ヴェーバー・トレルチ・イェリネック: ハイデルベルクにおけるアングロサクソン研究の伝統
- 聖学院大学出版会 (2001年12月1日発売)
本棚登録 : 3人
感想 : 1件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784915832451
作品紹介・あらすじ
ヨーロッパ近代の問題を理解する際に欠かすことのできない文献としてヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』,トレルチ『近代世界の成立におけるプロテスタンティズムの意義』,イェリネック『人権宣言論争』がある.それらは,分野やアプローチは異なるものの,アングロサクソン世界に展開したプロテスタンティズムの意義に注目している.本書は,この主題で開催された国際シンポジウムの記録を編集したものである.
感想・レビュー・書評
-
ドイツ西南のハイデルベルクは、中央から離れていたこともあり、アングロサクソン文化に対する関心が高かった。このほぼ同時期に活躍した学者たちは専門こそ違えども、同じく祖国ドイツの社会的後進性を嘆き、英米型のデモクラシーに関心を寄せた。そのデモクラシーを支える宗教的根底は、コンスタンティヌス主義(国教・領邦教会主義)を抜けきれていないカトリックやルター派ではなくカルヴィニズム、なかんずくアナバプティズムの自由教会制に傾斜した新カルヴィニズムであった。彼ら三人はそれぞれの視点でこの問題に取り組んだのであるが、大きく新カルヴィニズムに立つ日本の教会が学ぶべきことは多いだろう。その点でこの本はよい導入になると思われる。
詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示