はたらく動物と

著者 :
  • ころから株式会社
4.11
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本棚登録 : 157
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907239244

作品紹介・あらすじ

『世界はフムフムで満ちている』で鮮烈なデビューを飾った金井真紀が、長良川の鵜飼からパリの「エコ鶏」まで、はたらく動物と、ともに生きる人間を描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • NHKラジオの飛ぶ教室で紹介していたので図書館で借りて読んだ。
    はたらく動物とその周辺に生きる人たちの物語。
    鵜と共に生きる鵜飼のおじさんと生ゴミ対策のパリのニワトリが特に面白かった。
    印象に残った文章
    ⒈ わしに言わせりゃ、学校に行って、就職して、週に二日も休んでな、60で定年になったら明日から来んでもいいって言われて、それからボサーッとして、老人ホーム入って死んでいくのもな、意味ねえわなぁ。
    ⒉ 決められた場所で決められた仕事をするほうが考えは分散しない。深く考えられる。
    ⒊ 若いときは片足で立てる鵜が、年をとると両足で立つようになる。そして最後の最後は立てなくなってしゃがむ。しゃがむと食欲がなくなり、それから一週間で死ぬ。それこそが理想の死に方だと山下さんは力説する。
    ⒋ うまくいかないことを「失敗」と捉える人と、「目的に近づくためのステップ」と捉える人の二種類がいる。
    ⒌ 忘れてはいけないのは、人間も動物だってことだ。

  • 人間とともに働く動物たちをルポ。犬、鵜、馬、ニワトリ。ニワトリは、パリです。

  • 犬、馬、鵜、鶏。
    人と暮らし、寄り添いはたらく動物たちの暮らしを追ったノンフィクション。
    装丁にも現れている通り、のんびりしている。
    普段の生活では窺い知れない世界がある。
    その断片でも垣間見る事ができるのはとても嬉しい。
    優しくのんびり、世界が広がった。
    いい本だ。

  • ノンフィクション
    動物

  • ヒトがヒト以外の動物に仕事をさせるって、どういうことなのか、その動物にとっての良い暮らしとはなんなのか。そういう事をインタビューした本です。
    夏休みに絵本じゃない本を読んでみたくなった子供でも読める本かな。

  • 自分の持ち場でがんばる動物たちは、のびのびうれしそうで
     余計なことを思いわずらわない。
     いやなことを我慢してやらない。
     もっている力を出し惜しみしない。

    …云々と、あとがきに書いてあって、ほんまにそうやな~と思う。(このあとがきは、かなり笑えもする。)

    西川さんの『あそびの生まれる場所』がころから(http://korocolor.com/)から出て、版元のサイトをひさしぶりに見たら、この本がおもしろそうで、読んでみた。

    文も絵も金井真紀さんがかいていて、どちらも目に入ってとおりすぎる間に、ほよほよほよ~と気持ちよくさせてくれるかんじ。自分が、いまの職場で(あるいはむかしの職場で)いらいらっとしたことが、ほどけていくかんじ。淡々と自分の持ち場を守ろう、骨惜しみせずはたらこう、私も、と思う。

    近くのカフェで、5月に、著者と本に登場する門川さんと盲導犬ベイスとがやってくるトークイベントがあるのにもうしこんだ。原画展もあるそうで、印刷された絵もよかったけれど、原画はどんなんやろとたのしみ。

    (4/12一読、4/24二読、5/14三読)

  • 働き方改革が言われる時代に、こんなふうに働くことができたら、どんなにか幸せな日々だろうかと思われた。
    のどかな文体と美しい造本もよろこばしい。

  • 金井真紀さんによる、はたらく動物とそれを取り巻く人々のルポルタージュ、というと固いかな、聞き書き集。
    外見(装幀、タイトル・表紙絵)と同じく、やさしくほんわかとした読みやすい文章とイラストは金井さんならでは。すらすらと、あっという間に読めてしまいます。

    分厚く難解で眠くなるような書籍ではない。
    けれど、ここで取り上げられた「はたらく動物」とその動物たちを愛し、ともに過ごす人々の話しからは、今の社会の問題、人間様のおかしなところ、が浮かび上がってきて、深く考えさせられる、そう、深遠な書籍なのである。

    語りだしたら切りがないので、最初に取り上げられているはたらく動物だけ紹介。
    農作物を荒らす猿を追い払うモンキードッグ。大町市が最初に取り組みを始めたそう。
    ここで登場するのがモンキードッグの訓練士磯本さん。なぜ猿が作物を荒らすようになったのか…。その背景を教えてくれるのだが、「結局、人間が一イチバンバカ」と磯本さんは語る。胸にしみる。
    犬に追いかけられる猿を「かわいそうだなぁ」って言う磯本さん。そして、「モンキードッグを育てる人が猿をかわいいと思う人でよかった」と思う著者。
    そんな優しい人たち、動物を愛する人たちの話しがつまっています。

    おすすめです。

  • 猿を追う犬、鵜飼の鵜、農地を耕す馬に盲導犬に、生ゴミを食べる鶏…様々な場所で活躍する動物たちと周辺の人々を取材したノンフィクション。どの人の話も色々考えさせられた。ニワトリの飼い主の方の「忘れてはいけないのは、人間も動物だったことだ」という台詞が印象深い。取材予定だったという地雷ねずみの話も気になる。

  • 人間もはたらく動物だ

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著者プロフィール

1974年千葉県生まれ。文筆家・イラストレーター。「多様性をおもしろがる」を任務とする。著書に『はたらく動物と』(ころから)、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『虫ぎらいはなおるかな?』(理論社)、『世界はフムフムで満ちている』(ちくま文庫)、『日本に住んでる世界のひと』(大和書房)、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行』(岩波書店)など。難民・移民フェス実行委員。

「2024年 『それはわたしが外国人だから?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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