この世界の成り立ちについて: 太古の文書を読む

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著者 : 月本昭男
  • ぷねうま舎 (2014年3月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906791286

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この世界の成り立ちについて: 太古の文書を読むの感想・レビュー・書評

  • 著者は旧約聖書学者。現在の世界の成り立ちを楔形文字文書や旧約聖書などからひも解く内容。とはいえ研究書というよりは、著者のこれまでの研究を盛り込みつつ、個人的に感じてきたことも盛り込んだエッセイのような内容です。たまに古文書とは関係のない詩句も出てきたりで個人的にはやや読みづらかったように思います。しかしイスラエルでの発掘経験や旧約聖書の研究歴の長い著者ならではの伝え方で、イスラエルに対するイメージが変わったものもありました。もしかしたら学問的なものというよりも、このようなことを伝えることが目的の本かもしれません。

    主に旧約聖書を引用し、イスラエルの宗教史について語られることが多いですが、意外にもヤハウェの唯一絶対的な性格が確立したのは紀元前6世紀のバビロニア捕囚以降で、それまではヤハウェの他の様々な神もまつられていたといいます。イスラエルというと一神教で、他の神は認めないというイメージですが、この考えを確立させたのがバビロニアの王によるイスラエル人の拉致という人間の行い。歴史に「もし」はないですが、もしこれがなかったら、イスラエル人の宗教観は今とは違うものになっていたのかもしれません。イスラエル軍によるガザ空爆が毎日報道されていますが、これもなかったかも。そう思うと、人間ひとりひとりの行動が後世に影響を与えるということを自覚し、日々誰にも迷惑をかけないように心がけることが大切だと思わされてしまいます。本書の趣旨とはずれますが、イスラエルの子供とパレスティナの子供をいっしょに教育するといった、今までなら信じがたいことが学校の先生の努力で行われているということも本書で書かれており、驚きました。こうした子供たちが大人になった時、今の大人には解決できなかった問題が解決されることを願います。

  • 聖書や楔型文字文書(つまり古代オリエントの古文書)のベテラン学者による著者の関わる古文書に関する随筆集。

    ギルガメシュ叙事詩では、既に友情と生と死の物語が紡がれている。
    聖書の成り立ちについて多くの頁が割かれる。ユダヤ民族は少ないながらも聖書の成立と広まりによってその役割は大きい。ここまで普遍的な思想を残した古代民族はいない。例えばヨブ記には神の存在と理不尽な現実があるが、それは因果応報説では神の存在が予測可能になってしまうという思想を示している。

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この世界の成り立ちについて: 太古の文書を読むの作品紹介

■ 古代メソポタミアの創成神話、『アトラム・ハシース』『エヌマ・エリシュ』『ギルガメシュ叙事詩』……旧約聖書に流れ込んだ、東地中海の神話の古層を掘り、世界のはじまりの物語をめぐる。この現実を組み上げている、見えない骨組みを探って。

■ 起源に置かれた「大洪水」の説話とは何だったのか。死と人々はどのように向き合ってきたのか。一神教の発生に隠された秘密とは、〈信〉が社会において果たしてきた役割とは何か。

■ 古代オリエント学と旧約聖書学を専門とし、長く中東の発掘にもたずさわってきた著者が、物語とイメージの豊饒な地層から掘り起こした出来事の数々。人が生きることにかかわる基本的な条件とは……。

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