- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784938463700
感想・レビュー・書評
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2010/1/16 購入
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アメ文翻訳家、青山さんのかなり前のエッセイ集。なかなか探せなくて苦労しましたー。もともと青山さんの文章は好きなのですが、ライ麦畑にいるかたのファンでないということを最近知り、その1点で、私の中の好感度急上昇中(笑)。
内容は書評誌などに連載していた、翻訳や文学話あれこれ。『イーディ』の項は連載時に読んだ覚えがあり、自分の中の時間の流れを感じる(笑)。アメリカ南部の話題が多く、フォークナーがよく取り上げられているように思います。それに、「黒人」ではなくて「アフリカ系アメリカ人」と表現する「ポリティカリー・コレクト」や、「この人が『いい』とTVで紹介したら爆発的に売れる」オプラ・ウィンフリーのブッククラブなど、リアルタイムでアメリカの文学シーンを紹介した項が多く、当時を懐かしく読めました。フィリップ・ロスの小説がなぜ面白く感じなかったのか、あらためて納得も(笑)。
筆致は軽やかで、ご自分の印象をすぱっとおっしゃるスタイルが楽しくて気持ちいいです。同じアメ文の柴田元幸さんのエッセイは、柴田さんご自身がおっしゃるように、このあたりをすごくニュートラルに持っていっておられ、やんちゃ味という面ではちょっと薄く感じていますので。あるアンケートに対するQ&A形式で書かれた『翻訳家の損得勘定』には、本音炸裂で爆笑ー。
知っている作家さん(名前だけ含む:笑)と話題が多かったからか、読んでいてもストレスが少なかったようにも思います。私がいちばんアメ文を読んでいたころに、ガイドしてくださっていたのは青山さんだったんだな…ということが図らずも発見できてしまった1冊でした。 -
このへんのエッセイは全部同じような感じで感想も何もないけど、全部それなりに面白いのだ。ダニエル・スティールがイーサン・ケイニンのいた創作科の先生だったって知ったんだけど、でもこれで読んだんじゃなかったかも。ロバート・クラムが気になる。
2007.2.13