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- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784990361747
作品紹介・あらすじ
源氏物語を勧善懲悪や戒律の議論から解き放ち、その本質を「物のあわれ」であると捉えた歴史的評論。その後の日本文学に与えた影響は計り知れない。『紫文要領』の最終稿とされる第一巻、二巻を訳出。源氏物語の入門書としても秀逸。
感想・レビュー・書評
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「紫文要領」に続けて本書を読めたことで本居宣長の源氏論を自分なりに理解できました。
宣長は、「源氏物語」が好色の戒め、勧善懲悪の書として解されていることを批判し、儒仏の善悪を書いたものではなく、また、盛者必衰・会者定離を知らせるものではないのです。ひたすら春夏秋冬・花鳥風月に感じる“ものの哀れ”を描き、このことによって、一面的でない人の情(心)を書き尽くしたといいます。さらに、なかなかに捉えがたい人間というものをここまで描いたものは過去にも現在にもなく、卓越しているとその文学性を評価しています。現在でも、「源氏物語」は光源氏が好色、ロリコンで強姦魔だとし、だから「源氏物語」は好きじゃないという人がいます。これも本居宣長なら、同様に、キリスト教的価値観や共感主義に毒された読みの浅い読書態度と批判するのでしょうね。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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