禅仏教の哲学に向けて

  • 株式会社 ぷねうま舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906791248

作品紹介・あらすじ

■ 英文のままに残された、碩学渾身の労作。禅と哲学──不立文字の核心に、
 今日の思想と言葉で迫る。

■ 欧米人に向けて、東方仏教思想の根源を語りかけること。その工夫によっ
 て、禅の精神が新しい光のもとに立ち上がってくる。概念的思考を嫌い、ひ
 たすら生まれたてのリアルな経験の場への突破を目指す実践を、言葉に移し
 植えようとする。

■ 東西宗教思想の呼応と交叉を、その最深部で捉える、繊細にしてダイナミ
 ックな井筒宗教思想の挑戦。          

感想・レビュー・書評

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  • 元々「理」を飛び越えて世界を把握しようとする禅と、世界
    を理性で捉えようと企む哲学とを並べて論じようとするのは
    無理がありそうな話ではある。しかし禅も人の営みであり、
    そこには動き働く心が存在するのだから、何かしらの哲学的
    と言っていい動向は存在するはずである。無理問答としか
    思えないような公案や、禅における悟りについて、そこで
    働いてる哲学をとてもわかりやすく解説しているこの本は、
    読んだだけで禅がわかったような気になる危険な書物で
    ある(笑)。

    もちろん著者の解釈が禅のすべてではないし、取扱説明書を
    読んだからといって自転車に乗ることが出来るようには
    ならないのは言うまでもない。

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著者プロフィール

1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magic などを発表。
 1959年から海外に拠点を移しマギル大学やイラン王立哲学アカデミーで研究に従事、エラノス会議などで精力的に講演活動も行った。この時期は英文で研究書の執筆に専念し、God and Man in the Koran, The Concept of Belief in Islamic Theology, Sufism and Taoism などを刊行。
 1979年、日本に帰国してからは、日本語による著作や論文の執筆に勤しみ、『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表した。93年、死去。『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻1、2013年-2016年)。

「2019年 『スーフィズムと老荘思想 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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