- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784990346119
感想・レビュー・書評
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肺がん -
さすが東大卒の方だけあり、知的な文章をお書きになると思った。内容としては、肺がんで初期だったため切除し、現在は再発の恐怖と闘っているという流れ。さまざまな立場からがんを見ているため非常に勉強になった一冊。
メモ
・がんの治療・・・手術、抗がん剤、放射線治療
・がん治療の目標
がんを完全に治す「根治」
一日も長く生きる「延命」
症状が出た場合に高い生存の質を得る「緩和」
・がん転移について
転移したがんも、元の性質を受け継いでいる。
→原発のがんを突き止めることが大事
転移したがんでは抗がん剤が治療の中心 -
がんを患った苦しみ、後悔と、もっと楽しみながら生きることを追求した姿勢が描かれており、大病しただけでは、周囲も自分も変わらないのだと思った。
治療に関しては、再発率の高いがんでは、複数の病巣は全身性の転移を意味する。つまり、完治の見込みが低いので、残された時間をいかに過ごすか考えねばならないという点がためになった。
彼が指摘する勤務医の超過労働は、医療制度と勤務の組み方による。一般企業であれば、リストラ(雇用調整)と派遣法の拡大が原因で、若い年代が、過労もしくは貧困で苦しんでいるが、改革には力を束ねる必要があると感じた。 -
34歳の若さで肺癌患者になった加藤大基医師。彼は、東大放射線科治療部門に所属し、日夜がん患者さんの治療にあたっていた人だ。闘病生活を過ごしつつ、自分の病と向き合い、専門家として、一人の人間として、残しておきたいメッセージを執筆したという異色の書籍。