- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784944219360
作品紹介・あらすじ
外国人識者による"東京裁判"批判の集大成。東京裁判を批判していたのは、パール判事だけではなかった。世界14ヵ国の識者が問う「連合国の戦争責任」-。
感想・レビュー・書評
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『#世界がさばく東京裁判』
ほぼ日書評 Day623
評者は法律、ましてや国際法に関しては、ズブの素人である。からして、本書で展開されるロジックが、客観的にどれほどの正鵠を得ているものなのかを断ずることは出来ないが、次のような疑問を持ったことのある方は、是非一度、手に取られることをお勧めしたい。
すなわち、
・「合祀問題」で話題になることの多い「A級戦犯」であるが、大東亜戦争(第二次世界大戦の本来の日本語呼称)以外で、それに該当する人物は誰か?
・東京大空襲に相当する都市部民間人を標的とする爆撃が行われたことが、同戦争以外で存在したか?
・ソ連(現、ロシア)が、樺太や千島列島を実効支配する論理的根拠は何か?
各論の妥当性は読者ならびに識者のご意見を待ちたいが、上記の疑問に対する一連の回答は、まさに「目から鱗」である。
日本サイドの論客のみならず、東京裁判当時から近年に至るまで「連合国側」の主要登場人物達(マッカーサーもその1人という)もが、あるいは戦後の日本社会党の議員までもが、同裁判の不当さ、間違いを繰り返し唱えているのだ。
個別の議論ではないが、初耳なポイントをふたつほど引用。
国際法の意味における「戦争」(戦争状態)が終了するのは、原則として、交戦国間に締結された平和(講和)条約が発効する時点においてである。したがって、大東亜戦争が法的に集結したのは、日本と連合国との間のサンフランシスコ平和条約の発効の時点(昭和27年4月28日)においてであり、日本国民一般が考えている昭和20年8月15日ではない。連合軍は、戦闘段階終了後の占領段階において、連合国の利益にかなった日本社会の改造政策を戦争行為(軍事行動)として推進したのである。
日本で一般に用いられる「侵略戦争」なる表現は "war of aggression" の訳であり、明らかな誤訳(★侵略は我々世代にはスペースインベーダーでお馴染みの "invasion" であるはず)。
日本でもよく使われる「アグレッシブ」の派生系である、この語に、ウルトラシリーズの "外星人"(シン・ウルトラマンでは「宇宙人」のことを、こう呼ぶ)のように、その地の住人たちを無理矢理にでも服従させ、蹂躙しようという意図は含まれない。
本来は「侵攻」、つまりせいぜいが先手をとって攻撃するという程度の意味であるというものだ。
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1996年発行の改訂版。
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罪刑法定主義、これは法律を学んだものであれば、当然知っている大原則だ。
それが、かの東京裁判では、はなからないがしろにされ、戦勝連合国、アメリカの独断で、当時の国際法学者も疑問を呈していたにもかかわらず、マッカーサーの予断と偏見でエセ裁判が蛮行されたのだ。
そして、まんまとアメリカのプロパガンダに洗脳された浅はかな政治屋の言動でいまだに東京裁判史観が生き残っている。
戦後の国会では、かの社会党代議士もサンフランシスコ平和条約を機に真の日本独立の論戦を張っていたのだ。
まさしく良識ある85人の外国人識者が語っているのである。
原子爆弾投下は、明らかに戦時国際法違反なのである。
真の日本の保守主義政治家の出現を待ちたいのが・・・ -
巻末の付録I、IIを読むだけでもいはゆる「東京裁判」といふ魔法から脱せられるでせう。且戦勝国の一部政府が如何ほど国際法を退歩させてゐるかも気付かれるでせう。
以下私的戯言です。
本編で「Agression」を「侵略」ではなく国際法上に正しく侵攻と訳され一貫して記されてをりますが、惜しむらくは「UN」=ユナイテッド・ネイションの「国際連合」乃至「国連」といふ外務省による奇怪な造語も、正しくは連合国と、本編一部の記述のみでなく全編とほし用ひてをられゝば、UN=連合国の偽善・欺瞞による国際法の蹂躙が此れまた明らかにされると思ふ。 -
中立条約、戦勝国の責任など、一歩踏み込んだことについても書かれています。
日本は自衛戦争であったこと、一般の植民地化政策とは異なるものであったことなどなど、具体例もしっかりとしているので読んでてゾクゾクとします。 -
戦後60年の今年、靖国問題で中韓から激しく非難を受けている現状をみて、「そもそも太平洋戦争をどのように理解すればよいのだろうか」と思っていた。その疑問にこの本は答えてくれている