貧困の現場から社会を変える (POSSE叢書)

著者 :
  • 堀之内出版
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906708611

作品紹介・あらすじ

政治だけじゃない。
貧困が広がる社会を、私たち自身が変えることができる。

下流老人、貧困女子……。一億総中流社会の崩壊がより深刻な今、貧困問題はだれにとっても人ごとではありません。ではどのようにしたら、そうした問題を解決したり、未然に防いだりすることができるのでしょうか。長く貧困問題の現場に関わり、さまざまな提言や制度改革に取り組んできた著者が記す、貧困社会を変える希望の1冊。用語解説もつき、中学生くらいからでもよみやすく、わかりやすい内容です。

感想・レビュー・書評

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  • 368

  • 「もやい」を作り現代の貧困の現場に関わってきた著者のソーシャルワーク論。日本のソーシャルワーカーはソーシャルアクションを軽視する傾向を何度も述べている。貧困に陥ると容易に這い上がれない状況になっている我が国では、その認識が薄いのは、一般の人だけでなく、専門家と言われる人にも多い。現代の社会問題は制度と制度の狭間で起こっている事が多く、既存の枠組みだけで支援を行おうとすると、何も出来ない。実際はネットワークを作って解決するしかないという主張にはいたく共感。続いて権利としての生活保護については、パッシングに対しても丁寧に論破。最後に我が国の住まい政策の問題点から貧困問題を語る。締めは自立支援について、その両義性への自覚を促す。おまけに下流老人の著者の藤田孝典氏との対談までついている、分かりやすく、お徳な本であった。

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著者プロフィール

1969年、広島県広島市生まれ。1994年から路上生活者を中心とする生活困窮者への支援活動に取り組む。
一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人、生活保護問題対策全国会議幹事、いのちのとりで裁判全国アクション共同代表、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授。
著書に『閉ざされた扉をこじ開ける』(朝日新書)、『コロナ禍の東京を駆ける』(共編著、岩波書店)、『ハウジングファースト』(共編著、山吹書店)、『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)、『生活保護から考える』(岩波新書)など。

「2021年 『貧困パンデミック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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