デットIR: 新時代の戦略財務

著者 :
  • シグマベイスキヤピタル
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784916106780

感想・レビュー・書評

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  • 日本ではかつてのメインバンク制の名残と近時の法規制の弾力化で発展し始めつつあるデットのストラクチャード・ファイナンスというトレンドからか、エクイティに比べてデットに関するIRという視点がまだまだ根付いていないという現状に対して、コーポレート・ファイナンスについての基本的な議論から掘り起こしおりますので、優れたコーポレート・ファイナンスの入門書となっていると同時に、現状の日本の金融システムの問題点を鋭く指摘しています。また、一般論としてのデットIRの重要性の主張に頷ける部分が多いというだけでなく、むしろデット・ファイナンスしか頼ることのできない中小企業への言及は、実際の実務への目配りを感じさせる記述が随所に滲み出ています。経営者を含む企業の資金担当者は一読をオススメします。

  • 最初のほうは結構オーソドックスな内容。出版年月がちょっと古いということもあってエンロンのインパクトや会計ビッグバンについては最近出されるものよりも多め。あとは、証券化商品全盛期なので時代背景も抑えて読むべし。

    個人的に刺さったのが6章と7章。株式IRとデットIRの違いや間接金融と直接金融の違い、格付け会社と金融機関の優位性の違い、金融機関の思惑については十分2011年10月現在でも示唆深いと思います。著者の意見や問題意識の部分である6-7章がもっとも面白い、というのは個人的に本でもっとも重要なことだと思うので、結構読んでよかった本だと思います。

    UTDされたらぜひまた読んでみたいな。

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著者プロフィール

東京都立大学大学院 経営学研究科教授、東京都立大学 経済経営学部教授
株式会社日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業などを担当後、ムーディーズジャパン株式会社格付けアナリストを経て、株式会社コーポレイトディレクション及びブーズ・アンド・カンパニー(旧ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン)株式会社にてパートナーを務める。諮問委員会委員、公認会計士試験委員、公的機関の経営委員、上場企業数社の社外取締役などを務めている。
著書『グループ経営入門 第3版』(税務経理協会)、『これならわかるコーポレートガバナンスの教科書』(日経BP社)、『コーポレートファイナンス実務の教科書』(日本実業出版社)、『ESG経営を強くするコーポレートガバナンスの実践』(日経BP社)、『経営改革の教室』(中央経済社)など。
東京外国語大学外国語学部卒、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学専攻博士課程修了。博士(経営学)

「2021年 『図解入門ビジネス 最新 コーポレートファイナンスの基本と実践がよ~くわかる本[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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