「心がボロボロ」がスーッとラクになる本

著者 :
  • さくら舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906732197

作品紹介・あらすじ

「なんで私ばっかり」
「一人でなんとかしないと」
「どうせ自分なんて…」
ガマンしたり頑張りすぎて心が苦しんでいませんか?
“足りない”と思う心を手放せば、もっと楽に生きられます。
仕事、就職、人間関係…「ボロボロ」の心を癒す43の処方箋

感想・レビュー・書評

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  • まさに自分。全ての項目あてはまった。そりゃ心がボロボロになるわけだ、と思う。

    一方で、自分の考え方を変えるのは一朝一夕ではいかない。

    特に難しいのは、未来への不安。
    うつ病が再発し入院し、この先どうなるかわからない。子どもも大きくなりお金がかかるという不安。コロナで経済状況が不透明という不安。親が病気になり親を失うという不安。仕事をしててもすでに問題ばかり発生している仕事を無事に終わらせることができるのかという不安。

    視点を現在に置くことは自分で選択できる。でも難しい。完璧主義の自分が出てきてそれすらできない、また不安に思っていることに対してすら不安を感じてしまう悪循環。

    本著によれば、とりあえずこの瞬間だけはやすらかな心でいようと決めることが大切だという。今をやすらかに過ごす。そのことに意識を集中して生活を送るよう心がけていきたい。

  • 心がぼろぼろになることについて、衝撃という概念を使って説明されており、参考になる内容だった。ポジティブ思考や前向きに考えることを否定し、マイナスの感情を感じ尽くす、愚痴を言うという思想が新鮮だった。今に集中する、相手の問題と考える等アドラー心理学と重なる内容もあった。
    自分は他人の目を気にして「評価される対象」という立場にいたので、これからは自分の目で見て、自分で自分の価値を決める「感じる主体」でありたい。
    衝撃を受けて悩んでいるときに、この本を読んだが、 本書の言う通り衝撃によって人生を支配されたように感じた 。 前向きに考えようとしたり、気持ちを切り替えたりしようと思っていたが 、今のマイナスな気持ちを受け入れ回復することが大切であるということを学んだ 。また、自分は相談できる人がいるという恵まれた環境にいるということを感じた。

    頑張りすぎの人: 頑張ることをやめることを人生の軌道から脱落するように感じる。
    心身の限界を認めない。→ 生き物としての自分を否定。「無知な自分」がすべてを知っているかのようなつもりになっている(根拠のない自信or勘違い)

    出口が見えないと言う状況→ 現状に止まっていても悪化するだけという限界を認め、どう対応するか考える。
    やらされている感が強いとき (受け身の状態)は 被害者意識が上乗せされるより心が消耗。

    ≪課題の分離≫
    「自分の問題なのか相手の問題なのか」という視点➕ 【自分が】どう捉えるかが大切
    攻撃的な人=困っている人
    「 教育的指導をしたい気持ち」→無駄な努力➕自分の負担になるだけ。

    ≪衝撃を受ける≫
    心をボロボロにするエネルギーを作り出す=「自分」の頭の中。ネガティブな出来事に関する「自分の」受け止め方。(無理なポジティブ思考は自己否定の危険性)
    衝撃を受ける→自分はダメなのではないかというレベルまで拡大解釈する。
    衝撃への反応に過ぎない。自然な感じ方。
    「単なる衝撃への反応だ」という気づきが大切。
    「もし他人に同じことが起こったら自分は何と言ってあげるだろうか?」 という問い=問題を客観視することができる。

    衝撃=回復への時間が必要
    ①衝撃を受けたという事実を認める②回復には少し時間がかかることを受け入れる

    衝撃を受けるためには感情を感じ尽くすことが必要。強がらない。

    回復の第一はとにかく日常生活を送ること。人生の質は一瞬一瞬の積み重ね。
    人生のテーマは衝撃を受けたことの1つに限局されているわけではない。→衝撃(不安や悩み)と関係のない時間を意識して増やす。
    ネガティブなことだけをを人生のテーマにしてしまう→ それ以外の要素がなくなってしまう= 生活がネガティブなことだけに支配される。
    未来のことばかり考えると「現在が死ぬ」
    現在は幸福な未来をつくるための「ただの我慢期間」になる

    今目の前にある瞬間だけに心を集中させる。
    地に足のついた日常生活を送る=前向きな対処
    小さくても「できた」という感覚を積み重ねる。 (一発逆転を狙わない)

    自分を責める思いは回復の足を引っ張る。

    頑張っても足りないと感じてしまう心 → 自分に足りないところを認めない限り努力することができないという誤った価値観、認識。
    足りないところ探し=自分いじめ・自分への虐待
    ※ 全ての人ができるだけのことをやってきた結果の現状。「 あらゆることには必然性がある。」
    自分の心身に責任をもてるのは自分だけ。 他人任せにできない。
    他人からの評価を気にする=「評価される対象」
    →どれほど頑張っても足りないと感じてしまう
    「感じる主体」→頑張る楽しみや達成感を感じることができる。
    自分の価値を他人に決めさせない➕ 自分を認める力を相手に分け渡さない。
    自分の価値を知っているのは自分だけ→自分の価値は自分で決める

    自分の人生に変わりはいない。
    ❌会社が自分を一方的に評価する。
    ⭕️自分が会社を評価する。

    未来への漠然とした不安=「今」から気を散らしている。
    とにかく目の前のことに集中する。

    自分➕愛する人のためにつながりを作っていく
    つながりを作る→①心がボロボロな状態から回復する②豊かな人生を手に入れる。
    自分とのつながりや現在(時間)との繋がりもある。




  • 疲れて疲れて困っちゃったなーというときに手にした一冊。水島先生の本はどれも優しい語り口と偏りのない視点で疲れた人の心に寄り添ってくれます。「心がボロボロ」なのは「頑張っているから」ではなく「頑張りすぎの状態だから」というのが新鮮でした。健全な頑張りは心にとってもプラスになるんだなあ。現状を認めないと進歩が望めないので、今の状態を満足するのは大切なこと、というのが納得です。イラストもほのぼのしていてかわいい良い本でした。

  • 最近気分の落ち込みがひどいので、水島広子先生の本の中からこれを読んでみた。整理が難しかったので、さすが水島先生!と納得できた或いは新発見した箇所を以下に要約しておく。とくに最後の幸せの定義は、目から鱗だった。

    ◆頑張らない
    「今の自分はこれでよいのだ」と思うことが、次の前進につながっていきます。
    物理的にはまだまだ進歩が可能な領域はある。でもそれは「今」でなくてよい。今の自分は十分に頑張っている。それを認めて肩の力を抜くことは、本来の自分を取り戻す第一歩。
    ◆衝撃、のち絶望、そして回復
    絶望は衝撃を受けたときに生じる一般的な反応である。この回復には時間がかかるもの。しかし"妨げ"さえしなければ、やがて乗り越えられるものである。回復とはすなわち「何とかなるだろう」と思えるようになること。 「何とかなるだろう」が私たちの日常を支えている。
    ◆番外編、いじめ
    一般に、いじめは、「違和感のある人」に対して行われる。なに考えているのかわからないので、相手が不安に思っている。なので安心させるのが一番の方法。
    ◆他者からの評価
    「足りないところ」を指摘されて育ってきた人は、何かを判断する基準を「周りの目」に置く特徴がある。「周りから見たら足りないところがあるのではないか」ということを優先させてしまう。自分の目で見よう。
    自分の価値の判定を他者、社会に委ねず、自分で自分の価値を認めれば、社会情勢に左右されない。そもそも人間の価値とは、何をするかで評価されるような性質ではない。「何をするか」というテーマのもとでは「どれほど努力しても足りないと思う心」に容易にとりつかれてしまう。「今」満たされていること、「今」安らかであること、に焦点をあてて、「感じる主体」を意識すると、他者の目から解放される。
    ◆最後に、幸せとは
    幸せと感じるのはどんなときか。
    ・自然との一体感を得たとき
    ・自分が役に立っていると感じるとき
    ・自分のありのままを受け入れてもらったとき
    ・素晴らしい芸術に胸を打たれたとき
    ・自分はこれでよいのだと思えたとき
    いずれにしても、つながりという要素である。人との、自分との、他の生命との、自然との、宇宙とのつながり。何であれ、つながりの体験をするとき、私たちは心からの満足や幸せを感じるです。

  • 心がボロボロになったのは頑張りが本物だから。頑張っていなければボロボロになったりしない。ボロボロなのは限界(自分の限界、他者の限界)があることを認めないから。人は常に今できることはやっている。なんだか慰められました。

  • 仕事に就くことの悩みをここまではっきり書いてる本に初めて出会いました。
    自分のことが書かれているようでした。
    泣きました。

    そっと心に寄り添ってくれる本です。

  • 心がボロボロになっている、あるいはボロボロになりそうな人に向けた、考え方や生き方を変えていくヒントが詰まった本。
    心がボロボロになっている方は、例外なく、頑張ってきた人。頑張ってきた自分をねぎらってあげましょう。そして、本書を読んでも「心のボロボロ度」がちっとも改善しない場合には、自分の「足りないところ」を探すのでなく、「今の自分には別のサポートが必要なのではないか」と考えてみてください。・・・このような著者の姿勢に癒される。

  • いつも直球ストレート勝負?なので、グサっとさせている張本人かも。。。

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    「仕事・就職・人間関係などで無理をしていませんか?
    我慢したり、頑張りすぎると、心はどんどん苦しくなって、すり減ってしまいます。
    「心がボロボロ」と感じるときに必要なのは、これまでの自分を認め、自分にとって最も自然な形の生き方に変えていくこと。
    肩の力を抜いて、もっとラクに生きるための考え方、難しい人間関係の対処法などを、対人関係療法の第一人者がアドバイスします。

    ――本書で言う「生き方を変える」ということは、自分にとって最も自然な形にしていくこと。今までのように、流れに逆らって苦しみながら頑張るのとは、全く逆の方向です。
    それは、魚が川の流れの中、自然にスルスルと泳ぐイメージ。
    自分にとって最も自然な形になったとき、私たちは最も元気になりますし、生き生きと人生を楽しめるようになります。
    もちろん、そのときには、心をボロボロにせずに、健康に「頑張る」ということも、またできるようになるはずです。 」

  • 後半の事例は自分とは少し違うため、あまりしっくりと来ず急ぎ足で読みましたが、
    前半はちょうど今の自分のようで共感しながら読みました。
    「頑張り過ぎ」の自分をちゃんと認めてあげたいと思いました。

  • 2022.12.8
    心がボロボロになっている人は頑張ってきた人である。
    さらに頑張るのではなく、自分を癒すこと。
    ポジティブ思考には心をボロボロにするエネルギーが内包されている。
    衝撃を受けた後は絶望的な感覚になったり孤独感を感じたりするものだ。回復するために何をすべきか考えよう。自分を責めると回復に時間がかかる。
    人にかける言葉を自分にもかけてあげよう。
    また、人から支えられているという感覚を持てると楽になる。
    攻撃的な人=困っている人である。相手の限界を感じよう。
    こうあるべきという見方はしない。
    完璧主義を手放し、『何をするか』より、『どうあるか』に焦点をあてる。

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著者プロフィール

水島広子【みずしま ひろこ】

慶應義塾大学医学部卒業・同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正などに取り組む。1997年に共訳『うつ病の対人関係療法』を出版して以来、日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに、その普及啓発に努めている。現在は対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、対人関係療法研究会代表世話人、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン代表。主著に『自分でできる対人関係療法』『トラウマの現実に向き合う』(創元社)、『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』(紀伊國屋書店)、『怖れを手放す』(星和書店)、『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『自己肯定感、持っていますか?』(大和出版)、『「毒親」の正体』(新潮新書)などがある。

「2022年 『心がスーッとラクになる 世界の美しい文様ぬり絵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

水島広子の作品

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