- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784990956608
作品紹介・あらすじ
穴があったら入りたい!? 学問、人生、宇宙の謎。すべての穴はドーナツに通ず。歴史学、経済学、物質文化論、コミュニケーション学、工学、数学、言語学、哲学…。人類の叡智をドーナツの穴へと傾注した知の宝石箱。ドーナトロジーへようこそ!
感想・レビュー・書評
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【新着図書ピックアップ!】「そう、今そこにある謎を、今そこにある『知りたい!』を探求する、その喜びと幸せを共有することが、本書の一番の目的である。」p.7 ドーナツの穴研究委員会!が2年を費やしたドーナツの穴の研究、ドーナトロジー(doughnutology)の本です。
物質文化論、言語学、哲学、数学、コミュニケーション学... いろいろな視点から楽しめます。
1852年のレシピもあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった!
ドーナツの穴とは何なんだ、という問題を、様々な分野の探求者たちが考える本。
言語学、哲学、数学、物質文化論などなど、色々な角度から見るドーナツの穴がとても面白かったし、テーマが同じことで、それぞれの学問はどんなことを考え、どんな風にアプローチするものなのかを知ることができる。
一冊で二度美味しい。
はードーナツ食べたーい! -
まだまだ世界には面白いことを考える人たちがいるから、大丈夫、生きていける、と思える一冊。
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トータルでけっこう面白かった。
女版方では、ドーナツの穴と言うタイトルを与えられた学者が無理矢理ひねり出して書いている感じもあったが、第7章、第8章がこの本の真髄だと思う。あなと言うものをどのように捉えるかについて、言語学などの視点から論理建てて積み上げていくことで、腹落ちする結論を導いてくれていて、なんというか、こういう不要不急ではないが楽しめる本というのはとても大切だなぁ、と感じた。知的冒険とも言えるかもしれない。 -
ドーナツの穴についての学際的研究。ドーナツについての研究なのか、穴的なものについての研究なのかという疑問もあるが、いずれにせよ研究の穴を埋める良書。
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【版元】
『失われたドーナツの穴を求めて』
芝垣亮介・奥田太郎 編
定価(本体1,800円+税)
2017年7月4日発行
A5判並製/224頁
ISBN 978-4-9909566-0-8 C0000
発行 さいはて社
ひょんなことからドーナツの穴に魅せられた言語学者が、ドーナツ屋と一緒に古来のレシピを再現したり、歴史学者が古代の中国にドーナツの穴を探したり、数学者がドーナツの穴を定義しようと位相幾何学を持ち出したり、哲学者がドーナツの穴の存在論を展開したり・・・。研究者たちが、こぞって「ドーナツの穴」を探求し、本気の遊びを繰り広げます!
穴があったら入りたい!? 学問、人生、宇宙の謎。すべての穴はドーナツに通ず。歴史学、経済学、物質文化論、コミュニケーション学、工学、数学、言語学、哲学・・・。人類の叡智をドーナツの穴へと傾注した知の宝石箱。ドーナトロジーへようこそ!
http://saihatesha.com/books02-20.html
【簡易目次】
第0穴 ドーナツとその穴にまつわる深い謎を学問する―― ドーナトロジーへようこそ 奥田太郎 008
第1穴[歴史学] ドーナッツの穴はいつからあるのか 大澤広晃 026
第2穴[実証研究] 失われたドーナツの穴を求めて 芝垣亮介[松川寛紀 監修] 046
第3穴[経済学] ドーナツの穴はいくらで売れるのか 後藤剛史 068
第4穴[物質文化論] ドーナツの穴から世界の成り立ちを覗く 佐藤啓介 090
第5穴[コミュニケーション学] ドーナツの穴に向かって会話する 今井達也 108
第6穴[数学] ドーナツの穴は数学的に定義できるか 佐々木克巳 126
第7穴[言語学] 私たちは何を「ドーナツの穴」と呼ぶのか 芝垣亮介 152
第8穴[哲学] ドーナツに穴は存在するのか 奥田太郎 192
【目次】
目次 [002-003]
はじめに(ドーナツの穴製作委員会ディレクター 芝垣亮介) [005-007]
第0穴 ドーナツとその穴にまつわる深い謎を学問する―― ドーナトロジーへようこそ 奥田太郎 008
1 私たちはドーナツのことをどれだけ知っていると言えるのだろうか 008
2 ドーナツとその穴の謎を解く方法 011
3 本書の楽しみ方 017
第1穴[歴史学] ドーナッツの穴はいつからあるのか 大澤広晃 026
1 はじめに 026
2 ドーナッツの穴の「伝説」 027
2-1 「ドーナッツの穴は私があけた」:ハンソン・グレゴリーの主張 027
2-2 「伝説」を検証する 029
3 ドーナッツの穴の歴史を違う角度からみてみる 030
3-1 いつから「ドーナッツに穴があいている」のが当たり前となったかのか? 030
3-2 余興:19世紀イギリスでのドーナッツとドーナッツの穴 035
4 むすびにかえて 039
第2穴[実証研究] 失われたドーナツの穴を求めて 芝垣亮介[松川寛紀 監修] 046
1 イントロ 046
2 事の経緯 047
3 1852年のドーナツの再現 049
3-1 レシピの読解 049
3-2 再現 052
4 試食、そして考察 055
5 まとめ――穴の周りを回り回って 056
第3穴[経済学] ドーナツの穴はいくらで売れるのか 後藤剛史 068
はじめに 068
1 副生産物を売る――製品差別化と価格付け 070
1-1 どうせ捨てるなら… 070
1-2 主生産物と副生産物はどちらも売れている 070
1-3 主生産物と副生産物の価格付け 071
1-4 品質を欲張る方がトクをする 074
2 ドーナツは1個ずつしか買えない 075
2-1 量についても、欲張りな人はトクをするのか? 075
2-2 ドーナツが単品販売である理由 077
3 ドーナツの甘さはだいたい同じ:水平的差別化の経済学 078
3-1 ドーナツの甘さについての好みは様 078
3-2 相手に近づくとトクをする 079
3-3 甘さはどこも同じ 080
3-4 クリスピー・クリーム・ドーナツは甘すぎる? 081
4 おわりに――経済学を学べば物事の共通点が見えてくる 082
第4穴[物質文化論] ドーナツの穴から世界の成り立ちを覗く 佐藤啓介 090
1 はじめに 090
2 穴をつくる 091
3 穴の製法を整理する 093
A 結び閉じ型
B 削り出し型
C くり抜き型
D 変型型
E 巻きつけ型
F 鋳造型
G 組み合わせ型
4 穴から世界をみる 098
おわりに 102
参考文献 102
第5穴[コミュニケーション学] ドーナツの穴に向かって会話する 今井達也 108
1 はじめに 108
2 座り方のコミュニケーション学 109
3 輪になって座る 112
4 ドーナツ型に座る 113
4-1 ドーナツ型会議と「穴」の力 113
4-2 ドーナツ型会議の穴はいつ消えるか 115
5 ドーナツの穴に関するコミュニケーション学的研究 117
参考文献 119
第6穴[数学] ドーナツの穴は数学的に定義できるか 佐々木 克巳 126
1 穴のある図形 127
2 図形の穴 140
3 「ドーナツを穴だけ残して食べる」の考察1 144
4 「ドーナツを穴だけ残して食べる」の考察2 146
参考文献 148
第7穴[言語学] 私たちは何を「ドーナツの穴」と呼ぶのか 芝垣亮介 152
1 イントロダクション 152
2 ドーナツの穴は使役構文 154
2-1 使役の必要性とドーナツの穴 155
2-2 派生的な言語事実 164
3 ドーナツ「の」穴からわかる我々の認識 166
3-1 属格(所有格)の「の」について 167
3-2 ドーナツ「の」穴の分析 168
4 ドーナツは輪型ではなく穴型 169
5 穴の典型性――ドーナツの穴から日英の穴へ 172
6 人はなぜ穴と輪を混同するのか 177
7 まとめ 179
参考文献 179
第8穴[哲学] ドーナツに穴は存在するのか 奥田太郎 192
1 穴はあなどれない 192
2 ドーナツには穴がない 194
3 ドーナツの穴は物体である 196
4 ドーナツの穴にはドーナツが欠けている 200
5 ドーナツの穴はドーナツに依存している 201
6 穴を残せなくても、穴の存在論だけは残る 206
穴コラム0 ドーナツの形は宇宙の形? 奥田太郎 020
穴コラム1 中国から考えるドーナツの穴①―― 武漢面窩[ミェンウォー]と中国の「近代」 宮原佳昭 040
参考文献 044
武漢面窩の作り方 045
穴コラム2-1 僕たちがドーナツ屋になったワケ 松川寛紀 058
◎ 著者よりハグジードーナツを紹介
◎ ハグジーから皆様へ
穴コラム2-2 ハグジー流・家庭でできるおいしいドーナツのレシピ 松川寛紀・松川由実 064
穴コラム3 穴馬考――あなたの、そして私の穴が走っています 髙田一樹 084
1 西にはあるんだウマの国 084
2 アナが消えたウマ 085
3 アナが教えてくれたこと 086
4 ハレ、ときどきウマ 088
参考文献 089
穴コラム4 天体観測ミッションとドーナツ 坂本 登 104
穴コラム5 中国から考えるドーナツの穴②――漢字・文物・貨幣 宮原佳昭 120
1 漢字
2 文物・貨幣
参考文献
穴コラム6 不思議の国のアリスにみる穴だけ残ったドーナツ! 佐々木克巳 150
穴コラム7-1 穴を掘るって、地面を掘るんじゃないの? 芝垣亮介 180
穴コラム7-2 穴を埋めると穴はなくなってしまうのか? 芝垣亮介 184
「ドーナツの穴」を学ぶ人のための必読書 [208-213]
特別寄稿 本書の穴を埋める 加地大介 [214-218]
あとがき [219-221]
ドーナツの穴製作委員会メンバー紹介 [222-223] -
こういう屁理屈好きだよ。ドーナツは、エンジェルクリーム好き。穴ないけど。
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河北新報20170903