感情の「みかた」 ~つらい感情も、あなたの「味方」になります。

著者 :
  • いきいき
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906912179

作品紹介・あらすじ

ひとは、人間関係に傷つき人間関係に癒される。今、つらい思いを抱えているあなたへ。こころのモヤモヤは書き出してみると、すっきりします。

感想・レビュー・書評

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  • 人は人間関係によって傷つき、
    人間関係によって癒される。



    ■内容紹介
    幼少時あるいは青春期に経験したつらい思い――誰しも心のどこかに抱えているのではないでしょうか。そのつらい思いの源泉を探っていくと、悲しみ、怒り、憎しみ……さまざまなネガティブな感情に行き当たります。本書は「気持ちを切り替えて前向きに行こう!」とは言いません。そのネガティブな感情にあえて向き合って、その原因となった“人間関係”を明るみに出し、新しい“人間関係”によって癒される。そういう道があることを、著者は語り続けます。どこか自分に不満がある方、少しでも変わりたい方にこそ読んでほしい一冊です。



    ■ 著者プロフィール
    堀越勝(ほりこしまさる)
    国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター センター長。
    1956年群馬県生まれ。米国・バイオラ大学大学院卒業後(臨床心理学博士)、米国クリニカル・サイコロジストの免許を取得。ハーバード大学医学部精神科の上席研究員、筑波大学大学院人間総合科学研究科専任講師などを経て、2010年国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター研修指導部長。15年より現職。

  • 「みかた」には3つの読み方がある。味方、見方、そして診方。そう言われてみれば、と思うこと自体が、すでにどれだけいつもは目から入ってくる文字情報に意識をやっていないか、ですね。私はすぐに「味方」の方を思っていたようです。
    ご年配の方が対象と思われる雑誌「いきいき」に連載されていたとあって、大切な人を亡くした時、など人生の終わりに向かっていく人へのアドバイスがあります。賢者の知恵といった風で、若い人も知っておいて損はないのではないかと。
    怒り、悲しみ、許せない、といったネガティブな感情の扱い方が書かれています。曰く、こういった感情には、自分の精神バランス(著者はこころの筋肉と表現されています)を保つための意味・意義があるのだと。それを無視してはいけませんよ、と穏やかに諭してくれます。
    悲しみは味わい尽くさなければならない、との意見には大賛成。拭っても拭っても涙が溢れてくるほどに悲しいのであれば、それにはその意味がある。だったら、何度も何度も泣けば良いし、いつかその涙が違うものになるかもしれない。そうやって向き合えば、ただの喪失ではなくなり、こころの栄養になっていく。
    ともすれば、まるで毎日ハッピーでいなければ生きている意味がない、何かがおかしい、充実していない、と思われがちな現代で、決してそれだけが人生の意味ではないと教えてくれる(もしくは再確認させてくれる)本です。
    個人的にハッとしたのは、大人になってからは人間関係を選り好みしなさい、の言葉。そう言われてみれば、いつからか、子供時代=素=一番良いという図式にとらわれ、子供のときのように振る舞いたい考えたい(子供っぽく振舞うという意味ではなく)と思っていたな、と反省。過去は過去、今は今、ですね。
    傷つかないことなどないのだと、ネガティブな感情を持たないことは不可能なのだと、そしてそれらは全て価値を持っていて、それで良いのだと柔らかく肯定してくれる本です。

  • 「ひとは人間関係に傷つき、
    人間関係に癒される」と本の帯にはあります。
    確かに日々を送る中で、いつもグルグルと私の頭の中を支配するのは他人の思考ばかり。
    「夫はどう思うか?友達はどう感じるか?」とかとか。
    そんなことを続けているといよいよ疲れます。
    当然のように元気が出る本、つまり心理学とか宗教とかの本を読み、なんとか自分の心のバランスとりをするわけです。

    この本も「感情の見方」と言うタイトル通り、そして帯にあるようにネガティブな思いに絡まった時に手にして読む処方箋、バイブルのような本でした。必要な部分を中心にその時々に読めばいいと言う安心の本です。
    著者は認知行動学者と言うことで、多くの悩みを持った方との関わりの中で得たものを、優しく丁寧に記して語ってくれます。
    私は怒りっぽいので、「怒り」の部分から読み始めました。
    フムフム。
    と、読み進むうちに、ふとある箇所で釘付けになりました。
    ===「気持ちの受け止め方」・話すより聞くこと===
    の項です。
    つまり傾聴と言うのでしょうか?
    相手に自分のことを話すのではなく、相手のことを聞くこと。そこにこそ問題解決の緒があると言うのです。
    今までの啓蒙書にはない新鮮な切り口で、気がついたら一生懸命読んでいました。
    あの場面、このシーン。
    思えば自分のことばかり「分かって、わかって、、、」のワカッテチャンだったことにガ〜〜ン。
    そうか、、、兎に角聞く。
    聞くことは相手を受け入れることであり、自分の心に相手を受け入れるスペース、つまり広くなると言うことに気がつきました!!!

    そうか。
    まずは「聞くこと」から挑戦してみよう。
    そんな勇気が出てきた本でした!!!

  • 私も『安全な人』になりたいな。この本はずっと置いといて時々読むことになると思う。

  • 一般的には「怒り」「不安」と言ったネガティブな感情を持つのは良くないので、持たないようにしましょう。と言われることが多い。そんな考え方に対してネガティブな感情を持つことにOKを出される堀越先生の考え方に、非常に共感を持てました。
    ただし、後半の人間関係に関する分析に関しては、やや偏った感じもしました。

  • 感情に対するみかたが変わった
    自身を客観的にみたいときに、
    再読したい一冊

  • 2015年7月13日読了。ブクログの献本企画で当選した本を読了。心理学者の著者が、自分自身の負の感情の「見方」取り扱い方・解消の仕方を説き、それによりコントロールの難しい自分の感情を自分の「味方」にできるとする本。平易な文章で当たり前のことをさらりと書いているが、それなりに心に引っ掛かるものはあった。怒りやストレスなどを自分が感じるとき、自分はその対象のどこに負の感情を抱いているのか?どうすればそれをコントロールできるのか?「そのような感情を自分に抱かせないでほしい」と相手に依頼するとしたら、どう表現すれば伝わるのか?自分は他者に同じような感情を抱かせるコミュニケーションをしていないか?など。色々考えさせられるところはあった。

  • 「泣くこと」「ネガティブになること」「許せないと思うこと」…。
    持ってはいけない感情、できるだけ避けたいこと。そのように思うことがいつも悪いわけではないと考えることができる本だった。

  • 献本企画に応募しました!第二弾!
    つらい感情もあなたの「みかた」だそうです
    見方を知るこきで、仕事上関わる人にアドバイスできそう
    自分に良いものを「イエス」有害だと「ノー」といって境界線を引き、人とは違う「自分」が形作られる・・・「ノー」を言えないと境界線がうまく引けず、有害ラインを踏み越えられる度に自覚なく傷ついていく人生か・・・わかるなあ

  •  平易でわかりやすいが、通り一遍の説明でしかなく、論理的には分かるんだけど、実践的にどうするのか?と聞かれると悩む。
     ワークが欲しい。
     個人的には章ごとに1冊ずつ書いても良さそうな気がする。

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著者プロフィール

国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター特命部長(前センター長)。米国のバイオラ大学で臨床心理学博士を取得、マサチューセッツ州のクリニカルサイコロジストのライセンスを取得。ハーバード大学医学部精神科においてポストドクおよび上席研究員として、ケンブリッジ病院の行動医学プログラム、マサチューセッツ総合病院・マクレーン病院の強迫性障害研究所、サイバーメディシン研究所などで臨床と研究を行う。2001年に帰国し、筑波大学大学院人間総合科学研究科(講師)、駿河台大学心理学部(教授)を経て現職。臨床心理士。

「2023年 『不安へのエクスポージャー療法 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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