セオドア・ルーズベルトがアマゾン探検をしていたとは知らなかった。それも死の淵の寸前に至るまで。
アメリカの大統領の 任期2期8年を務めて、その後3期目の当選を狙った大統領は選挙の敗れ、アマゾンの未踏破の河川の冒険を企てる。いろんな偶然が重なり、地理学的には重要な、冒険家としては無謀な、歴史学的には未曾有な冒険が始まる。九死に一生とはまさにこのこと、なんとか生きながらえてアメリカに生還する。
文明とは拡張するべきものなのか?石器時代の生活を送る原住民は悪といえるのか。ヒトは自然にどれだけ依存しているのか、そしてその依存をどれだけ意識するべきなのか?今日的な問題とたくさん提起する作品であった。博物学的な知識、歴史学的な記述、どれをとっても最上の読み物でした。登場人物の人となりや熱帯雨林の様子。恐怖などもよく記述できていたと思う。
ちなみにルーズベルトは日露戦争の講和に尽力してくれた人です。