国策捜査: 暴走する特捜検察と餌食にされた人たち

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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906605408

作品紹介・あらすじ

最近の捜査は、一見して「巨悪」を摘発しているように見えたとしても、背後には検察内部の薄汚れた思惑や打算が潜み、捜査や取り調べ手法に数々の問題を孕んだケースも散見される。タイトルともなった「国策捜査」は、特捜検察が政治や世論に背を押されるかのように突き進んだ結果から生まれた歪んだ捜査の一形態である。本書は、徹底して「捜査に狙われた側」から見た日本の刑事司法の一断面である。

感想・レビュー・書評

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  • 本書に書かれていることは実際にあったことなのだと思うが、実はここに取り上げられている人の言うことが嘘だったらとうがった見方もあるのではないか。どこまでが真実で、どこまでが保身のための発言なのかという危うさも感じる。一方で、日本と言う国の司法の在り方にも恐怖を感じる・・・筋書ありきの捜査/取り調べもそうだが、検察/警察の発表をそのまま無批判/裏付取材もしないまま垂れ流す報道(新聞、テレビなど)、そういったマスコミにすぐに乗って騒ぐ国民、すべてが危うい。推定無罪の原則からすれば、逮捕されただけで実名報道される現状そのものに疑問を呈するべき。読み手側も鵜呑みにせず、多少批判的な視線で読むべき本だと思う。

  • 著者のラジオ番組をよく聞いていたのだが、この本ではもう少し掘り下げた話を期待してたのですこし物足りなさ感が。しかし、検察官、判事なんてのは妙なエリート意識で仕事されると、ろくなこたぁない。戦前の軍官僚と同じで、国を滅ぼす。

  • 鈴木宗男,村岡兼造,佐藤優など,
    国策捜査として検察の不当な取り調べを受けたという人を招いて
    行われたワークショップ「日本の司法を考える会」の記録。

    こういう話を聞くと,やっぱり取調べの可視化が必要だと思う。

  • このところ特捜ものばかり読んでいる気がするけど。

    こんな問題が実際にあったという集まりで、掘り下げが乏しい。
    だけど、色んな角度からの切り口があって、なるほどねー、と思ってしまう。

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著者プロフィール

1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。慶應義塾大学卒業後、共同通信に入社。社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、2006年に退社しフリーに。テレビ・ラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『日本の公安警察』(講談社現代新書)、『絞首刑』(講談社文庫)、『トラオ―徳田虎雄 不随の病院王―』(小学館文庫)、『増補版 国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(角川文庫)、『誘蛾灯―鳥取連続不審死事件―』『抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心』(講談社)、『青木理の抵抗の視線』(トランスビュー)などがある。

「2015年 『ルポ 国家権力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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