場する方々の知識と体験に裏付けられた発言には、
    説得力があります。共感させられます。

    しかし、一方では、この本を味わい尽くすには、こちら側の知識や体験を
    もう少し積まないといけないと思い知らされた。

    勉強は、やはり未来が見える。
    見えるから、作っていける。
    そうぞうは、2度(想像→創造)作られるということです。
    ワクワク、トキメキを世の中に投げ入れることができます。

  • 僕たちは夜の世界を生きている・・・

    ・猪子寿之「言葉の領域と論理的な領域は、知的領域の中で最も低水準なものにもかかわらず、みんなそれを最も高度だと言い、それ以外のことを低俗だと扱っていること事態がまったくおかしい。たとえば、人間がつまづいて転びかけた時に、何かものがあればつかんで転ばないようにするし、受け身もとる。それってすごい量の情報処理。人間は過去の経験とか含めてすごい量の情報を処理していて、コンピューターには全然真似できない」

    ・宇野「「生き方」や「マインド」を技術のように語ってしまうのが自己啓発本の特徴。(・・・)それまでは目に見えない、文学的で神聖なものと思われていた人間の心を、実は特定の身体的習慣の刷り込みで変えたり、特定の手続きを踏ませることで一定の状態に保つ、なんてかたちで「見えるもの」にしてコントロール可能なものにするという発想が背景にある。こうしたテクノロジーの進歩による人間観の再編こそが自己啓発的知性の根底にあるわけで、自分が自己啓発なんかとは無縁な文化的な人間だと思っているインテリたちは、こういう自分が依って立つ人文的知性の終焉と向き合えていないわけです」

著者プロフィール

1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」「モノノメ」編集長。主著に『ゼロ年代の想像力』『母性のディストピア』(早川書房刊)、『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』。

「2023年 『2020年代のまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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