満鉄が生んだ日本型経済システム

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著者 : 小林英夫
  • 教育評論社 (2012年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905706724

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満鉄が生んだ日本型経済システムの感想・レビュー・書評

  •  シンクタンクとしての「満鉄調査部」を知るために手に取る。筆者は、満鉄調査部の宮崎正義が立案し、岸信介が実現・運用した「日本型経済システム」は、満洲国での経験の移植と応用と見る。また、このシステムは、その成り立ちに象徴されるように、「国家目標」が明確な戦時・準戦時体制においてこそ最も機能する、と主張する。

     やや歴史認識としては単純に過ぎる(満洲人脈以外の官僚制の役割はほとんど言及されない)し、文章がとても読みにくい。 だが、一つ勉強になったのは、満洲で構想され・実現された経済統制のしくみと統治機構のあり方は、第1次大戦期から1920年代初頭にかけての世界的な労働運動・労働争議の高まりを受けた、大がかりな体制の再編と関わるものだった、ということ。南原繁や河合栄治郎らを含め、知識人たちは、この危機とどう向き合うか、問われていたのだ。

     例えば、小林によれば、労働争議の際の工場占拠戦術は、1920年代のイタリアに淵源する。だとするなら、日本のプロレタリア運動の思想や発言や行動にも、こうした世界史的な同時性は刻みこまれているはずだ。そのような観点で記述した書籍・論文はないものだろうか?

  • 小林英夫『満鉄が生んだ日本型経済システム』教育評論社、読了。戦後の高度経済成長は積極的な計画が必要だ。その要は「政」「官」一体による「財」の運営。本書はその源流を国策企業・満鉄調査部に求める。ロシア革命の衝撃は国家主導の経済運営へ触れ、実験を経て、その人材が戦後をリードする。

     http://kyohyo.co.jp/publication/publication_064.htm

     「戦後は満鉄調査部員が戦後復興の担い手となり、その後も満洲閥官僚集団が影響力を持った」経緯を明らかにする。コンパクトにその道筋が描かれた好著。著者の満州関連では最新の作品。了。

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満鉄が生んだ日本型経済システムの作品紹介

日本経済を世界トップの座に押し上げ、一方で現在の低迷の一因ともいわれる「日本型経済システム」。そのシステムは実は、満鉄の調査部に源流があった-。満鉄と戦後の通産省、中国東北と日本は、どのように結びついているのか。国策が迷走する現在の日本は過去からなにを学べるか。

満鉄が生んだ日本型経済システムはこんな本です

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