ソクラテスのダブル・バインド: 意味生成の教育人間学

著者 :
  • 世織書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906388363

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  • p33
    コンテクストの作成とは連続する経験の流れの区切り方、自身の内部または自身と他者とのコミュニケーションの様式を識別する仕方を示すフレイム(心理的枠組み)に他ならない。すなわち、私たちが通常、「あの人はプライドが高い人だ」とか「彼は内気だ」と言ったときの、自己・習慣・性格とは無意識のうちに沈み込んだコンテクストの作成の仕方を意味する。
    さらに、この自己・習慣・性格の集合体は自己システムと呼ばれ、人間の相互作用の枠づけられ方、経験の解釈の仕方を構成する。
    p42
    ソクラテスの対話の特徴として、パラドックス、アイロニー、ユーモア、メタファーがあることもよく知られている。これらの特徴は、すべてコミュニケーションの論理階型の混乱と秩序化に関係しており、このような対話の在り方にこそ、関係を変容させ、覚醒をもたらすソクラテス的対話の秘密があると考えられる。

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著者プロフィール

1954年神戸生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程中退。香川大学教育学部助教授をへて、1992年より京都大学教育学部助教授。2002年より京都大学大学院教育学研究科教授(臨床教育学講座)。博士(教育学)。専門は、教育人間学、臨床教育学。著書に『子どもという思想』『ソクラテスのダブル・バインド』『自己変容という物語』『動物絵本をめぐる冒険』『意味が躍動する生とは何か』『贈与と交換の教育学』『幼児理解の現象学』『大人が子どもにおくりとどける40の物語』などがある。

「2015年 『講座スピリチュアル学 第5巻 スピリチュアリティと教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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