- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784915237744
作品紹介・あらすじ
政治家一門の4代目である航太郎は、日本のトップ大学を卒業後、アメリカでMBA取得の超秀才サラブレッド。意気揚々と衆議院選に出馬するが、結果は大惨敗。失意の浪人生活をおくる彼が書斎で見つけたのは、名宰相の誉れ高い祖父・紀之彦の日記だった…!さらに航太郎の目の前に、日希ハーフの超絶美女が現れる。「人間はあらゆる規制から解き放たれて、自由に生きるのが一番幸せなのよ!」と言い放つ、ガチガチの新自由主義者のソフィア。彼女の到来により、航太郎の運命の歯車が、再び動き始める…。
感想・レビュー・書評
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非常にギリシャを詳しく描写し、現在、ギリシャが落ちって経済、政治問題を論じながら、日本のこれからの政策についても問題点と提言をしている。現在のグローバリゼーションの欠点を余すことなく披瀝している点に共感を覚える。
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経済についての学びという意味ではこの形で面白くためになった。小説という観点からは終わりがすっきりしなかった。一応はハッピーエンドなのだろうけれども、一度期待させておいて落とし、そして最初の期待の所までまた戻らせても、読者としてはプラスマイナスゼロ以下の気分。期待が裏切られた期間が長い分不愉快だった。
学びの面でためになったところは、新古典主義について詳しく知れた事。グローバリズムのもてはやされ方は、私も主人公らが感じた事と同じように感じたが、何が悪いのかがこの小説ではっきりと見えたと思う。
「新古典主義にしても共産主義にしても、社会制度構築という点では同じ」という言葉にははっとさせられた。(P177)
著者は「誇りを失った日本人が一番この国をダメにした」と登場人物に言わせている。深く頷いた。(P215)
小説の体裁という面で難があると思ったので星三つ。 -
ギリシャの神話や歴史については私の興味がそこまで
至っていないせいもあり、あまり頭に入ってこなかったのですが、
ギリシャの経済破綻やユーロの問題についてはわかりやすかったです。
日本もあまり流行気分でグローバリズムに走ると道を誤りますよ、
ちゃんとしっかりとした国家観を持ちましょうね、
というメッセージを感じました。
法律や規則や国境をなくして自由競争をする社会なんて、
そんな弱肉強食市場を勝ち残れる人ばかりじゃないのに。
もしかしたら負けるってことを想定してないのかな?
負けても自己責任で何とかできる?
私は無理。そういう競争を勝ち抜けるほどタフじゃないので、
あっさり脱落だな。
恋愛要素はいらないと思いましたが、読みやすくするためだろうし、
恋愛くらい甘い夢をってことかな?
主人公は外見も良く秀才で、ヒロインは絶世の美女。
そんな設定が鼻につく。現実味がない。
もっと普通っぽい人の設定でいいじゃない。
そして最後の一文。ソフィアは断っておきながら、どうして
当たり前に待っててもらえてると思っているの?美女だから?
この部分、「ソフィア、ごめん。もういいんだ。実はもう
△$♪×¥●&%#?!」と私の脳内で書き換えておきました。
・・・そんなところに私もいちいち突っかからないで、
軽く読み流しておけばいいのに、意地悪な私。 -
前の2作も読みたくなった。
ここに書かれている事が実際に起きるのか?照らし合わせると面白い。 -
面白かった。
ギリシャについて、少しだけ知ることができた。
歴史や民族文化の価値を考えた。
後半のソフィアの演説で泣きそうになった。
少々、ギリシャの説明が長いかなと。
あの説明量ならもう少し、航太郎とソフィアのやり取りを増やして欲しかった。
航太郎とソフィアの恋物語がもっと読みたい! -
小説としてはどうかと思うが、間に入っている経済の解説がおもしろく読める。一種の啓蒙小説ではある。
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テーマを盛りすぎかな。
政治、ギリシャ問題、経済、歴史、神話、グローバルと自国愛、ハーフの美少女と、もう盛り沢山すぎてとっ散らかった印象です。
何か一本軸があった方が良かった気がします。
まー、全体的には面白いとは思いますが、解説や歴史や説明が堅くて、流れを壊してしまってる感じがしました。
(ギリシャの歴史には興味なかったので、ほぼ読み飛ばし)
とはいえ、娯楽作品としてはそれなりです。
三橋ファンでギリシャに興味がある人にはオススメです。 -
昨今日本を席巻しているグローバル主義、新自由主義の真実を小説を用いて具体的に且つ明快に表す本。これを読むと今の日本がいかに危ういところにきているか分かり非常に恐ろしくなる。日本人の政治に対する無関心が日本を壊している事に全日本人は早く気づくべき!
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若手政治家候補とギリシアからの留学生のツンデレ交流を通じて、グローバリゼーション、新自由主義を修正するお話。ひねりがあるわけではないですが、節々に国家とは何か、ということを盛り込んできます。ただ国粋主義に振ろうというのではなくて、ギリシアの宗教観と日本の、いわゆる融通無碍な宗教観を比較しつつ、真ん中ぐらいに落とし所を…ということか。
日本の在り方に多様な意見があるように、ギリシアの状態にも本来多様な意見があってよいのかな、とも思うのだけど、不勉強につき真実はわかりません。
ところで、政治家は出てくるが、あまり政治の話ではない。意見をぶつけあうことなく、いつも同じひとことで乗り切る人の影が、現実にも作品にもちらつくなあ…。 -
反則だ!(笑)