- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784915933110
感想・レビュー・書評
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おすすめ度:90点
題名も、そして表紙も「ド派手な」異色本。
だが読み易いながらも中身はいたって、真面目である。
なぜ、今の金融危機が生じたのかを、資本主義そのものを解説しつつ、米国の歴史から紐解いている。
それは、歴史の中から生まれたのであり、決してサブプライム問題から単純に生じた訳ではない。
氏は、間接金融が主流である日本的金融や系列、終身雇用や年功序列といった日本的経営、運命共同体的組織を高く評価している。
日本の一番の富の実体は生産力で、そこには非常に優れた技術が存在する。さらに労働力の質も高い。
昨今、アメリカ式経営が日本式経営にもいわば外圧的に取り組まれてきたが、氏の述べるとおり、日本的経営を再評価すべきときであり、また、むしろ自信をもってそのモデルを輸出すべきなのだろう。
最終章で“衝撃的な”新通貨アメロについて述べているが、確かにこれは、オバマ政権にとって秘策中の秘策といえるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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マルクス主義者流に言えば、日本は資本主義の矛盾をアメリカに輸出してきたというわけ。122
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スミスは単に利己主義で、自分の利益だけ追求すればいい、ということを言っていたわけじゃないんだ。キリスト教的な倫理・道徳観がちゃんと内面化して、嘘をつかないで約束を守る人。借りたカネはきちんと返しますという人たちが集まったときに、みんなで自分の利益を追求すれば、社会全体の富が増えていくと言ったわけだよ。129
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現代産業社会で一番大事な「モノ」である石油をドルでしか買えないというしくみ、それが「ドル=石油本位制」なんだ。石油を唯一買える通貨がドル。ドル建てでしか買えないというので、アメリカはドルの世界における必要量をメチャメチャ増やしたんだ。145
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信じられないほど誤字が目立つが、国際経済を知る上で見事な教科書たり得る一冊となっている。意図的に保守を気取っているため、「シナ」という表記もあるが無視して宜しい。保守派というのはおしなべてデリカシーに欠けているものだ。そうでなければ保守など務まらない。
<a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20090923/p3" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20090923/p3</a> -
アメリカの過剰消費と製造業の没落
オフショア市場におけるアングラマネーの規制強化による海外からの流入資金の枯渇
個人の過剰消費から政府の過剰消費へ
生産力ダウン→スタグフレーションとドル安
東南アジア・南アジア・内陸アジア(ウラル・アルタイ語圏)との連携
政府発行通貨、日銀の国債引き受け、超長期債の発行
国富=生産力→政財官の協力
ユダヤ金融+日本の製造業
水と農業のテクノロジー