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- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905369349
作品紹介・あらすじ
吉本隆明が不死鳥のように読み継がれるのはなぜか? 思想の伝承とはどういうことか?
たんなる追悼や自分のことを語るための解説ではない。ステレオタイプの礼賛でもなく、もちろんクサすための批評でもない。読めば新しい世界が開けてくる吉本論、大幅に増補して、待望の復刊!
★(吉本さんは大思想家というより)ものすごく試行錯誤の人で、修正体で、アメーバみたいに変形し続けてこられた人だと思います。そういう試行こそを後世に残そうとしている人であって、わたしが学ぶのはそのすごく柔軟な修正体のほうです。本文より
感想・レビュー・書評
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「マチウ書試論」の書名は知っておりましたが、ユダヤ・キリスト教の対立と同根性が指摘されていることなどは知らずに来ました。「共同幻想論」が古事記に詳しいことも。国家論を考えるうえで、天皇とは何ものかを追求していく上では不可欠だからですね。天皇と神が添い寝をし、性交することにより「穀物の神」の力を受胎するという大嘗祭の儀式の意味合いは納得できます。吉本という名前だけに魅かれて理解していない代表的な人だと思い知らされたように感じます。酒鬼薔薇少年事件の被害者が実は知的障害を持った子であり、加害者はNGと呼び、ナチスの観点からその子を人間と思っていなかったのではと思われるという指摘はショッキングです。「心的現象論序説」ではゲシュタルト心理学の反転図が登場したり、ずいぶん幅広い知識人だったのですね。
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