おこぜ流経営学 4000億円を目指すあすなろの木の企業遺伝子

著者 :
  • 日経BP社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784931466999

感想・レビュー・書評

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  • EMS事業の先駆者であり、エレクトロニクス分野では
    異端な”独立系”商社である「加賀電子」の現会長
    塚本 勲氏の経営学に関する著書。

    加賀電子は、東証二部上場の際に、上場時の社員平均年齢が
    24歳という驚異的な”若い”会社としてIPOを行った
    記録を持つ。

    この本を読んだ目的として、
    -----
    1.社員の年齢も設立年数も若い会社を、どのように
    世界企業に育てたのか
    2.元伊藤園会長や東映の相談役が属したオーケー会で
    会長が学んだ事を知りたかった
    -----
    の二点

    本著で大きな感銘を受けたのが
    -----
    ①表題に使われた「おこぜ」といわれる会長の営業哲学。
    おこぜは、見た目はグロテスクだが、中身はうまく
    通には誰にでも愛されている。
    営業も同じで、見た目よりも中身が大事。
    ”一勢攻守縁”中身という一点に絞り、勢いのまま
    攻守にバランスを持ちながら、人の縁を一番大事にし
    営業していく。

    ②加点主義型自主責任経営
    松下幸之助氏、稲盛和夫氏らが実践した
    自主責任経営に、評価基準を、失敗を評価するのではなく
    成功を評価する加点主義を採用。
    単位を一社員まで落とし込み「野武士」と
    呼び、アメーバ経営の進化系を実践している。

    ③オーケー会でのやり取り
    目的どおり、元伊藤園会長とのやり取りが記載されていた。
    「人生は運が七割、人とのつながりが三割。能力にさほど差はない」と元伊藤園会長の言葉通り、塚本会長は、事業ドメインの
    拡大時にも、謙虚に、結果は運と判断し、つながりを重要視した
    営業活動により、会社を拡大させた。
    --------------

    独立系というハンデでもあり、強みでもある
    独自性を活かし、徹底したニッチ分野へのアプローチを
    展開。常に、良い結果のときは、運が良かったと
    謙虚さを維持し、失敗したときは改善を
    重ねた、塚本会長の姿勢に感銘を受けました。

  • 温故知新
    9年前の自社の経営ポリシー本をあらためて再読した。
    大人しい若手社員が多いと、嘆く声の聞かれる昨今。
    文中に登場する実在人物は、アグレッシブな人情家。
    自分は今でもそんな野武士集団の残党だと思っている。

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著者プロフィール

早稲田大学法学部卒。大学在学中より名経営者である日本精工元会長・今里廣記氏に師事。その後も、京セラ名誉会長・稲盛和夫氏、アサヒビール元会長・樋口廣太郎氏などの著名な経営者から経営を学ぶ。
プロ経営者として、2007年に東証一部の(株)ハードオフコーポレーション代表取締役社長に就任。2014年には(株)リソー教育副社長に就任し、当時、破綻の危機に瀕していた同社にて、コンプライアンス重視の経営、ガバナンス経営を実現する経営改革を行い、1年半で見事復活させる。著書に『軍師の戦略』(クロスメディア・パブリッシング)、『稲盛和夫と中村天風』(プレジデント社)、『松下幸之助の菜根譚』(あさ出版)など多数。

「2019年 『1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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