小3までに育てたい算数脳

著者 :
  • エッセンシャル出版社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907838263

作品紹介・あらすじ

9歳、10歳ぐらいまでに、ものを考える力、感じる力、
つまり脳の「ソフトウェア」はできあがってしまう、という話はすでに知られているところです。
物事をとことん詰めて考える力、俯瞰に見る力、読解力など総称する「算数脳」も、
実はそのくらいまでの学習方法、子育て方法、遊びによって培われ、小3までの間に形成されてしまうのです。
「ウチの子は百ます計算がとても得意。だから算数は大丈夫なはず」。いいえ、違います。
「算数なんてできなくたって、別に生きていく上でなんの支障もないじゃない」。いいえ、これも違います。
百ますは確かに大切です。しかしこれは基本中の基本であって、難しい文章題を解いたり、図形問題をパッと解ける能力を身につけたことにはなりません。
また、算数脳を身につけ、どんな問題にも応用できるようになるということは、それだけ子どもの人生の選択肢が増えるということなのです。

この本は、5万組以上の親子を見てきた「花まる学習会」代表、高濱正伸先生の本です。
高濱先生は「算数オリンピック」の解説委員もつとめている、「算数のカリスマ」でもある方です。
親として、子どもにどんなしつけをすればよいか、どんな遊びをすればよいか、
どのようにして子どもの勉強に付き合ってあげればよいか、また、どんな言葉を「言ってはいけない」のか、
高濱先生が実際に子どもと接して、自信をもって感じていることを1冊の本にまとめました。
読んでいて、思わずドキッとさせられることもあると思います。
しかし、ぜひ現在子育て中のみなさまには読んでいただきたいと思っています。
算数脳は、わが子が豊かな人生を送るための基礎となるものなのです。

感想・レビュー・書評

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  • 小3までに、見える力と詰める力は、出来上がってしまうとのこと。こうした学びの芽を育てるには、外遊びが非常に大切。夢中になって何かにハマること、イメージ力を高めることが知性となる。
    私としては、母親の在り方として、いつも情緒安定していて、家庭が子供にとって安心できる環境であることが子供の伸びに影響を与えるというくだりが、心に刺さった。気づかないうちに、子供の育ちを阻害していることがあるのではと思い、ドキッとした。

  • 著者の本は何冊か読んでいるので、内容はかなり重複。タイトルの通り「算数」だが、算数はすべての思考の基礎となるという考えに基づく。もちろんそれはその通りで、四則演算ができればよいとか三角関数が人生の役に立たないとかいった情けない算数不要論をキックアウトする気持ちは完全同意。ただ、ここに出てくるほどの「難問」が解けなくても心配ないのではないかなと思う。もちろん解けたらすごいが。それより地道に一歩一歩計算を積み上げていく態度が養えたら、十分社会では通用すると思う。

    以下、気に入った所:
    「何回言ったら分かるの」はNG。往々にしてだんだんヒートアップして「ほら、また間違えてる」
    これを言われてやる気になる子供はいない。

    これはかなり難しい。かなりの人格者でもわが子だとだめだと聞く。
    ※これは私の娘の勉強を見てくれた元・先生も言ってた。わが子には忍耐強く教えられない。

    「だいたいこの前だってそうでしょう」
    お母さんが言いがち。
    ※うんうん、妻が夫に対して言いがち、とも言える

    実は過去を持ち出すというのは、薬物だとかタバコだとかを辞めたい人に失敗させる方法。ヤクザがよく使う手でもある。「おまえ中学の時から不良だったじゃねぇか」

    「バカじゃないの」

    「それじゃ今日だけよ」
    スーパーNGワード。
    幼稚園までは文字も書ければ「わぁすごい」と褒められたのが、小学校からは「トメハネハライ」できちんと書かなければダメだとなる。それで子供が勉強というのはちょっとストレスだなと思ってやりたくないという気分になる。ここで「バシッ」と勉強はするものと押し付けてしまうこと。
    ちなみに失敗してしまった場合は、誕生日や進級をきっかけにする。なるべく儀式的に「今日は話があるんだ」と真顔で。「あなたは今まで宿題をやりたく無い時もあったね。でも今日からは○年生。これからは絶対ちゃんとやると誓ってれる?」今までとは違うということを感じさせるのが大切。

    習い事は後から間に合うものにそれほど必死になる必要があるかなということです。たとえば英会話。英語で「飯を食っている」人たちはたくさんいるが、中一から英語を始めた人は多い。

  • 何度も読み直したい。
    2回読んで、ノート。

  • 今さら外遊びが大事といわれても、もう遅いような気がする。もっと他に伸ばすために出来る事が書かれてたらよかったのに。

  • 外遊びの大切さに共感。自分自身も畑で育ち、毎日木登りして、幼い頃から海、川で遊んで育った。そうした経験から、空間認識力、創造力、危機回避能力など、多くのことを学んだ気がする。それが算数の力にも結びつくことは新しい発見だった。自分の子供にもたくさん外遊びをさせたいと改めて思った。

  • kindle Unlimted。外遊びから空間認識力が育つとか、おもしろい観点だとは思うけど、基本的には筆者の思いがわかりやすく書かれている部類の、読みやすい本。根拠は弱い。共感する人はもともとそういう考えに親和性が高い人なのかもしれない(私も共感する部分はある)。
    ただ、こういう教育本は、無自覚に差別的で、時々読んでいてしんどくなる。
    この本は特に、「お父さん」「お母さん」の社会的性別役割分担に対して無批判すぎる。現状、そういうご家庭と関わることが多い職業ではあるんやろうけど、なぜそうなのか、そこで苦しんでいる人たちはいないのか、というちょっとした配慮が見えないから、読んでいてしんどい。そして、その背後に透けて見える筆者の男尊女卑の精神。なんていうか、古臭い、ステレオタイプの家庭観。
    いくらすぐれた算数脳でも、こんな価値観の人に育って欲しくないなと思ってしまう…

    あと、子どものこと尊重しているようでいて、本当に一人の人間として見ているのかも疑問。

    こういう書き方が届く読者層はいるんやろうけど。
    本書の主旨とは別のところで疲れる読書体験だった…

  • 前半の、小3までが境目という力の説明はとても細かく、納得なのだけれど、それを育てるための方法論がやや弱い。外遊びが大切というのは分かる分かるが、外遊びをたくさんしていても算数が苦手な子は山ほどいる。何が足りないのだろうと、やや物足りない内容だった。

  • 詰まるところ、○○式などの幼児教育は、本当に必要な算数脳を鍛えることにはならず、それに一番よいのは外遊び、ということ。

    ぱっと30分で読了。納得しながら読んだ。

    そうか、子供に早期教育に躍起になる必要はないんだな!と思ったけど、あれ?外遊びに必死になってた私って算数脳鍛えられてたのかなぁ?それとも外遊びの仕方間違えてた?とも思ったり。

    まぁ、お金を積めば舞台には上がれるけど、舞台で主役を握れるのはもう才能しかない。

    才能はちょっとやそっと数年小学生の時に勉強したところで伸びるものではなく、それまでに培われた生活環境や思考により開花するもの、なんだね。

  •  子供時代には外で思いっきり遊ばせるというのは賛成だがそれをすれば頭が良くなるとはどうも同意しかねる。

     ならば、おおかたはその範疇には入らない、だが著者はその学生を集めて教えている。

     いったい何が正しくて間違いなのか良く分からなくなる一冊である。

  • 図書館

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著者プロフィール

高濱正伸(たかはま まさのぶ):
花まる学習会代表。1959年、熊本生まれ。東京大学農学部・同大学院修了。
学生時代から予備校等で受験生を指導する中、学力の伸び悩み・人間関係での挫折と引きこもり傾向などの諸問題が、幼児期・児童期の環境と体験に基づいていると確信。1993年、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立(現在は年中〜中学生)。2015年より、佐賀県武雄市で官民一体型学校を開始。著書多数。

「2022年 『マンガとクイズでまるごと覚える!47都道府県地理カード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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