きょうは、おおかみ

  • きじとら出版
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本棚登録 : 164
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908214011

作品紹介・あらすじ

あるひ、いもうとのバージニアはめがさめると、おおかみみたいにむしゃくしゃしてた。おおかみみたいにぐるるる、がるるる。おおかみみたいなことをする。おちこんで、もうふにもぐったきりのバージニア。いもうとをげんきにしたいバネッサは、えのぐばこをとりだします。バージニアのこころのにわに、きれいなはなはさくのでしょうか?ゆううつな妹と、ほがらかな姉-想像力あふれる姉妹の物語。第20回いたばし国際絵本翻訳大賞・英語部門、カナダ総督文学賞児童書部門受賞!

感想・レビュー・書評

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  • やるせない怒りをぶちまけたようなお話、なかなかこういう絵本は珍しいのではないでしょうか?
    実話に基づいたストーリーということで、さらにビックリ。だからこそのリアリティ。
    「いえがしずむ。ひっくりかえって。ひかりがきえる。こころがかげる。」
    どうしようもなくイライラモヤモヤする年頃や時期ってありますよね。とても共感できる絵本でした。
    そんな世の中のバージニア全員に、バネッサねえさんのように優しく気長に寄り添ってくれる人がいればいいね。
    2015年お気に入り。

  • 今日の妹はオオカミのよう。荒れ狂ったり、吠えたり、布団にこもって誰とも話そうとしなかったり。そんなオオカミ妹にお姉ちゃんは(自分もお気に入りの服にイチャモンをつけられる被害にあってるのに!)寄り添ってあげます。心が広い!妹もちょっとお話しする気分になったようで、お姉ちゃんに自分の望みを言います。ブルームズベリーに飛んで行きたいって。ブルームズベリーって、どんなところ? どうもこの世に実在しないみたいなのですが、お姉ちゃんはなんと、妹の願いを叶える方法を思いつきます。この方法が素敵、絵本ならではの楽しさですね〜。

    日によってきょうはオオカミ寄りだな、きょうはお姉ちゃん寄りかも、と自分の気分チェックができそう。

  • バネッサお姉ちゃんの描く絵と色彩が素敵。
    わたしもおおかみ気分の時は思う存分ガルガルして、お姉ちゃんに絵を描いて欲しいな。

  • イギリスの作家バージニア・ウルフと姉で画家のバネッサ・ベルをモデルとして描かれたお話です
    Woolf(名前の綴り)とWolf(オオカミ)をかけているのかなと思います

    バージニア・ウルフは、生涯にわたり精神の不安定さに悩まされましたが
    うつや気分の波が激しい生活の中でも、創作活動は熱心に取り組んでいたということです

    その助けになったのが、姉のバネッサとされています

    病気の家族がいる生活というのは、本人ももちろん辛いでしょうが、家族や周りの人も辛く大変なものです

    元気になってもらいたい気持ちと、それをプレッシャーに感じたらどうしようかという心配な気持ちを抱えるのではないでしょうか

    病気ではなくても、思春期の頃は精神的に不安定になることはよくありますよね

    そんな時、周りにどうして欲しかったか?と考えてみると
    同情や心配よりも、ただ寄り添ってもらいたかったように思います

    ただ話を聞いてもらったり、普通の生活をして普通に接してもらうのが一番嬉しかった気がします

    悩みごとや心の内を話すことは、なかなか難しいことです
    信頼している人や、心を許せる人にしか出来ない行為です

    話てもらった方は、悩みを解決しなければとアドバイスしようとしてしまいますが
    答えは、本人の中にあることなので
    ただ聞くことで既に役割を果たしているんです

    ただ聞くこと、ただ寄り添うことが一番の手助けなるのではないかなと私は思っています

  • 妹のバージニアは朝から機嫌が悪い。ナニがおおかみなのかな?流れが分からないままでした。

  • そんな気分の時あるね。でも優しくてパワフルな姉の描く絵の素晴らしさ。妹のオオカミ気分も消えちゃうね。姉妹っていいな。

  • 不思議??っと思いながら、なるほど
    かわいいオオカミちゃん。絵が優しくて心地よい。
    絵って大事。

  • キョウ・マクレア (著), イザベル・アーセノー (イラスト), 小島 明子 (翻訳)

    "Virginia Woolf"へ

  • おしゃれな可愛らしい女の子の絵本。
    黒いシルエットのオオカミは、ご機嫌ななめ。
    きょうだいっていいなー。と思いました。

  • 大人向けの絵本、という印象。自分の気持ちをコントロール出来なくなっちゃった妹を元気にしたくて、絵の具で絵を描くおねえちゃん。
    詩的な文章と、カラーと黒のメリハリの効いた絵が美しい絵本。
    ヴァージニア・ウルフとその姉のバネッサがモチーフだそう。それを知らなくても素敵な本だけど、最近ヴァージニア・ウルフに興味があるのでより面白かった。

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著者プロフィール

1970年、英国生まれのカナダ人作家。トロント大学で美術を学び、文化研究の分野で修士号を取得。小説家、美術批評家としても評価が高く、2010年に初めて絵本の文章を手掛けた。2作目の絵本作品である本書が初の邦訳。英国人の父と日本人の母をもつ。

「2015年 『きょうは、おおかみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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