トランスジェンダリズム宣言: 性別の自己決定権と多様な性の肯定

  • 社会批評社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784916117557

作品紹介・あらすじ

◆私の性別は私が決める!◆
●本書は、各界で活躍する9人の当事者の実践的啓蒙書。トランスジェンダーとは何か? そ の入門的解説から、日常生活・就労問題・医療・社会制度上の問題など多方面にわたって、トランスジェンダーたちの直面する諸問題を解説。
●そして、古代・中世・近世から現代に至るまでの日本におけるトランスジェンダーの歴史とアメリカでのその歴史を概括する。
●こうして本書は、性別の多様性の認識の中で、「性別の自己決定権」という新しい問題提起を行う。戸籍研究家の佐藤文明氏の寄稿、日本精神神経学会「性同一性障害に関する第二次特別委員会」委員長の中島豊爾氏のインタビューなども収録。

感想・レビュー・書評

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  • tgism.info

    何々だからこうでなくちゃならない、なんて決まりはない。
    誰もがそれぞれの人生を生きているだけ。マイノリティ、マジョリティという区別にも、大して意味がないように思える。

  • あるトランスジェンダーの人から「お勧めの本」と言われていたのだが、読んでみたら本当に面白かった。

    トランスジェンダーという言葉を作ったヴァージニア・プリンスという人らしいのだが、この人の作った当初の「トランスジェンダー」の意味って、性別違和を感じない人で、ジェンダー違和を感じる人のことだったそうだ。

    今でもトランスジェンダーがそういう意味だったら、わたしはトランスジェンダーなんだよねー。

    ただ、知らぬ間に「ジェンダー違和」ではなく「性別違和を持ったもの」という意味がくっつけられてしまった。わたし、性別違和とジェンダー違和って絶対に別の概念だと思う。でもジェンダー違和って(生活にあまり支障がないからか)それ単体でそんなに取りあげられるのを読んだことがない。

    トランス系の本って今まで読んだ中ではどうも性別違和とジェンダー違和をごっちゃにしてるような気がしてならない。というか、それも中途半端なごっちゃの仕方というか。

    あと、前に書いた「トランスジェンダーフェミニズム」の著者がこの本はMtFの人ばかりでなぜFtMの人が含まれてないんだと書いてたが、確かにそれは感じるねえ。もうちょっとバランスが良ければもっと面白い本になっただろうに、という気はする。

  • 副題に「性別の自己決定権と多様な性の肯定」とうたっている通り、トランスジェンダーをめぐる現状と諸問題を鋭く指摘し、社会的性別(ジェンダー)の選択の自由を主張し、トランスジェンダー(性別越境者)としての自らの有り様を肯定的に認識しようという内容です。
     
    私は、第3章「トランスジェンダーの歴史と思想」の第1~3節を執筆し、かつ座談会で大いに語っています。
     
    以下の目次をご覧いただければわかる通り、メチャクチャ濃い内容の本です。
    --------------------------------
    〔目   次 〕

    まえがき(米沢泉美)

    第一章 トランスジェンダー概論(米沢泉美)

    第二章 トランスジェンダーの直面する問題
    ◎社会問題(いつき)
    ◎パブリックスペースと性別(筒井真樹子)
    ◎制度的性別(米沢泉美)
    ◎医療問題(いつき)
    ◎メディアとトランスジェンダー(米沢泉美)
    ★コラム セックスワークとトランスジェンダーの関係(畑野とまと)
    ★コラム トランスジェンダー当事者と家族をとりまく問題(いつき)

    第三章 トランスジェンダーの歴史と思想
    ◎日本トランスジェンダー略史(その1)―古代から近代まで(三橋順子)
    ●古代~中世社会における「神性」
    ●近世社会における展開
    ●近代社会における抑圧

    ◎日本トランスジェンダー略史(その2)―戦後の新展開(三橋順子)
    ●1940年代後半~50年代
    ●1960年代~70年代
    ●1980年代
    ●1990年代前半

    ◎日本トランスジェンダー略史(その3)―1990年代後半~現在(三橋順子)
    ●トランスジェンダリズムへの潮流
    ●性同一性障害をめぐる諸問題
    ●トランスジェンダーの社会進出と未来

    ◎ヴァージニア・プリンスとトランスジェンダー(筒井真樹子)
    ◎アメリカのトランスジェンダー・アイデンティティ(筒井真樹子)
    ★コラム TGブランチ発足から「約束事」へ(森田MILK)
    ★コラム MIX! ABOUT! THROUGH THE NIGHT!
         ―玖伊屋紹介 (阿倍まりあ)

    第四章 トランスジェンダーが生きやすい社会をめざして
    ◎トランスジェンダリズムとは(米沢泉美)
    ◎性別に自己決定権を(米沢泉美)
    ◎制度的性別をめぐって(米沢泉美)
    ◎医療をめぐって(いつき)
    ◎おわりに―性別の多様性を(米沢泉美)
    ★コラム 戸籍性別の変更が認められる可能性はあるのか(佐藤文明)
    ★インタビュー 医療はトランスジェンダーにどうかかわるか(中島豊璽)

    第五章 トークバトル「トランスジェンダリズム宣言」
    ●出席者 三橋順子/米沢泉美/いつき/司会・筒井真樹子

    ◆トランスジェンダー用語集(米沢泉美)

  • 性同一性障害に関する書籍です。
    自分の心や気持ちを尊重して性別を決定するということの、基本的人権に関わるであろう極々当たり前のことが非常に難しいということ。そして、様々な性が存在していることに対する自然性が記されています。

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著者プロフィール

トランスジェンダー、フルタイムMtF。コンピュータエンジニア。99年に戸籍名を「泉美」に変更。
住基ネットに反対する市民運動などで活躍中。
著書に『キツネ目のスパイ宮崎学』など。

「2003年 『トランスジェンダリズム宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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