自閉っ子、こういう風にできてます!

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  • 花風社 (2004年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907725631

自閉っ子、こういう風にできてます!の感想・レビュー・書評

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  • ・最近になって、父親という概念を知った私は、少しずつ彼との関わりを自分から持つようになりました。
    正直に言ってしまうと、それまでの私にとって、彼の存在は「八時になると家を出て行く人で、たまに突然帰ってきては出て行き、“ただいま”と言いながら、夕方六時ごろ帰ってきて、私が宿題している間に寝ているので、私との共演が少ない配役」でしかありませんでした。
    …父にそのことを話すと、かなりショックを受けたようで、しばらく彼はふさぎこんでしまいました。
    これまでの私だったら、「…? いきなり、しょ気た」としか考えられず、しらっと部屋を出て行っただろうと思います。
    でも、私は驚くべき行動に出たのです!
    私はしばらく考えたあと、父に「それは、私があなたの娘で、娘の私が“お父さんの存在の意味が分からない”って言ったから、私とつながっている父親として、しょ気てるの…ですか?」とたずねました。
    要するに、「私の父親だから悲しいの?」と聞いてみたわけです。
    このあたりの気持ちはリサーチ中なので、私も失礼ながら、その場で父に質問返しをしてしまいました。
    彼はふさぎこんでいる最中だというのに。
    すると彼は、「…そう」と答えました。
    びっくりしたことが、ここで二つ。
    今までの彼ならば、憤慨して背中を向けて、私の質問に答えてくれることなどありませんでした。
    でも、今では私が「わからないから聞いている」ということを徐々に覚えてくれているので、一言でも返事をくれる、ということ。
    そして、もうひとつは、自分に対してのびっくりでした。
    私はいったのです。
    「でも、今から“父親”のこと知っていくから、しょ気ないで…」と。
    すると父は、肩を落としたままであっても、コクリとうなずいてくれました。
    自閉傾向の強い娘と、その娘の父親である彼が、ちゃんと意思疎通できた瞬間でした。

    ・一時ニキさんについて、ネット上でほうぼうに書き込んでいた人がいますよね。「ニキ・リンコは実在しない。花風社のでっちあげで、花風社の社長がニキ・リンコを演じている」って。あのときはどう思いました?

    「そうか、私はいないのか」って思ってしまいました。それで、浅見さんから電話がかかってくるのが怖かったです。自分は浅見さんのはずなのにどうして自分から電話がかかるのだろう、って混乱して、浅見さんが出た大学のキャンパスの様子とか思い出そうとしたけれども思い出せなくて、どうしてだろう、って思ったり。

    ・講演に行った先でも、自閉の子どもが「殺す」とか口走って困る、というお母様からの質問を受けたことがあります。そのときも「どこかで聞いた言葉を繰り返しているだけかもしれない」と答えました。一つ問題だなぁと思うのは、多大なストレスを受けて、それを表す言葉が、「殺す」になってしまっている世の中の現状だな、と。

    ・想像力の障害って、不便だけど。「有料放送無料!」とか書いてあると、キャンペーン期間だってわかるまではうろたえるし。ホテルの部屋に入って「お客様のお声をお聞かせ下さい」っていうカードがあると「わーっ」とか叫んで、しばらくして、なんかちがうな、って気づいたりするし。

    ・抗うつ剤(SSRI)をさぼらずに飲んでいるときには、たとえばスーパーに行って同じBGMが繰り返されていたりしてもあまり腹が立たなくなります。

  • とかく「ひきこもり」とごっちゃにされ勝ちな「自閉症」。
    それが全然違うんですよ!というお話を分かりやす~く、1人の「定型発達(健常者のこと)」と、2人の自閉症スペクトラム(※)で対談。

    「コタツやスカートで足が隠れると、“足がなくなる”」(!)
    「雨ニモマケズっていうし、皆も私と同じで“雨が当たると痛い”のかと思っていた」
    「小学校でいじめられてたけど、そういう役なのかと思っていた」
    「定型発達の人がオートマティックにやること(歩く・くしゃみ・唾をのむ)が、意識しないとできない」
    「悪意・ひがんだり、ねたんだりの感情はわからない」

    社会生活は大変そうな自閉症スペクトラムの方々ですが、「畳の目の美しさ」について語る繊細な感性が素晴らしい。定型発達が気付かない美を見つけられる人たちでもある。「生まれ変わってもまた自閉っ子になりたい」と言い切るあり方に惹かれる。

    また、自閉症スペクトラム2人:定型発達1人というバランスが面白いですね。我らが定型発達が少数派にある状況がw

    そういえば、私の友人が、身体障害者の支援施設に実習に行って、こんなことを言っておりました。
    「最初は正直、施設の利用者の人たちが床を這って移動するのが怖かった。
    でも、一週間もすると自分の方がおかしく思えてきた。なんで私は二足歩行なんだろう? 床を這って進まないんだろう?って。」

    う~ん。結局「普通」なんてものは多数決の結果でしかない。
    身につまされる話でありました。友人よありがとう。

      ※自閉症スペクトラム・・・定型発達~自閉症を階段状に示した表にあてはめて、「まさに自閉症」という人たちを表す言葉。「広汎性発達障害」って今思えば分かりにくい言葉だったなあ。

  • あえて評価はナシで。
    発達障害当事者のお二方と定型発達代表の社長さんとの対談形式。
    発達障害当事者の感覚をイメージすると言うには良いのかも知れませんが~…
    『この人たちの感覚とは180度違うよ~そんなの体験したことないよ~』と言うまったくタイプの違う当事者の方もいらっしゃいますので、そこらへん注意です!mokoiも発達障害グレー当事者ですが、ちょっとあまりにも中身がぶっ飛んでてビックリしちゃいました(・。・;

  • 特性がある人の生きづらさを、「社会性」「コミュニケーションのしょうがい」「一点集中型の想像力」だけでなく『身体感覚』という視点から解説。
    「どうしてこんなに困った行動をこの子は取るのかな?」と困っている親御さんにオススメ。医療従事者や支援者も支援・臨床の参考になります。

  • 某非定型発達のご本人の著作を読んで色々考えるところがあったので読んでみた。所々に「へえ」と思うところがあった。

  • (2013.12.15読了)
    職場に変わった子がいて、もしかして…と思って読んでみました。
    程度の差はありますが、思い当たることがたくさんあります。
    やっぱり説得しようとしても無理なんだなぁ、と思いました。
    もう少し優しくできそうな気がします。

  • あまり専門的ではない。自閉症で翻訳家の方が、自身の感じ方や経験をつづっています。

  • 「社会性の障害」「コミュニケーションの障害」「想像の障害」が定型発達の人から見た障害という観点が面白い。当事者たちからすれば、そんなことよりも感覚過敏や身体的な機能不全のほうがつらく、生活していくうえで障害だということに驚いた。

  • 自閉の方の感じ方を少し感じることができた。偏食も、日々異世界のゲテモノが食卓に出ているのをイメージして、苦労を感じた。
    また、社会性の障害といわれる自閉症に、身体の問題もあるということは初耳であった。
    シリーズを続けて読んでいこうと思う。

  • 職場の先輩にお借りした。

    高機能自閉症やアスペルガー症候群のから見た、世間というか世の中が、座談会の形で述べられている。
    目からウロコ…を超えて、石ころでも落ちてきそうな衝撃だった。

    これまで、よかれと思って行った何気ない指導が間違っていたこと。生徒に多大な苦痛を与えていたことを知った。

    このシリーズ、癖になりそう。
    教育関係者にはぜひ目を通していただきたい一冊。

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