- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784943959281
作品紹介・あらすじ
『ミュージック・マガジン』の記事とLPのライナー・ノーツからセレクション。
感想・レビュー・書評
-
¥
mmsn01-
【要約】
・
【ノート】
・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010年に他界した音楽・映画評論家である今野雄二氏の、ミュージック・マガジンに掲載された記事と、アルバムのライナー・ノーツをセレクトし、一冊にまとめたもの。
外来語に対する独特の表記(例えば「メンバー」を「メムバー」と表記、すなわちMemberにおける「m」を、すべて「マ行」で表記するやりかた)で表したり、これまた独特な文体や言い回しは好き嫌いが判れるだろうなぁ、と思われる。
僕自身、リアル・タイムでミュージック・マガジンやアルバムのライナー・ノーツで読んでいた時に、ちょっと居心地の悪さを感じていた記憶がある。
それでも、今野氏の好きだったアーティスト、例えばトーキング・ヘッズやロクシー・ミュージック、キッド・クリオール等は僕も好きなアーティストであり、それ故に共感を抱く場面も多かった。
まぁ、割と強引に色々なものを上記のアーティストにこじつけて語ってしまうのは、ご愛嬌といったところか。
今野氏が同性愛者であることは、彼の死後に知った。
だからであろうか、こうしてまとめて読み直してみると、性的に倒錯した世界を語っていることが実に多いなぁ、と感じた。
以前に感じた居心地の悪さというのは、実は表記方法や文体や言い回しだけでなく、こういった倒錯した世界への無自覚な拒絶だったのかも知れない(決して今野氏を拒絶している訳ではなく、あくまでも僕自身の嗜好の問題)。
あのミュージック・マガジンの元編集長であり、今野氏とは評論家仲間でもあった故中村とうよう氏や、これまた今野氏と友好関係にあった故加藤和彦氏と同じく、今野氏も自殺であった(改めて考えてみると三人とも自殺だったとは……)。
遅まきながら、ご冥福をお祈りいたします。