- Amazon.co.jp ・マンガ (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784907259020
作品紹介・あらすじ
・単行本「足摺り水族館」のあらまし
単行本「足摺り水族館」は、2010年と2011年にそれぞれ私家版として発行された「足摺り水族館」及び「ASOVACE」という本をもとに、一般流通向けに再編集したものです。「ASOVACE」はpanpanyaがそれまでに描いた短編漫画作品を一冊に纏めたもので、総ページ数300ページ以上を藁半紙にコピー、和綴じで自家製本されています。また私家版「足摺り水族館」は「一冊の本をして水族館感を体現させる」というコンセプトのもと制作され、これもひとつひとつ表紙を特殊加工し、手作りしています。
今回作品を纏め直すにあたり、他の漫画短編作品と性格の異なる「足摺り水族館」をどう扱い、作品集に統合するかという点で特に難儀しました。最終的に「足摺り水族館」を核とし、その一冊の作品の中に各短編を織り込むという考え方でpanpanya自ら設計編集することで「足摺り水族館」の意趣を損なわず統合し作品集とすることに成功しています。
感想・レビュー・書評
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本祭りにて本箱の中から呼ばれたような気がして購入。儚げなのにラフな口調でギャップある主人公。懐かしさと場末感混じる風景。リアルな魚と単純フォルムの謎の生物。『完全商店街』『イノセントワールド』『冥土』『君の魚』が好き。
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東京の本屋に買いに行って、帰りの電車で(少しだけうとうとしながら)読んでいたのだが、正直どこからどこまでが本の内容でどこからどこまでが自分が見ていた夢なのかわからなかった。それくらいにはいい意味でおかしな内容。また装丁がとても好き。とくにカバーは、母が昔 実家から持って来た植物図鑑と同じ手ざわりで何と無くなつかしい感じがする。さわさわ
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とても良い。
とりとめのないイメージ。
懐かしさ。変ないきもの。夢。どこかで見たような、どこにもないような風景。そこはかとない廃墟感。
よく知っているはずの街で、道に迷うような。
知っている風景が、突然見たことないものに変わるような。
真っ昼間から妖怪に出くわしたような。
萩原朔太郎の「猫町」とか
香港の九龍城砦とか
映画「スワロウテイル」や、ドラマ「私立探偵濱マイク」で種田陽平がつくった街とか
そのようなものと近しいものを感じた。 -
無邪気に簡単に気楽に描いているように見せてあるから、だれでも単純に好きになれるし、だからこそ見逃されやすいとも言える奇妙なバランスで成り立っている。隣ですやすやと眠るあの子の見る夢を知る術がないように、懐かず名付けさせてはくれない世界が拡がっている。
ポエジーとノスタルジアが寄り添う空。過去と未来、彼岸と此岸、時間と空間が溶け合う海。言語とわたしの境界が透過された街。物語の出口を示す標識が至るところに立っているのを横目に、右も左もわからないふりをして迷ってみる。後ろも前もないものと横に並んで手を取り合って。 -
同著者別作の帯にあった「寝しなに見る夢のよう」という表現が本当にぴったりだと感じた。
現実世界とそうでない世界の境目は、気づいていないだけで意外と近くにあるのかもしれない。 -
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はじめてジャケ買いした漫画。
ふにゃふにゃなキャラと、圧のある風景と、もう最高です。続刊買います。天才。 -
本日読了。
まさに「読む水族館」。
でも、海〇館や、須〇水〇園のように、
世界の珍しい魚を観賞する場所ではない。
水音に誘発された半覚醒の浅い夢だとか、
水の香りが呼び覚ます記憶のかけらだとかを投影する、
不思議な水族館。
寺山修司とかつげ義春とか
の世界に近いのかな。
でもさらに夢想的。
こういう作家さん
ほんと商業的にも成功してほしい。 -
【印象】
歩き回れ。研究する。
不思議も思議も見物する。
【類別】
短編集。14編。
不条理やオカルト的ファンタジー、少しSF。
ほんの一部に随筆や紀行も。
【脚本等】
物語としてよりも非現実世界の旅行記、あるいは日記として楽しむ方がよいかもしれません。
校長に関するくだりが好きです。実のない話を延々と聞かされるのって苦痛ですよね。あれ?
【画等】
各編それぞれで描画方法が大きく異なっています。
ロシア街や飛行船に惹かれました。