世界史入門: ヴィーコからアナールへ

  • 藤原書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784938661724

作品紹介・あらすじ

フェーヴル、ブローデル、バルト、ル・ロワ・ラデュリ、コルバンに至るフランス歴史・思想・文学の通奏底音…。「アナール」の生みの母19世紀の大歴史家、ミシュレの歴史観の全貌。

感想・レビュー・書評

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  • ミシュレの歴史学に対する姿勢や思想を、その著作からわかりやすく追ってまとめられた本。
    革命について。ミシュレの奉ずる自由について。それら全てが「民衆」とは無縁ではあり得ない。

    確かにここが「アナール派」が生まれいずる土壌なんだな…というのは、なんとなく実感。

    とにかくひたすらに高潔(すぎるきらいはある気がする・・・)
    そして、時たま距離が足りない部分を感じはするが、その辺の疑問は付篇を読んで納得した。自分が体感している時間を冷静に眺めるのは、ある部分においては無理であろうというのは、どの時代にも共通して言えることだろうし、当然後の時代に生きている人間がみれば、そこは引っかかりはするよね。
    過去の歴史的著作を眺めうるのに、その落とし穴に落ちないようにすることは重要なんじゃないかとは。

    フェーヴルによる付篇のほんの一部分ながら、ミシュレ含むブリュメールのクーデター周辺に生まれた世代に関しての考察が、個人的にはよい参考。
    あの辺りを読んでパッと浮かんだのが、実はスタンダールの物語の主人公たちだったりする。

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著者プロフィール

ジュール・ミシュレ(Jules Michelet)
フランス革命末期の1798年8月にパリで生まれ、父親の印刷業を手伝いながら、まだ中世の面影を色濃く残すパリで育ち勉学に励んだ。1827年、高等師範の歴史学教授。1831年、国立古文書館の部長、1838年からコレージュ・ド・フランス教授。復古的王制やナポレオン三世の帝政下、抑圧を受けながら人民を主役とする立場を貫いた。1874年2月没。

「2024年 『フランス史Ⅹ アンリ四世』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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