ヴェーバー・トレルチ・イェリネック: ハイデルベルクにおけるアングロサクソン研究の伝統

  • 聖学院大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784915832451

作品紹介・あらすじ

ヨーロッパ近代の問題を理解する際に欠かすことのできない文献としてヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』,トレルチ『近代世界の成立におけるプロテスタンティズムの意義』,イェリネック『人権宣言論争』がある.それらは,分野やアプローチは異なるものの,アングロサクソン世界に展開したプロテスタンティズムの意義に注目している.本書は,この主題で開催された国際シンポジウムの記録を編集したものである.

感想・レビュー・書評

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  • ドイツ西南のハイデルベルクは、中央から離れていたこともあり、アングロサクソン文化に対する関心が高かった。このほぼ同時期に活躍した学者たちは専門こそ違えども、同じく祖国ドイツの社会的後進性を嘆き、英米型のデモクラシーに関心を寄せた。そのデモクラシーを支える宗教的根底は、コンスタンティヌス主義(国教・領邦教会主義)を抜けきれていないカトリックやルター派ではなくカルヴィニズム、なかんずくアナバプティズムの自由教会制に傾斜した新カルヴィニズムであった。彼ら三人はそれぞれの視点でこの問題に取り組んだのであるが、大きく新カルヴィニズムに立つ日本の教会が学ぶべきことは多いだろう。その点でこの本はよい導入になると思われる。

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著者プロフィール

1964年生まれ。アウクスブルク大学哲学・社会学部博士課程修了。Dr. Phil.(アウクスブルク大学)、博士(文学)(京都大学)。現在、金城学院大学人間科学部教授。著書『超越と認識』(創文社)、『十九世紀のドイツ・プロテスタンティズム』(教文館)、『ヴァイマールの聖なる政治的精神』(岩波書店)、『思想としての編集者』『神学の起源──社会における機能』(新教出版社)、Paul Tillich: Journey to Japan in 1960(Tillich Research 4、 de Gruyter: Berlin 2013)ほか、訳書にシュライアマハー『宗教について』(春秋社)、『アーレントとティリッヒ』(法政大学出版局)ほか多数。

「2014年 『ティリッヒとフランクフルト学派』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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