エアリアル

著者 :
  • ポエムピース
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  • Amazon.co.jp ・本 (47ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990760472

作品紹介・あらすじ

道具としての詩。

プランナーである著者が、仕事の中で書いた「仕事詩」、
父親として書いた「子育て詩」、亡き友人のために書いた「追悼詩」。
コピーのようでそうでもなく、自己表現でもない、
何かのための「道具としての詩」を集めた詩集。

本文より


予 感

予感をデザインしよう
それは未来の予行演習
わくわくするもののあるほうへ
まだ見ぬ誰かと門をくぐること
そのときめき
その匂い 

予感をデザインしよう
それは街の操縦訓練
新しい季節の魔法に人が華やぐ
それをあなたが仕組むこと
その誘惑
その匂い

予感をデザインしよう
それは心の反応検査
階段をかけのぼるうれしさを
指差確認するような朝のひと言
その確かさ
その匂い



詩 人

すぐに書ける
まねでもいいじゃない
通り過ぎる言葉の
袖口をちょっと引っ張ればいいのさ

かどで待ち伏せしてたら
うしろから肩をたたかれるよ
怖い言葉たちに

そしたら道をあけてやりなさい
あふれるように
ことばが躍り出て
風景は変わる

詩人は
はじめてのおつかいから
帰ってこなかった子だ



ネ オ テ ニ ー

全体と部分
その
スペクトラム

全体のない部分
は全体

声のない舌
目のない光
言葉のない意味

部分が
完成する

星のように

おとなのないこども
雑踏の時間が
素通りしていく
まちぼうけのこども

著者プロフィール

プランナー。詩人。グッドアイデア株式会社代表取締役。多摩美術大学、東京理科大学非常勤講師。株式会社ワコールアートセンター/スパイラル シニアプランナー。グッドデザイン賞審査委員歴任。ポエトリーコレクティブ「oblaat」代表世話人。著書に『ワークショップー偶然をデザインする技術』(共著、宣伝会議)、『わたしの犬退治』『エアリアル』(ポエムピース)など。

「2022年 『空気の日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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