魔法の世紀

著者 :
  • PLANETS
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905325055

感想・レビュー・書評

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  • 落合本の中でもこれは難しい

    落合さんの考えを知るならこれを理解したいのいけないんだろうな

  • デザイナーの視点で、コンピューターが引き起こす、世紀の変わり目を見つめた書。コンピュータ屋とはまた違ったアートからの視点が斬新だった。

  • 縦横のマトリクス状に配置された超音波スピーカーで音響場を操り、粒子状の物体を空中に保持して任意のグラフィックを表現する「Pixie Dust」等の作品で話題を呼んでいる若手メディアアーティスト/研究者の落合陽一。彼がコンピュータを中心にしたテクノロジーの進化を背景として、21世紀に来るべき世界観を、20世紀の「映像の世紀」と対比づける形で「魔法の世紀」と名付け、その社会的な意義、芸術的な意義について広範に語った一冊。

    かなり広範な問題系を扱っていることに加えて、多少ロジックが飛躍する傾向があり、前後の話題の論理的関係性が正直理解しにくいという難所はあれど、自分なりに「魔法の世紀」の特色をまとめるなら、情報を表現するメディアとその受け手である人間という二項対立的な関係性ではなく、それら全てが「場」の中に溶けていき、人間や自然さえもがプログラムで操作され、人間の新たな感覚が誕生するような時代、ということだろうか。歴史的に見ても、我々が自明のものと捉えている概念、例えば美意識でさえ、実は技術の進化によりアップデートされ、決して普遍的なものではないように、テクノロジーが支配する「場」を通じて、「魔法の世紀」の人々は新たな感覚を得ることができるとされる。

    本書が面白いのは、テクノロジー一辺倒の話ではなく(そうした話題なら、テック系の研究者やライターが既にその世界観を表現しており、目新しさはない)、メディアアーティストとしての顔も持つ著者が、古来からの美術史や20世紀のメディアアート史を参考にしつつ、「魔法の世紀」ならではの芸術論としても読める点である。特に、これまでの芸術様式(建築物を含む)を、環境自体に関するエーテルの動性と、その表現物自体が持つフレームレートの動性という2軸から整理したマトリクスはシンプルながら、論理的な説得力を持つ。

    これからも彼の作品に注目したい。

  • 情報メディア学を学ぶ上で必要な情報を浅く広く、著者の宣伝含むといった印象。

  • 魔法ってそいうことか!

  • この本ではコンピュータとメディアの発展について、歴史をなぞる形で説明されているが、引用が多く概念的な言葉も多いため初見では理解が難しい。落合氏の研究も言葉の説明ではイメージ出来なかった。本という古いメディアの限界な気もする。いくつか面白い技術や取り組みの話もあったが、詳しく理解することが出来なかった。メカニズムありきでなく、やりたいことをやることを魔法と呼び、技術もそうなっていくべきというのは面白い。後半、現在は人間の知覚に合わせた情報になっているが、今後現実はそのまま再現する形で発展し、人間の知覚も変わっていく、といった話があるが、現時点では懐疑的。フルHDから4Kといったことですら、必要無いと感じる人も多い中、更なる発展はあるのだろうか。またブラックボックスが増える世界で、対処しきれなくなることはないのだろうか。コンピューターがやることを提示し人が動かすのま良いのではとあるが、便利になって暮らしが楽になるとは思えない。筆者の言う世界になるのか今後考えて行きたい。

  • インターネットの中に第2の地球ができるようなことは妄想したりしたけど、情報側が世界に影響して、境目がなくなっていくというのはなかなか発想できなかった。タイポグラフィがいまいちなのがやや気になった

  • 難しすぎて半分何言ってるかわからなかった。しかし、デジタルネイチャーが人間とコンピュータの共存によって世界が発展していくのだろうなと言うイメージは持てた

  • タンジブルビット 石井裕
    非メディアコンシャス モノからコトへ
    メディアアート メディアそのものを創る試みを芸術表現
    芸術足りうるか 芸術表現とは何だろうか
    芸術という文脈から逸脱する事
    アートの権威の源泉 鑑賞可能性
    一部の発信者の作品に膨大な注目を集める仕組みが権威を作る
    人間集団における行動のデザインが極めて難しい

  • 『突き進め!』

    少々私からすると、難しい。
    知らないワードがたくさんあって、理解することに苦戦。
    それは否定的な意味ではない。
    むしろ嬉しいのだ。
    その知らないワードが溢れ出すたびに、自分の知らない世界があるということ。
    また、この本にも書いてあるが、これからどんどんデジタルとアナログの境界線を越えたいという著者の熱い意思が伝わってくる。
    だから、応援したくなる。
    突き進んでほしい。

    ちなみに、最初はコンピュータの歴史、その次にアートの歴史、それからデジタルネイチャーへと、
    ホップ、ステップ、ジャンプ形式でいいですね(╹◡╹)

著者プロフィール

メディアアーティスト。1987年生まれ。JST CREST xDiversityプロジェクト研究代表。
東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。
筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授、京都市立芸術大学客員教授、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学特任教授、金沢美術工芸大学客員教授。
2020年度、2021年度文化庁文化交流使、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなどを務める。
2017~2019年まで筑波大学学長補佐、2018年より内閣府知的財産戦略ビジョン専門調査会委員、内閣府「ムーンショット型研究開発制度」ビジョナリー会議委員,デジタル改革関連法案WG構成員などを歴任。

「2023年 『xDiversityという可能性の挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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