親のための新しい音楽の教科書

著者 :
  • サボテン書房
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本棚登録 : 63
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908040009

感想・レビュー・書評

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  • 筆で字を書けなくしてしまったのは 誰だ
    絵を描けなくしてしまったのは 誰だ
    そして
    歌を歌えなくしてしまったのは 誰だ

    ずっと 気がかりだった素朴な疑問です

    いろんな方が
    「明治」以降という視点を
    据えて論じておられる
    言語学者、哲学者、教育学者…

    明治以前、
    「学問」という言葉は
    その概念がなかった
    存在しない言葉だった
    むろん
    「音楽」も然り

    その「西洋音楽」という
    急ごしらえの「音楽」概念の
    輸入の話から解きほぐされていく

    それぞれの章が
    たまらなく刺激的で
    なんども
    「なるほど!」を
    連発してしまった

  • なんだかね、ワクワクするのです、この本。徒然舎さんで見かけてパラパラと開いてみてう〜ん、音楽の教科書なんだけどまったく楽譜が載っていないのです!不思議だなぁ、と思いながらもつい購入してしまいました。まだ今は積ん読だけど、いつかまとまった時間をあてて読んでみたいな、と思います。

    購入してから1ヶ月ほどかかりましたが、読み切りました。素晴らしい。僕には音楽の難しいこともわからないし、音楽の特別な技量もナニもないのですが、この本を読んでいて、派生的に調べた言葉が自分にしっくり来る感じもあって、読んでよかったな、という実感を持っています。

    これは前にも買いたけれど、楽譜、音符と言うものがまったく書かれていない音楽の教科書です。音楽って素晴らしいものだと僕は受け止めているけれど、僕の受け止めている素晴らしさっていうのは結構表層的なことだったり形式的なことだったりして、形にできない良さのようなものを僕は今まできちんと実感できていなかったように思います。難しい言葉に置き換えることばかりが良いこととは思いませんし、その点では哲学・思想学的な基礎知識・基本用語がわかっていないとナンノコッチャ?ということになってしまいそうな本ではあります。だけど、分からない言葉を自分なりに調べながらでも読む意味があったんじゃないかな、と今は思っています。

    音楽って、特に形にならないもの、形のないもの何じゃないかな、と思うのです。だからこそ、こういう教科書を、「音楽が好きだ」と思っている人こそが読むべきだろうと思うのでした。親のための、と書かれているけれど、「音楽を好きだと思っている人のための」と置き換えてもいいんじゃないかな?とすら思っています。

    音楽を好まれる方には必読の書ではないかと思います。

著者プロフィール

1948年、東京生まれ、大阪育ち。現在は京都在住。1976年、東京芸術大学大学院音楽研究科作曲専攻修了。広島大学教育学部教授、神戸大学大学院発達科学研究科教授を経て、現在、神戸大学名誉特任教授および広島大学名誉教授。専門は臨床音楽学。主な著書に『奏でることの力』(春秋社)、『音楽療法を考える』(音楽之友社)、『親のための新しい音楽の教科書』(サボテン書房)。訳書にマーティン・クレイトン他『音楽のカルチュラル・スタディーズ』(アルテスパブリッシング)、デイヴィッド・グラブス『レコードは風景をだいなしにする』(フィルムアート社)、『フリープレイ―人生と芸術におけるインプロヴィゼーション』(フィルムアート社)などがある。

「2017年 『サステナブル・ミュージック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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