わけいっても、わけいっても、インド

著者 :
  • 旅行人
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本棚登録 : 66
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784947702654

作品紹介・あらすじ

インドの奥地に住む先住民の、美しいアートを求めて旅するインド奥地紀行。

感想・レビュー・書評

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  • インドの色んな地域の家の壁に描かれた壁画を見にいく様子が書かれていて興味深かった。蔵前さんも言ったように、行く先々の人々はみんな親切で優しかった。ぼられるんじゃないか、親切にして代金をせびられるんじゃないかと思って、疑って悪かった、みたいなことが何度かあった。載っている写真も観光地っぽくない、日常のインドが見れてよかった。

  • 旅行人を立ち上げた人の旅行記であり、インドの少数民族やトライブの人たちの手工芸紹介本。

  • アディヴァシーと呼ばれるインド先住民(ヒンズー教が入ってくる前からインドにいた民族)の文化やアートをテーマに、普通の観光地とはまったく違うインドへ分け入っていく紀行文だ。
    世界遺産などの観光名所的なものはほとんど出てこないのだけれど、それが楽しい。

    おおよその資料だけで「あそこになんかあるらしい」と現地へ向かい、そこでインド人たちに尋ね、いい加減な答えをもらってはさらに別の場所へ向かい、するとまた別のいい加減な答えが返されて元来た道をたどることになり・・・となんかおとぎ話か何かのような嘘みたいな話が展開する。

    時間と精神に相当余裕がないとできないだろう旅行で、同じ体験はできる気がしないけれども読んでいて楽しい。
    自分も伝統工芸や手仕事については興味があるので余計に面白かった。

    紙のミティラー画は政府主導で収入を得るために推奨された「商品」であり、描いている人によってうまいへたがある(特に技術がなくても現金収入のために描いている人がたくさんいる)、とか、実際に作っている工芸の村は土産物屋化していて、しかもふっかけてくるため商品は政府公認の店よりも高額である、とか、不都合な事実についてもちゃんと書かれていて、インドの経済とか社会構造とかについてもちょっと考えさせられる。
    この本が刊行されてからだいぶ経っているので、また現地の状況は変わっているのだろうけれど。

    インドで観光客のいない場所にいったよ、現地の人と触れ合ったよ、というような紀行ブログなどをよく見かけるけれども、そういった「あらかじめ知っている情報からちょっとだけ外れたところに行ってみた」というのとは段違いの突撃ぶりが痛快だった。

  • 「ゴーゴーインド」の蔵前仁一さんのインド旅行エッセイ。ミティラー画などの民俗画やアディヴァシー(インド先住民族)のアートをめぐる旅。
    民家の壁を求めて、現地で出会った人をたよりに、聞いたことがないどころかガイドブックにも記載がないような村々へ。各地で撮影された現地の人の写真がよい。2004年-2008年頃の旅だそうで、スマホ×Googleを使わずに旅できる最後の時期だったのかもしれない。
    「ミティラー美術館」が日本(新潟県十日町市)にもあることを初めて知った。

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著者プロフィール

蔵前仁一
1956年(昭和31)鹿児島県生まれ。旅行作家・グラフィックデザイナー。
慶應義塾大学卒業後、80年代初頭からアジア・アフリカを中心に世界各地を旅する。
個人旅行者のための雑誌、『旅行人』編集長を務め、多くの旅行作家を輩出、
バックパッカーの教祖と呼ばれた。
『ゴーゴー・アジア』や『ゴーゴー・アフリカ』(ともに凱旋社」)をはじめ、
『旅で眠りたい』(新潮社)、『あの日、僕は旅に出た』(幻冬舎文庫)、
『よく晴れた日イランへ』(旅行人)など著書多数。

「2018年 『テキトーだって旅に出られる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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