シメオネ超効果 リーダーの言葉で今あるチームは強くなる

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905349228

作品紹介・あらすじ

シメオネはなぜ、1/4の資金力でレアル・マドリーとバルセロナを倒し、スペイン王者になれたのか。欧州サッカー界で今最も注目される名将が、自らアトレティコ躍進の秘密を語る!

感想・レビュー・書評

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  • 低迷していたアトレティコマドリードを一気にリーガの優勝に導いたチョロことディエゴ・シメオネの書籍。
    訳は元Footballista編集長の木村さんだ。
    チョロの言葉は非常にロジカルで冷静さを持ったものだった。しかし、その中で溢れ出る情熱が隅々まで染み込んでいる。
    いかにして、結果を出してきているかの一端が垣間見えるとても良い書籍だった。
    非常にお勧めである。


    <目次>
    シメオネの生きた言葉を届ける理由
    ルイス・アラゴネスによる序章

    第1章 逆境の乗り越え方
    リーダーシップ――人生というのは立ち向かってこそなんぼ
    信念と確信――選手の頭の中に入り込めば、プレーを何倍も良くできる
    動機づけ――自分を信じる限り、可能性はその手の中にある
    誠実さ――1回恥をかく方が、100回無知でいるより良い
    育成――伝える能力がなければ、信念なんて無意味だ
    努力すれば運はついてくる――コントロールできないものに時間を費やすのは無駄だ
    私の基本的な規範――強制されたことは必ず悪い結果に繋がる

    第2章 リーダーの責任と役割
    情熱――唯一頼りになるのは自分に対する情熱と確信
    感情――監督として感じるのは大きな虚無である
    価値観――子どもに示す人生の価値観は、サッカーより重要だ
    赤と白の心――私は困難な時にやって来るのが好きなのだ

    第3章 「勝ち」を続ける
    集団の契り――出番の少ない選手の近くにいるべきと聞くと、腹が立つ
    グループの扱い方――発言と行動が違ったら決して許してもらえない
    ロッカールーム――時には沈黙を尊重して選手と話すのを控えるべき
    チーム――ボールではなくサッカーをプレーする選手を支持する
    勝利は勝利を呼ぶ――勝利への道は一つではなく、そのすべてが正しい
    クラブの特殊性――観客が選手を自分の分身と感じれば、我われは幸せ
    ベンチからの介入――良いプレーをする者でなく自信のある者が勝つ
    集団の中の反乱者――聞く耳を持つ者、持たない者の扱い方を知る
    ジエゴ・コスタの場合――名選手とは、長所を伸ばし短所を隠せる者

    第4章 人生とサッカーと
    影響を受けた人――家族、選手と接する態度は変わらない
    社会とサッカー――最後までファンと一緒にいなければならない
    危機の時代のメッセージ――何かを求めて戦えば物事はより良い方向へ行く

    第5章 私という人間
    選手、監督としての道のり――重要なのは、全員が怖がらず一段一段上ること

    第6章 成功の日々(2013年5月~2014年5月)
    12-13 コパ・デルレイ優勝――選手には時に監督以外の声やイメージが必要
    13-14 リーグ優勝――私の内部から情熱を伝染させる何かが生まれる
    13-14 チャンピオンズリーグ――負けたい者などいないが、負けるならこんな負け方がいい

    訳者あとがき

  • リーダーシップの勉強本。いつものシメオネだねって内容。誤審にとやかく言わずに相手陣内でポゼッションしておけ論は好き。

  • 情熱的な監督のイメージがあったが、意外と器用で冷静な部分もあり、哲学を大事にする印象も受けた。

    アトレティコの組織マネジメントを期待していたが、ややフィロソフィー要素が多いのがちょっと残念。ぜひ深掘ってみたいところ。

  • ディエゴ・シメオネ自身が、「チーム」「リーダーシップ」「結果を掴む為に必要な事は何であるか」等を自身のフットボールにおける輝かしい実績をもとに赤裸々に綴ってくれている。
    (ご存じの通りシメオネが選手・監督として積み上げた成功はフットボールの歴史を振り返ってもトップクラスである。)

    私は生きてからずっと趣味や価値観が「インディペンデント」であって、部活動も帰宅部だったし、仕事で大きなプロジェクトのリーダーを務めたことも(悲しいが)無く、暇があれば一人でアウトドア等をもっぱら楽しみまくっている身である。
    そんな自分が突然人間をまとめるチームリーダーとなり、何らかの成功を達成せねばならなくなったときは、ただ我武者羅に活動するのではなく、ここで記述されているシメオネのリーダ論を改めて思い返したいと思った。
    印象的だったのはチームで一体となるべく、食事は必ず”全員”で摂り、ミーティングや練習も”全員”で同じように行っていること。家族のように、誰もが自然と平等に全員とコミュニケーションできる環境と雰囲気、すごく大事だなあと思った!逆にチームで話し合える時間が「ある曜日の1時間限定」とかだと価値観や考え方が全然共有できず、メンバーの悩みや相談、対話の機会も失われ、チームは少しづつ壊れていくのだろうと思った。

    なお本の面白さとしては、シメオネの堅い性格からか、やや説教じみており、あまり楽しくはないかもです。

  • 「シメオネ超効果 リーダーの言葉で今あるチームは強くなる」
    ロコの凄さ。


    2014年5月18日。アトレティコ18年ぶりのリーガ制覇をファン、チームと祝っている写真に写るチョロは、陽気な男に見える。本書はチョロが如何にしてアトレティコを復活させたかに焦点を当てている。


    まずアトレティコは、世界で比べるとめちゃくちゃ金持ちなクラブという訳ではない。会計事務所のデロイトは毎年フットボール・マネーリーグと言うレポートを発表している。これは世界各国のサッカークラブを対象に、
    ①入場料収入(チケット収入、法人年間契約席を含む)
    ②放映権収入(国内リーグ、各種カップ戦、欧州選手権等からの分配金を含む)
    ③スポンサー収入(マーチャンダイジング収入、スタジアムツアー、その他のスポンサー業務から生み出される収入を含む)


    の要素を基に各クラブをランキング化したもので、どのクラブがどんだけ儲けているかが分かる一つの指標。この結果からすると、2016-17年版のアトレティコは2億7,250万ユーロ(約369億円)で13位。位はマンチェスター・ユナイテッドで6億7600万ユーロ(約917億円)の収益を記録した。この指標の場合、放映権の影響により、プレミアクラブがかなり儲けている為、エバートンやサウサンプトン、ウエストハム辺りもベスト20にランクインしており、レスターは2億7,110万ユーロ(約368億円)で14位の大貢献。クラブの歴史や純粋な格で言えば格上のアトレティコと約1億の差しかない。プレミア、放映権、恐るべしである。


    つまりはアトレティコはチーム力やブランド力、近年の活躍ぶりの割りにはあまり金は無い。とすると現存戦力を上手く活用していく必要があり、そこで指揮官の腕の見せどころとなる。そして、チョロは腕を見せ、見事に古豪アトレティコを強豪に引き戻した。


    そんなシメオネ。監督業を始めると聞いた時、きっと熱く時には癇癪を起こすタイプになるだろうと勝手に想像していた。というのも、現役時代のプレースタイルは、華麗よりは泥臭くボールを蹴る、個の活躍よりもチームが勝つことが全てという思いが随所に出るもので、特にアルゼンチン代表として国を背負った時は、南米らしいマリーシアがぷんぷんしていたし、何より必ず勝つ!という熱が凄かったからだ。


    そんな想像をしていたが、それはちょっと違った。シメオネは確かに熱かったものの、癇癪は抑え目で冷静沈着の面もちらほら。現存戦力に見合った勝つ戦略を緻密に作り上げる。その結果、規律を重視した全員が諦めず、走りまくるインテンシティの高いサッカーでマドリーとバルセロナの2強を崩し、CL(チャンピオンズリーグ)やEL(ヨーロッパリーグ)で勝ちまくるのだ。


    マドリーやバルセロナとアトレティコとの戦力差は1シーズンで見れば巨大かも知れないが、1試合で見ればどうだろう?前半45分だけで見たら?局面ごとに捉える場合でもやはり巨大な差があるだろうか?一瞬の攻防ではどれほど差があるだろうか?その一瞬の攻防であれば、メンタル、フィジカル、戦略的準備で戦力差は補えるのではないか?


    というのがシメオネの理屈らしい。“単純なタレントの差で見てしまうと、勝てる気がしないと思い込んでしまう。しかし、そのタレント力を、1シーズンから1試合、前半45分とどんどん扱う単位を小さくしていけば、自分達が勝てる要素が見えてくる。努力はその勝てる要素につぎ込むべきだ”ということだと解釈した。なるほど、すると、努力はただ積み上げるのではなく、どこに向けて積み上げるかが大切だということが分かった。


    現在、リーガ3位。CLもグループリーグを突破した。どちらも取りたいタイトルだろうが、より欲しいのはやはりCLだろう。新戦力が久々に早い段階でフィットしているだけに、期待値が上がっていく。

  •  あなたは信念を作り上げねばならないが、もしそれを伝える能力がないのなら、信念なんて無意味だ。

    今季のアトレティコで試合に出られない、と怒っている選手がいた。彼の考えだと、出るべきだという。ある試合の前に彼を呼び、出場させると伝えた。彼が怒っていたことは知っていた。一言だけ注意した。
    「今日試合に出るからといって君が私にとって重要になったというわけではない。今までも重要だった」
     彼はプレーする選手がより重要だと感じていたようだが、私にとって価値は変わっていないと伝えたかった。唯一の違いは、今回はプレーさせると決めただけだ。

  • 読んで、この人のリーダーシップは基本真似できないと思った。自身の判断に根本的に自信があるところは、オコナー判事に似ている。もともと自分の信念を疑うことなどないのだろう。
    すごいなと思いつつ自分も真似できそうと思ったところは審判の誤審のところ。審判も人だからミスをするけど、自分に有利な誤審をするかは運ではない。相手陣営でずっとプレーしていれば誤審は自分に有利にしか働かない。つまり、相手陣営でプレーし続けるという戦略によって誤審のリスクをコントロールすることができてしまうのだ。これがリスクマネジメントというものだ。この考え方はサッカーだけでなく他の分野のリスクマネジメントにも活かすことができそう。
    それにしても、やっぱりチャンピオンズリーグ、始めのカードを一枚怪我で失うのがなければ。。。90分で勝ち切れなかったのが辛い。アンチェロッティは確実に延長まで想定内で来てたし。怪我の状態は意外と本番走ってみないとわからなかったりするものなので、そこのリスクコントロールを誤ったかなという気はする。

  • シメオネのスタイルには哲学があり、それ以外の方法では到底成し得ないモノを積み上げてきてる自信と信念が溢れてる。最終章で時系列的な視点と筆致が変わったと思ったら13−14シーズンを終えた後の日本向けに加筆された部分らしい…この章がある事がこれまでの章への裏付けになるというドキュメント感。

  • 勝ち組だね

  • 長所を伸ばし短所を隠す。クレイジーと呼ばれても心の底から生きたい。

    印象に残りました。

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