滅びの都 (群像社ライブラリー 3)

  • 群像社
4.00
  • (2)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 38
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (505ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905821427

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • A&Bストルガツキィ兄弟の著作の中で、これは兄がほとんどの部分を書いたものじゃなかっただろうか。ソビエト社会主義体制を思わせるとある町に住む人々の物語。痛烈な社会主義体制への批判がこめられているが、社会主義そのものへの期待は捨て去られていない(そういう意味で、ハイナー・ミュラーにも共通する部分があるような気がする)。他のSF作品にはイデオロギーに関するものはあまりなかったような気がする。
    この作品については、確か「青の本」と言う名前をつけていて、原稿を奪われて焼却されてしまうんじゃないかという恐怖を感じていた、というエピソードがあった気がする……その恐怖こそ、社会主義体制下の人間の抑圧されていた恐怖を物語っているように思う。
    自死してしまう日本人の青年のことがすごくよく印象に残っている。彼が死んだ理由はまったく説明されていないのだけれど、それが、また恐ろしくよくわかるからだ。

アルカージィ・ストルガツキィの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×