ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻 上下巻2冊セット(5)

  • 静山社
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  • Amazon.co.jp ・本 (1368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784915512513

作品紹介・あらすじ

復活したヴォルデモートとの戦いはいつ始まるのか?ハリーにはなんの知らせも来ない。そして突然ハリーは吸魂鬼に襲われる。「不死鳥の騎士団」に助けだされたハリーは、「騎士団」が何か重大な秘密を守っていることを知る。新学期が始まり、恐ろしい新任教授アンブリッジと黒い扉の夢に悩まされ続けるハリーに、チョウ・チャンが微笑みかける…。

感想・レビュー・書評

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  • 20年ぶりに読了。思ったより児童書だったけどやっぱりサイコーにおもしろい。
    当時イメージできなかった神秘部のシーン、急に増える騎士団のメンバーと死喰い人たちは、映画のお陰でだいぶ補完されました。
    この巻からところどころ記憶が曖昧になってるけど、重要シーンはやっば覚えてる。記憶ゼロの状態でまた読めたらいいのにと思わずにはいられない。

  • 今回は終始「怒り」がテーマだったように思う。
    とにかく今回のハリーはエゴが前面に出ていて、なんとダンブルドアまでにも歯向かうことになる。

    この辺はこのシリーズの隠された仕掛けが見えてきたような感じもするのだが、逆に云えばお行儀のいい主人公を据えるよりも、こうした現代の15歳の子供が見せる傲慢さをきちんと描く作者の姿勢に感心する。

    とにかく今回は先の読めない展開だった。
    それというのも今まで物語には主軸となるテーマ―賢者の石、秘密の部屋、脱走した囚人、三校対抗試合―があったのだが、今回はヴォルデモートが復活したものの、語られるのは魔法省のホグワーツ校に対する圧制の連続で、ハグリットもいなく、そしてクィディッチすらハリーから取り上げるという設定!一貫していたのはハリーの謎めいた夢のことである。
    今までのシリーズの定型を壊す物語の運び方で、こういうプロットだと作者のストーリーテリングの技量が試されるのだが、この作者は色々なロジックを仕掛けており、ところどころで目から鱗が落ちる思いをさせてくれた。

    まず一番印象に残ったのは、ハーマイオニーの知略の冴え。
    憎きアンブリッジを出し抜くための数々の謀略の見事さには舌を巻いた。特に魔法省に黙殺されていたヴォルデモートの復活に対して、ゴシップ紙「ザ・クィブラー」にわざとハリーのインタビューを載せて、アンブリッジに「ザ・クィブラー」禁止令を出させた時の、「記事を読んだ事を認めることが出来ないがためにヴォルデモートの復活に対するハリーの意見に反論できない」という論理などはチェスタトンの逆説を髣髴させるほどだ。

    他にはセストラルという動物がなぜ特定の人物しか見えなく、さらに今までハリーの目に見えなかった理由にも驚いた。こういう細かい仕掛けがこの作者は本当に上手いと思う。

    そしてシリーズの後半に差し掛かった本書でも大きな別れがあった。今まで愉快なサブキャラとして物語に彩りを加えていた双子のフレッド&ジョージ・ウィーズリー兄弟の退学、それとシリウスの死。そして敵役であったマルフォイ親子がもはや敵として眼前に出てきた事も物語が佳境に近づいている事を気付かせてくれた。

    今までこのシリーズの読者が抱いていた「ダンブルドアはハリーをひいきしていないか?」という疑問に今回はきちんと明示して答えているのが驚いた。また前作の感想でハリーを特別扱いする件について理由を示した事を書いたが、今作ではさらに突っ込んで、作者が意識的にハリーに英雄癖(物語中では「人助け癖」と語られている)があることをハーマイオニーの口から指摘しているのも斬新だ。
    これで前回以上にハリーを特別な人物として描いていた事が自覚的であることを示唆し、またこれをハリーが過ちを犯すファクターとしているのも興味深い。
    こういうシリーズで主人公がトラブルに陥る(首を突っ込む?)のは常套手段であるのだが、こんな風にあからさまに登場人物の口から提示するのを見た(読んだ)初めてだ。

    かてて加えてハリーの父親が聖人君子、ヒーローの如く描かれておらず、むしろ自分の魔法使いとしての優れた資質を鼻にかけた嫌な人物として描いた事にも驚かされた。それを息子であるハリーに見させて、アイデンティティーを喪失させるなどは、現実の思春期を迎えた青少年・少女が直面する苦悩を用意させ、単なる娯楽読み物として終わらせていない。
    こういった細かいエピソードを筆惜しみをせずに書くこの作家が単なるファンタジー作家と一線を画していると強く感じた。

  • 面白かった!!!前作の炎のゴブレットは私的イマイチだったのでハリーポッター熱が冷めてきたか…と思ったけど復活!!神秘部でのハラハラがたまらない!!

    iPhoneのSiriで「アクシオ〇〇」とアクシオの後にアプリの名を呼びかけるとそのアプリを起動します。
    英語版のSiriにすればルーモスで光をつけることもできるそうです
    誰かに知らせたくてたまらないけど今更ハリーポッターハマってるの周りで私だけだからなかなか話題に出せず。ここで欲ぶちかまし

    • Bücherwürmchenさん
      出来ました!noxで消せるのも感動ですね!ありがとうございます
      出来ました!noxで消せるのも感動ですね!ありがとうございます
      2022/08/27
  • 個人としてはシリーズで最も読み進めるのに勇気が必要になる作品。

    両親を幼い頃に亡くし、育てられた親戚たちからはまともな愛を受けずに生きてきたハリー。
    そんなハリーに、両親に近い家族の繋がりを感じる存在が出てきます。それが名付け親のシリウス。

    濡れ衣により指名手配中の彼と会うことは中々できず、基本は手紙が彼との繋がりでした。そんな中でも二人は着実に家族の絆を深めていました。(以下ネタバレ)

    不死鳥の騎士団本部として、シリウスは相続した屋敷を提供。
    親友のルーピンや犬猿の仲のスネイプらがヴォルデモートに対抗すべく動き回る中、指名手配中のため屋敷から出られない自分にもどかしさを感じていたシリウス。
    (ハリーの出発を見送るために外に出て嬉しそうにはしゃぐ犬に扮したシリウスは愛らしかったな…)

    終盤、ヴォルデモートの策略でシリウスの身が危ないと思ったハリーは魔法省の神秘部へ行ってしまいます。急いでそれを追いかけるシリウスら騎士団。
    急遽ヴォルデモートたちとの戦闘が始まり、その中でシリウスはレストレンジの呪文を受け、神秘部にあったアーチの中に消えてしまいます。
    その後ダンブルドアも参戦し、魔法省の役員たちがヴォルデモートを見たことで世間がやっと例のあの人が戻ってきたことを信じることになります。

    まさかのシリウスの死というショッキングな出来事。それだけでも耐えられないほど悲しいのに、シリウスの身体はアーチに吸い込まれたのでもう彼を抱きしめることも顔を見ることもできません。
    ハリーにとって唯一の家族に近い繋がりを感じていたシリウスを失った絶望ははかり知れません…。

    ホグワーツでの1年を終え身支度をしているときに、ハリーは出発の時にシリウスに連絡手段に使ってくれともらった包みを見つけます。
    中に入っていたのは両面鏡でした。それに向かって話しかけると対の鏡を持った人と会話ができるのです。
    また会えるかもしれないという期待が膨らみ、鏡に向かってシリウスと声をかけます。しかし、鏡からの返事はありません。
    ゴーストになって戻ってくるなどシリウスと再会する望みを捨てられなかったハリー。
    何も映らない鏡を見て、シリウスの死を再実感するシーンは最も印象的で心が痛むシーンでした。

    アーチの中に消えるという別れ方をしたため最初死を実感しにくかったのもあり、本当に辛い別れでした…。


    シリウスが大好きだからこそ1番思い入れがあって、1番読み進めるのが怖くなる作品です。
    必要なことだったのかもしれないけど、何回読んでもシリウスの死が受け入れられないので星4です。


    賢者の石から愛というものをテーマに描かれているハリーシリーズ。本作はそんな愛した人を失うことの辛さを描いた作品だと思います。

    自分の周りにいる人たちを改めて大切にしていきたいと思える本作でした。  

  • 「いやあ、大臣。私は、ダンブルドアとはいろいろな点で意見が合わないのだが…しかし、あの人は、とにかく粋ですよ…」
    ーフィニアス・ナイジェラス


    双子のショーはカッコイイ。
    しかし、この巻のマクゴナガル先生は
    最高にカッコイイ!ことに気づいた。

  • 再読でもアンブリッジは厭な感じだった。そしてシリウスの身に起きることの衝撃度も変わらない。まさか!普通こんな重要人物の場合、もっとドラマチックにくどくどしいくらいにいろいろ引っ張るのが定石ではなかったっけ、、、これだけ???ホントに???と、茫然となってしまうのでありました。前作で少し出て来ていた魔法省が、この作品では全編を通して大きな意味を持ってきます。単なる良い人そうだったファッジの本性が容赦なく描かれているところや、アンブリッジの厭らしさがこれでもかと語られるあたりは、現実社会のあれこれの歪みやひずみを映し出す鏡のようで、もはや児童文学の枠には収まりきらない感もあります。それでも圧倒的絶対的に面白いところがこのシリーズのすごいところ。そしてネビルとルーナがとてもいい。前作まではある程度限られた範囲の場所のことが描かれていましたが、今回はホグワーツだけでなく騎士団の本部や魔法省と、描かれる場所が広がるやら、先生や生徒以外に魔法省の役人や騎士団のメンバーなど、重要人物も爆発的に増えているので、物語も奥行きと幅を広げ、ダイナミックに動いてゆきます。その大きく派手なうねりに置いていかれがちな細かい疑問や不満は、ダンブルドアとハリーが校長室で話をする最後の場面で、綺麗に解消されます。ほんの少し、説明のための説明っぽさもありつつ、そもそもはダンブルドアが学年の最後にやっとハリーと向き合いこれまで無視していたことやら何やら全てを説明する、という設定なので、それさえも自然なことなのでありました。いよいよあと2作品。作品としてはあと2つだけれど、ページ数としてはまだまだあるので、今のペースなら、今年いっぱいくらいは楽しんで読めそうです。

  • 駄目だっつてんのにやるハリー。
    結果オーライなのがなんか嫌だ。
    ラストに向かって一気に走り出し始めた。
    残り2冊で終了なのかな?

    作者も訳者も頑張れ。

  • これはこれは重要な巻です。

    全7作の前半がここで終了といえるでしょう。

    ハリーとヴォルデモードが関係がはっきりします。
    これ以降は対決がさらにすすむことでしょう。

    しかし、しかし、
    なんとハリーのむかつくことが、
    こんなにも主人公にむかつくものでしょうか(笑

    15歳の設定です。
    こんなにワガママで自意識過剰なものでしょうか。

    たしかに、世界一注目される魔法使いですが、
    これはいただけません(笑)


    今回は多くの登場人物がわがままです(笑)


    その一方でハリーはとてもつらい生活になります。
    真実を語っているのに誰にも信用してもらえないということです。

    これはつらい、
    とてもつらい、
    耐えて行けたのは、やはり仲間の存在でしょう。

    しかし、つらい。


    とてもよくあることです。
    なんとメディアの権威のあることでしょうか。


    さすがに15歳でこの重圧は苦しいものでしょう。

    それは30歳でも40歳でもつらいものです(笑

    原作最長の5巻です。
    そりゃぁ映画だけではわからんわ(笑

    本は本がいいね。

  • 上巻はモヤモヤして始まりモヤモヤして終わりましたが、
    下巻は最初はモヤモヤしてましたが、
    なんとか最後は納得いく形に落ち着いてよかったです
    モヤモヤしつつもハリーに新しい仲間が増えたり、悪にみんなで立ち向かうシーンは胸が熱くなりました

    思春期のハリーは見ててすごくハラハラするので
    これからどうやって成長していくのか気になります

  •  何度読んでもベールの向こう側に倒れた彼と、ハリーの運命、ダンブルドアの告白に涙する。終盤に至るまではアンブリッジの悪行に怒り、沸点の低くなった思春期ハリーに振り回され心が疲弊する5巻だが、双子の痛快な大活躍(特にピーブズの敬礼!)に救われる。私の推し・ネビルにどんどんスポットが当たってきて、愛しさが溢れ出る。偉大で絶対的安心感を与えてくれるダンブルドアもちゃんと1人の人間であるということがわかり、物語にグッと深みを生んでいると感じる。
     ハーマイオニー然り、ジニー然り、やはり女の子の方が早熟だが、チョウ・チャンはちょっといただけない。気持ちもわからんでもないし、10代だから悲劇のヒロインになりきるのはわかるが、女の嫌らしさが全開で好きになれないキャラ。

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著者プロフィール

J.K.ローリングは、記録的ベストセラーであり多数の賞を獲得した「ハリー・ポッター」シリーズの著者。世界中で愛読された本シリーズは、これまで累計5億部以上を売り上げ、80カ国語に翻訳された。8部作の映画は大ヒットを記録。著者は『幻の動物とその生息地』に着想を得て、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の脚本を執筆。この作品を皮切りとして、5部作の映画シリーズの公開が始まった。J.K.ローリングはまた、『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部』の舞台も手掛けている。この作品は、2016年夏にロンドンのウェストエンドで初演され、2018年春にはブロードウェーでも上演された。2012年、J.K.ローリングはウェブサイト〈ポッターモア〉を開設。このサイトでは様々なコンテンツや記事、J.K.ローリングによる書下ろし作品を楽しむことができる。他、一般書『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』を執筆したほか、ロバート・ガルブレイスのペンネームで犯罪小説を発表している。これまで、大英帝国勲章、レジオンドヌール勲章、ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞など、いくつもの賞を受賞してきた。

「2020年 『イッカボッグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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