あたらしい ぼく

  • 童話屋
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  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784924684584

感想・レビュー・書評

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  • こうして文章として、客観的な冷静さがありつつも、とても繊細で感覚的な、『ぼく』の、瑞々しさ溢れる内観の様子には、懐かしくも青春だなあと、爽やかな気持ちにさせられる。

    おそらく、私自身も、これくらい詳細に実感した瞬間があったと思うのだが、今となっては、曖昧で思い出せない。

    ただ、ここでの、ぼくの心の声には、共感出来るものがあり、これを繰り返していって、自分というものを確立していくのかもしれないなと思わせてくれる、シャーロット・ゾロトウの視点には、いつも、忘れかけた大切なことへの気付きを促してくれて、ハッとさせられるものがある。

    また、エリック・ブレグヴァドの、ノスタルジーを感じさせる淡い絵柄も、物語の雰囲気に合っている中で(特に黒猫がいい存在感)、貝殻の精密な絵柄だけが、異なる雰囲気を放っているように思われるが、これぞまさしく、『あたらしいぼく』の、ものの見方が変わったことを、絵で表現されているのだろうと認識すると、物語と絵、それぞれが、テーマに対する思いを共にしている、一体感があるようで、児童書への真剣さを見た思いがした。

  • 去年まで気に入っていた壁紙が急にしっくり来なくなる。周囲のものの見え方になんとなく違和感がある…

    こうやって、一つずつ脱皮をしていきながら子どもは成長していくんだなと思ったら、なんだか少し切ない気持ちになりました。原題は『Someone New』。

  • 物語の導入、主人公のぼくといっしょに不思議なきもちになります
    大きな成長 ちょっぴり悲しくなるね

  • 趣味、趣向は色々変わるわ

  • 今までとは何かが違うんだって心の変化に気づける感性が素晴らしいなと思った。上手く説明はできないけれど、自分の中に確かな実感としてあるものを大切にして生きていいんだよね。

  • そうやって大人の階段を上っていくのね。

  • なんかへんなかんじなんだ
    たしかにぼくはここにいるけど
    そのぼくはぼくじゃないみたいなんだ

    この最初のページに心をぐっと持ってかれた。いつのまにか色んなものを卒業してゆくけれど、その卒業ってどんなことだっけ…?少年の心の成長とともにそんなことを考えさせられます。卒業じゃなくて成長だなあって思う。

  • 少年の心の変化、成長、大人への一歩。
    ぬいぐるみやガラクタではもう遊ばなくていい、ビー玉遊びより散歩がいい、去年貼り変えてもらった壁紙だって、風船の柄より木目のものにしてもらえばよかった。
    ぼくはぼくだけどぼくじゃない、ここにいるのは新しいぼくだ。

    なんだか泣けた。見た目に分からない成長ってたしかにあるのだ、と確認できる。大人はそれを受け入れていかねばならない。「もっと子どもらしくなさい」なんてのは大人のエゴでしかない。子どもも一個人として認め、向き合っていく。ツラいときは受けとめる。
    あたらしいぼくに見合った、あたらしいわたしになりたい。

  • 春、成長、あたらしい自分。

    絵本の中で、季節の表現はないのだけれど、
    3月に合う絵本です。

    絵本、というよりも、絵付きの詩みたい。

    自意識の芽生えのむずがゆさ。

    読みながら、なんだか甘酸っぱい気持ちになりました、笑

    わたしにもあった、「あたらしい」自分が、
    いまはどうだろう・・・

    いつでも、「あたらしい」自分には出会えるはずなのになあ。

  • ゾロトウはこどもたちの成長を描かせたら世界一だと思ってるんですが
    静かに静かに男の子が変わっていく様、
    それは劇的な何かではなく
    ありふれた日常の小さな変化
    自分でもはっきり認識するわけではないかもしれないけれど
    あぁ、そうなんだな、と、じんわりしみこむ

    そんな小さな小さな変化が
    こどもにとっては大きな変化の入り口、
    それをあえて呼ぶのなら成長していくこと、なのかもしれないと
    静かに気づかせてくれる絵本なのです。

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著者プロフィール

1915-2013年。米国ヴァージニア州生まれ。ウィスコンシン大学卒業。出版社で50年以上にわたり児童図書の編集者として活躍するかたわら、絵本作家として60冊以上の作品を出版。主な絵本に『うさぎさんてつだってほしいの』(冨山房)、『かぜはどこへいくの』(偕成社)、『ねえさんといもうと』(福音館書店)、『あらしのひ』『いつかはきっと』(ほるぷ出版)、『はるになったら』(徳間書店)などがある。

「2018年 『かあさん、だいすき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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