埼玉の逆襲 (笑う地域活性化本)

著者 :
  • 言視舎
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905369363

作品紹介・あらすじ

ご存知 笑う地域活性本
郷土愛はないかも、でも地域への深いこだわりはある! 
住んでいる人は意外と知らない歴史・エピソード・うんちくに加え、埼玉県人なら必ず経験したであろう「埼玉あるある」も満載。
そもそも埼玉に県民性はあるのか。「なにもない」ことこそ価値、「憂き目」を逆手にとって逆襲。もう「ダサイタマ」なんて言わせない。
フツーに埼玉自慢も⇒名物・名産はあるし、スポーツは強いし、日本一のもの、有名企業の本社もあるし、観光地もたくさん。

感想・レビュー・書評

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  • Amazonのレビューが割と良かったので、どんなもんかと半信半疑で読んだが、得るところの少ない本であった。
    ラフな文章を省けばもっと薄い本になるだろうと思う。それ位、価値のある内容が少ないが、ラフな文体が好きな人はこれ位が丁度いいのかもしれない。(最近Youtubeの動画でも無駄なことをラフに言う人が多い)
    「埼玉には何もない」という批判に対する『埼玉の逆襲』というタイトルだが、埼玉にはこれもあるあれもあると列挙されてもイマイチ腑に落ちない。なぜなら全てが中途半端で、突き抜けたものが一つもないのだ。
    「埼玉には何もない」とは「埼玉には突き抜けたものが何もない」という意味であり、全てが中途半端であることを意味する。
    しかし、根を下ろしてそこで暮らすのに突き抜けた何かは必要ない。海も山もない。ただ平坦な普通の土地が広がっている。しかしそれは普通に暮らすのに適していることを意味する。
    バリバリ働きたい人は東京がいい。たくさん遊びたい人は千葉や神奈川がいい。埼玉は普通に暮らすのに適している。中途半端かもしれないが全てがきちんと揃っているのだ。

  • 再々読です(笑)鉄道路線別埼玉県民気質(路線民性)に注目してみました。〇西武池袋線:埼玉版・田園都市線、東京と一番つながってる感じ 〇東武東上線:乗ってる人が耐えてる感じ、若者はチャラい 〇埼京線:怖い、せわしない、都会人きどり 〇武蔵野線:のんびり・じっくり、おおらか 〇東武野田線:憎めない埼玉の「ゆる電」、車両が「自分ち化」 〇八高線:純血埼玉県民 ---どんなものでしょうかw、東武伊勢崎線、秩父鉄道、川越線、高崎線、京浜東北線などもありますが・・・---私は、東武野田線、京浜東北線を多用してますw

  • 13079

    しま●ら、サイ●リヤ、山田●どん・・・埼玉発の企業って、安っぽいイメージばかりだな。

    本書で列挙されてる、埼玉に本社をおく企業名を見ているだけで国道沿いの風景が目に浮かんでくる・・・

  • なんにもない県を歴史を踏まえながら紹介する一冊。
    浦和&大宮を中心に書かれるのは仕方がないものの、川越ら県西部の記載が少なかったのが残念。
    あと、卑屈すぎな文章が気に障った。
    行田の奮闘にビックリ。

  • テレ玉(テレビ埼玉)を知ってる人なら楽しんで読めると思います。
    この本を読んでいた昼は行田ゼリーフライのランチパックを食べました。
    そして読み終わった夜はデザートにヤオコー(埼玉発祥のスーパー)のおはぎロールを食べました。
    ・・・・さいたまんきつの一日。

  • 人生における居住期間が最も長くなりつつ、埼玉県について、おかしく楽しく書かれている本で、さらさらっと読めてしまった。
    ダサイタマとなってしまった?歴史的な背景や、現在の埼玉県の豊かさを知ることとなり、とても勉強になった。

    筆者が西よりの人なので、なんとなく、今住んでいる越谷など東側にフォーカスがあたっていなかったのは少し残念だったけど、埼玉を見つめなおす良い機会になりました。

    (ちなみに、横浜に住んでいたことが長く、社会人最初の寮が浦和だったけれども、そもそもそんなにダサイとは思ったことないんだけど、ある意味自虐的なのかな、埼玉県人は??)

  • 「埼玉あるある」をギュッと凝縮、県民でもあんまり知らない「そうだったのか埼玉」も多数トピックあり。いにしえの歴史から、今後の希望的観測まで、意外とやるじゃん、だったり、まだいけるんじゃん?だったりの、県民に自信を芽生えさせてくれる内容。
    著者の出身(東京北多摩地方)の関係で、やや埼玉南西部寄りの情報になっている感はあり、また、推せる箇所が限られていることもあって、何度か重複する事項もあるが、埼玉に数年住んだ人ならきっとこの「埼玉感」を共有できるだろう。

    埼玉県民は郷土愛が薄い、とか思われているらしいが、埼玉を離れた今、こういう本を読んでしまうあたり、なんだかんだで地元愛があるってことなんじゃなかろうか。

  • 社会人になった時に初めてお世話になった会社の寮が埼玉にあった関係で、それ以来30年近く埼玉県民を続けています。「埼玉と千葉とどちらが田舎か」という議論が昔あったような気がしますが、東京と比較して埼玉は地味なイメージがあると私は思っていました。

    この本は、埼玉県の生い立ち(歴史)から、埼玉県が誇る名産物や有名人(俳優やスポーツ選手、アニメの制作者等)を紹介しています。

    私も含めて埼玉県に住みながら、平日は毎日東京まで会社にでかけて戻ってくる「埼玉都民」ですが、年齢を重ねてくると近所で食事をしたり飲んだりする楽しさや気楽さを実感するこの頃です。

    一度埼玉の良さを調べてみたいを思っていた私は、出逢った時期も含めて良かったです。特に前半に埼玉の歴史が書かれていて、小学生時代をこの地域で過ごさなかった私には、郷土の歴史を知る良い機会となりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ヤマト政権は5世紀までに東国(東海ー関東)を支配下に収めて、服従した首長には支配権を与えた、これを「国造(こくぞう)」といった、北武蔵(埼玉県域)には、知々夫(ちちぶ)・尤邪志(むさし)・胸刺(むねさし)が置かれていた(p13)

    ・大化の改新により国造は廃止されて中央集権体制となった、そして南武蔵の地(府中)に国府がおかれた(p14)

    ・幕藩体制が確立された武州(埼玉県域)には、川越・岩槻・忍・岡部の4藩が置かれ、1632年には、川越・岩槻・忍の3域のみ(20万石)となり、残り(50万石)は天領(江戸幕府の直轄地)となった(p15)

    ・埼玉県は、1871年に、武蔵国の北部(埼玉郡・足立郡)と下総国(葛飾郡)の一部をもって設置された、埼玉という地名は古来「サキタマ」と言われて万葉集にも見られる、佐前玉とは、武蔵国の国府があった多摩地域の先にあったことから、多摩先→先多摩→前玉となった(p20)

    ・武蔵国には新たに「県」が設置された、現在の埼玉県域では、旧藩がそのまま、忍県・岩槻県・川越県となった、直轄地は、葛飾県・小菅県・品川県・大宮県(のちの浦和県)となった、廃藩置県により、荒川以東が「埼玉県」、荒川以西が「入間県」となり、県庁は、浦和、川越となった(p34)

    ・初めて埼玉出身者が県知事になったのは、43代目の大沢雄一氏(p37)

    ・明治維新後の「地租改正」により、日本に初めて土地に対する私的所有権が認められた(p39)

    ・1883年に、上野ー熊谷間で鉄道の営業が開始された、設けられた駅は、上野・王子・浦和・上尾・鴻巣・熊谷の6駅、大宮駅は後に、東北線が引かれるときに高崎線との分岐点に置かれた(p47)

    ・文明開化は他県よりも早かった、人力車・英語教科書・理髪店・図書館・西洋医学の病院はいち早く導入された(p98)

    ・渡来人のおかげで埼玉は時代の先端だった、奈良時代には高麗人の移住があり、入間郡西部に「高麗郡」、北足立郡南部(新座・和光)には「新羅郡」は後に「新座郡」となる、志木は、「しらぎ→しき」と転訛したものと考えられている、朝霞に「新倉」や「白子」といった地名があるが、これも新羅が由来とされている(p102)

    ・埼玉県の人口増加は、1970年に地方自治体の改正で、市となる人口要件が3万人以上という特例ができたため、市に昇格する町がる得た、昭和50年代には、北海道・大阪を抜いて日本一となった、そのため埼玉の人口は若年型構成である(p103)

    ・日本三大茶の特徴として、「姿悪くも色香は深い、狭山銘茶の味の良さ」、「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山にとどめさす」と言われる(p117)

    ・さいたま市は、内陸県にある最大規模の都市で、内陸県唯一の政令指定都市(50万人以上)、2005年に岩槻市を編入して、岩槻区ができて10区体制(p123)

    ・県内総生産は、東京・大阪・愛知・神奈川につぐ5位で8年連続、貿易港や臨海工業地域を持たない地域としては大健闘(p132)

    ・ホンダは、昭和26に白子工場、昭和28に大和工場、昭和39に狭山工場、2009に小川工場、2011に寄居工場が操業している(p136)

    ・埼玉名物として、1)草加せんべい、2)狭山茶、3)川越イモ、4)深谷ネギ、次点として、加須うどん、川口の鋳物、岩槻の日本人形、加須・羽生のこいのぼり、最高級材木「西川材」等がある(p156)

    ・名所としては、1)小江戸「川越」、2)夜祭が盛大な「秩父」、3)日本一の岩畳「長瀞」、4)埼玉古墳群、次点として、平林寺(新座)、川口の鋳物工場、伝統工芸の岩槻・鴻巣、武州の小京都である「和紙の小川」、越生の梅林(p169)

    ・サザエさんは、日本以外では人気なし、「ドラえもん」「ちびまるこちゃん」はアジアのみだが、「クレヨンしんちゃん」は世界中でまんべんなく人気あり(p186)

    ・宮崎駿監督作品で、特定のどこかを舞台にしたのは、「となりのトトロ」と「崖の上のポニョ」、トトロの舞台は埼玉の狭山丘陵とされる、登場する「松井川」は柳瀬川(p192)

    2012年9月2日作成

  • 埼玉県民としてはローカルネタが多く、非常に面白かったです。最後の提案の辺りは県庁の職員に読んでもらっても面白いかな、なんて思ったり。

    ただ、作者の出身によるところがあるのかもしれませんが、スカイツリーライン沿線というか、東部地域のネタが少なかったのが少々残念でした(笑)

  • 今昔問わず埼玉県を知るには最適な本、と思う。著者の独特の自分ツッコミ文体に慣れてくる頃には通になっていよう、か。世間的には観光、歴史、どちらかに偏ったモノしか見当たらない中、巧みな文章で華麗に行き来して両者を万遍なく扱っているようで好印象。もし資料的価値を向上させたいなら、雑多な印象が残るので、もう少しだけ文章構成を整理した方が良いように思うが、この取り組み自体は評価したい。個人的にはもう少し所沢市が取り上げられていればな、と感じた。

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著者プロフィール

ライター&編集者。民俗学、地域学、風俗学を得意とする。著書『千葉の逆襲』(言視舎)ほか

「2016年 『埼玉の逆襲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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